経費精算システムの選定基準とは ―外してはいけない4つのポイント―
経費精算業務のIT化に注目が集まっています。その中でも特に経費精算システムの導入を検討する企業が増えています。
2020年度の電子帳簿保存法改正では新たな保存方法としてクラウドサービスの利用が追加されるなど、政府としてもその動きを推進しています。
しかし、いざ経費精算システムを選ぶときに、どれを選べば良いか迷われている方も多いのではないでしょうか。
今回は、経費精算システムのメリットと選定のポイントをご紹介します。
経費精算システムとは
経費精算システムとは交通費の精算や立替費用などの精算業務を効率化するシステムです。申請書の作成から承認、また会計システムへのデータ連携を効率的に行うことができるため、経費申請者や承認者また経理担当者にとってメリットがあるシステムといえます。
経費精算システムを導入することで得られるメリット
経費精算システムの導入によるメリットは大きく4つに分けられます。
申請者の負担軽減
初めに、企業の従業員など経費の「申請者」の負担を軽減することができます。
たとえば紙やエクセルで交通費の申請をする場合、乗換案内で費用を調べたり領収書を見ながら記入するため、時間がかかり、さらに申請ミスも起きやすいです。
経費精算システムを導入することで、交通系ICカードの情報をそのまま申請できたり、領収書をスマートフォンのカメラで撮影するだけでデータ化して簡単に申請することができます。そのため、入力間違いや作業にかかる負担が軽減されます。
経理プラス:どのくらい楽になるの?交通費精算システムの乗換案内機能を使ってみた
承認者の負担軽減
経費精算システムの導入は、申請された経費の「承認者」の負担軽減にもつながります。
承認者は申請書の内容を細かくチェックする必要があります。たとえば、申請された交通費は定期区間分を除いているか、金額に間違いはないか、など細かいところまで目を通す必要があります。こうした作業も経費精算システムを導入することで効率化することができます。交通系ICカードの情報を元に申請されたものは、実際に使用した経路で申請がされているため金額のチェックをする必要がなくなり確認がスムーズです。
経理担当者の負担軽減
日々、さまざまな業務を正確かつ迅速にこなすことを求められる経理担当者ですが、その中でも煩雑になりやすい経費精算業務を効率化することで、大幅な負担軽減になります。
従来、紙で申請書を回す場合、1枚ずつ内容を細かく確認し、不備箇所があれば申請者に差し戻しをする必要がありました。申請者が外出をしているため、なかなか差し戻しが進まない…といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
経費精算システムを入れることで、申請内容にミスがあったとき、システム上でコメントを入れて差し戻しができ、承認状況もシステム上で確認することができるため、タイムロスを減らすことができます。また、精算が完了したデータから会計ソフトに取り込むためのCSVファイルを生成することができるため、会計ソフトへの手入力の手間をなくすことができます。
生産性向上によるコストの削減
システムの導入となると、今までかかっていなかった費用がかかるという懸念があるかもしれませんが、実はコスト削減にもつながります。
上記の通り、経費精算システムを入れることで申請者、承認者、経理担当者という経費精算に関わるすべての人の作業時間を削減することができます。そうすることで経費精算に費やす人的コストを削減することができ、さらにはその空いた時間で売上を伸ばすための業務に取り組むことができるようになります。実際に費用対効果を試算してみた記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
経理プラス:交通費精算システムの費用対効果は?従業員数別の削減コストを紹介
経費精算システムを検討・選定する際の4つのポイント
では、実際に経費精算システムの導入を検討する際にはどのようなことを考慮すればよいのでしょうか。一般的には大きく分けて5つの流れがあります。
- 自社の課題を明確にする
- 情報収集をする
- 複数の経費精算システムを詳しく調査する
- 見積もりをとる
- 導入する経費精算システムを決める
ここで大切なのは自社の課題を明確にする点です。
現状の経費精算業務にどのような課題があるのかを申請者、承認者、経理のそれぞれの立場で明らかにする必要があります。課題の認識が誤っていたり不十分な場合、システムを導入しても十分に効果が発揮されない可能性があります。
