節税効果あり?!出張旅費規程のメリットと、規定作成の3つのポイント

仕事で出張がある会社は多いかと思います。
この記事を読んでいる皆さんにも、少なくとも年に1度くらいは出張があるのではないでしょうか…?

大企業では、出張に行くと3,000円程度の手当が支給されていますが、今回はその手当の支払い・支給をルール化するための「出張旅費規程のメリット」と「その作成方法」をご紹介します。
様々な方にメリットがあるものになりますので、下記を参考に社長さんへ提案してみてはいかがでしょうか。

 

出張旅費規定作成による2つのメリット

なぜ大企業では手当を支給しているのでしょうか?
これには大きく2つのメリットがあります。それは、「手間の削減」と、「節税対策」です。

メリット1:経費精算の手間の削減

大企業は1日にたくさんの従業員が出張に行きますので、毎日、経費精算をすると手間が大変なことになってしまいます。また、精算の時に出張先での個人的な飲食代などが混ざってしまう可能性もあります。そういった問題を解決するために、実費精算ではなく固定額を支給しています。

大企業ではなくても、出張経費の精算で苦労されている経理の方は多いかと思いますので、出張旅費規定を作ることでその事務負担がなくなります。

メリット2:節税対策で支払側も受取側も幸せに

2つ目のメリット「節税対策」は、この手当(出張日当)を支給した場合、下記のように支払側と受取側(もらう側)にそれぞれお得な点があります。

支払側(会社)のお得な点
支給額が経費となります。
つまり、法人税・消費税・住民税の納付額が安くなります。
税率が約48%と想定すると、100万円を支給した場合は48万円の節税になります。

受取・もらう側(従業員・役員)のお得な点
もらった出張日当には所得税と住民税は課税されません。
100万円をもらうと、年収がそのまま100万円増えることになります。

所得税は収入により税率が変わりますが、最高税率である50%の場合は、税金50万がお得になります。

いかがでしょうか?
出張旅費規定の作成は、会社にとっても役員や従業員の皆さんにとってもメリットがあります。なお、この支給額は、代表者の場合、1日あたり2万円程度であれば、税務署からの指摘があっても問題無いと言われています。
そのため、代表者の出張が多い会社は大きな節税効果がありますので、この提案は会社への貢献度の特に高いものとなります。

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「出張旅費規定」を作る際のポイント

出張日当を支給するためには、タイトルの通り「出張旅費規定」の作成が必要となります。この出張旅費規定の様式は自由なため、ネットにある規定を参考に作成すれば良いのですが、作成にあたっては次のポイントをおさえておきましょう。

ポイント1. ルールを決定する

実際に出張旅費規定を作る場合は、以下のルールを定めます。

1.役職ごとに日帰りや宿泊、国内、海外別などによる金額の決定
2.役員だけでなく、従業員も含めた全員に支給されるものであることの決定
3.活動記録を残すための出張報告書の提出義務と管理部門の決定
4.旅費の精算方法 など

ポイント2. 全社員に伝える

ルールの2番にも示したとおり、出張旅費規定は税法上、対象者を限定する事ができず、代表者を含めた全員に適用しなければなりません。
社長のみの1人の会社の場合や家族従業員だけの会社であれば特に問題ないのですが、従業員がいる場合は全員に伝えて周知させる必要があります。

ポイント3. 設定金額を見直す

規定した支給額が高額すぎる場合は、税務署からの指摘を受けた際に支給額が否認されやすくなります。否認された場合は、会社は経費とならず、もらった人にも税金が掛かってしまいますので、決定した支給額を1度見直しましょう。
そうすることでその金額にした理由がより明確になり、しっかりとした対応が取れます。

 

出張旅費規定作成のまとめ

・ ルールを決定する
・ 全社員に伝える
・ 設定金額を見直す

 

最後に

この規定は、出張が多い職種であればあるほど効果が大きいものとなるため、やらない手はありません。是非、以上のポイントを踏まえて規定を作成してみてはいかがでしょうか。
 

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経費精算システム「楽楽精算」
● 著者
服部 峻介(セブンリッチ会計事務所)

服部 峻介(セブンリッチ会計事務所)

北海道大学経済学部卒。有限責任監査法人トーマツ入社後、上場企業の監査、内部統制、IPO支援、株価算定、M&A、不正調査等を実施。経営コンサルティング会社役員を経て、Seven Rich会計事務所を開業。スタートアップ企業を中心に、3年で160社以上の新規クライアントに対して会社の設立から会計税務、総務、ファイナンス、IPOコンサルなど幅広い支援を行っている。

セブンリッチ会計事務所

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