また、関わる人全員の課題を改善できないと、せっかく導入しても使ってもらえないということになってしまいます。
選定ポイント1:IT技術が活用され、記入や入力などが自動化されているか
経費精算システムを導入する最大のメリットは、これまで手書きや手入力で行っていた申請・精算作業が自動化・効率化されることです。
経費精算システムの悪い例 ―表計算ソフトと変わらない―
IT技術を活用しきれていない経費精算システムを導入した場合は、経費の合計金額はコンピュータが集計したとしても、旅費の経路や金額などは記入者が計算しなければいけない場合があります。
それでは、「表計算ソフト」や「会計ソフト」を使うのと変わらず、経費申請者の業務効率化にはほとんど効果を発揮しません。
経費精算システムの良い例 ―ITにより手作業が大幅に省略化されている―
最新の経費精算システムでは、ジョルダンなどの乗換案内が内蔵されているため使用した経路を選択するだけで運賃が自動入力されたり、Suica®などの交通系ICカードを専用のカードリーダーにかざすだけで利用履歴を読み込み、その情報を交通費精算に活用できたりと、作業の合理化が追求されています。
システムの中でもおすすめなのが、クラウドを活用した経費精算システムです。
クラウド型の経費精算システムですと、機能面での拡張性がある場合が多く、増税や運賃改定にも対応してくれますし、ユーザーから上がった要望を基に随時機能アップデートが行われ、導入後もより使いやすくなっていきます。
また、自社内にサーバーの設置が不要なので、自社でメンテナンスを行わなくても良いといったメリットがあります。
一方、オンプレミス型と呼ばれるサーバーにソフトをインストールするタイプの製品の場合は、法令改正やシステム改善のたびにバージョンアップ作業が必要になります。そうすると管理に手間がかかるので、導入する際には注意が必要です。
選定ポイント2:製品ターゲットが自社に合っているか
ITシステムを導入したものの、ITに人間が振り回されてしまうというのはよくある話です。
経費精算システムを導入後、実際に業務効率化のために活用するには、検討段階で製品のターゲットが自社に合っているか、自社の運用に合わせた使い方ができるかを見極める必要があります。従業員規模など、ターゲットによって製品に求められる機能は変わるので、自社の会社規模や経理業務において抱えている課題を整理しておきましょう。
小・中規模をターゲットにした製品 ―シンプルイズベストにならない可能性も―
従業員数が少ない小規模企業をターゲットにした製品では、「シンプル」や「簡単」がコンセプトに製作されているものが多く、「一人当たり月額200円」など導入しやすい価格設定になっています。
ただし、低価格のシステムだと必要な機能が不足している場合があります。たとえば、会計システムとの連携はもちろん、交通系ICカード・クレジットカードの取り込み機能は、業務効率化に非常に役立つため、経理担当者としては付いていてほしい機能です。導入する際には自社が求める機能が付いているか必ず確認しましょう。
大規模の会社をターゲットにした製品 ―プロジェクト別の経費配賦などにも対応しているか、活用しきれるか見極めよう―
大企業をターゲットに作られた製品には、「プロジェクト別の経費配賦」、「経費予算管理」、「交通機関のチケット予約」などが付いているものもあります。
ただし、大規模向けですともちろんシステムの価格は高くなるため、自社で使いこなせるのか、価格に見合うコストメリットが出せるかなど、検討が必要です。
ある経費精算分野にのみ特化した製品 ―一部の経費精算は効率化できるけど―
旅費精算や交通費精算に特化したシステムもあります。
たとえば、旅費精算に課題があると感じ、旅費精算に特化したシステムを検討していくうちに、実はその他の経費精算にも課題があると気が付くこともあります。
経費精算全体において効率化できる機能が備わっている製品の方が、経理業務自体の効率化を実現できるでしょう。
選定ポイント3:カスタマイズ性 ―自社に最適なシステムになるかどうか―
人気の高い経費精算システムは「簡単に自社に合ったカスタマイズ」をすることができ、中小企業から大企業まで多くの企業に選ばれています。
カスタマイズ性が低い経費精算システムでは、申請のフォーマットや項目が編集できないものもあります。その場合、今まで紙で運用していたものからシステム化に移行した際に、フォーマットや項目が今までのものと少し違うだけで混乱が起き、結局手間が増えてしまうことも考えられます。申請フォーマットや項目を今まで使い慣れたものに少しでも近づけられると、スムーズに運用を開始することができるでしょう。
また、金額によって承認経路を自動で振り分けることができたり、社員ごとの定期区間を登録すると定期区間が含まれた経路を検索したときに自動で控除し交通費を計算してくれたりと、理想の運用に適した経費精算ソフトにカスタマイズできるものもあります。フォーマットや承認フローを柔軟に変更できるものであれば、運用していく上での変更も可能なので、カスタマイズ性も外せないポイントです。
選定ポイント4:システムの洗練度 ―多くの企業に選ばれているか、ユーザーの経験が生かされているか―
経費精算システムは「道具」として使いやすいかどうかが最も重要です。
使いやすい「道具」であるためには、利用者の経験が製品に活かされている必要があります。営業社員など交通費を多く使う申請者だけでなく、申請された内容を会計処理する経理担当者の目線が考慮された製品を選ぶことも大切です。
製品の特徴を比較し、経費精算に関わるすべての社員にとって使いやすい機能がついているかを確認しましょう。
おすすめの経費精算システムは国内累計導入社数No.1※の「楽楽精算」
経費精算システム導入のポイントをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
経費精算システムには経費精算をラクにする機能が多く搭載されていますが、その中でも国内累計導入社数No.1※の経費精算システム「楽楽精算」のさらに便利な機能について、少しだけご紹介いたします。
※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
手入力を大幅削減!交通系ICカード取込み機能で申請がラクに!
「楽楽精算」には「交通系ICカード取込み機能」があり、交通系ICカードをリーダーにかざすだけで、利用した経路と運賃をシステムに取り込むことができます。取込むデータは選択できるためプライベートの利用を除いて取り込めます。また、AI入力補助機能もついており、過去の利用履歴から目的地、負担部門などの情報を自動で追記してくれるので、都度入力する負担が解消されます。
OCR機能で領収書サクッと申請!
「OCR」とは「光学的文字認識」と言い、手書きの文字や印刷された文字を電子データとして読み取る技術です。OCR機能を搭載した経費精算システムを用いることで、スマートフォンなどのカメラで領収書を撮影すると、取引日、取引先、金額などの情報が自動で登録されます。読み取りをしたデータをそのまま使って経費申請をすることができるため、申請書への転記や精算したい領収書の管理など申請者の面倒を軽減することができるのです。
カスタマイズ性が高く既存の運用に近い形をシステムでも実現!
「楽楽精算」はシステム操作が苦手な方でも直感的にわかりやすいデザインなのが特徴です。また、今まで使っていた申請書のレイアウトや項目名をシステム上に反映することで、申請者は馴染みのある書式を再現することができます。そのため、運用開始後の問い合わせも軽減され、スムーズに運用を移行できます。
また、社員や内容によって承認経路を設定できたり、「規定違反チェック機能」で社内ルールに合わないものを申請できないように設定することもできます。今までのフローをそのままに、より効率的に運用することができます。
最後に
ここまで経費精算システムの選び方や「楽楽精算」の機能についてご紹介をしましたが、製品理解を深めるためには実際に触ってみることが一番早い方法と言えるでしょう。
「楽楽精算」には「無料トライアル」があります。導入前に実際のシステムに触れることで「もし導入するならこの機能は必須だな。」「この機能があれば、今まで抱えていた課題は解決できそう。」といった利用イメージをつかむことができます。
経費精算システムの比較・検討の一環として、「楽楽精算」も試してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した選定ポイントを踏まえ、自社の精算業務の「効率化」「コスト削減」のパートナーになるシステムを選定してください!
※Suica®は東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です
>>電子帳簿保存法でお悩みの方、電子帳簿保存法対応No.1の「楽楽精算」でペーパーレス化を実現しませんか?
※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
紙のやり取りから、解放されませんか?
「楽楽精算」の詳しい機能や事例に関する資料をメールでお送りします!
※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より