請求書の必須項目と作成方法の基本!インボイスでの注意点も解説

請求書の必須項目と作成方法の基本!インボイスでの注意点も解説

企業間で取引を行う場合、請求書を作成するのが一般的です。これは普段から経理で扱う業務の一つですが、請求書に記載すべき必須項目はなにか、また、インボイス制度適用後の必須項目をすべて覚えていますでしょうか。

そこで今回は改めて請求書の役割や記載内容、作成方法とポイント、インボイス制度開始後の請求所の取り扱いなどについてご紹介します。毎月のように取り扱う請求書の基本をしっかりと押さえておきましょう。

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請求書発行の役割

請求書は、商品や製品、サービスなどを提供した際の対価を、相手方に請求するための文書です。商品やサービスの提供が発生する度に請求書を作成する場合もありますが、一般的な掛取引(かけとりひき)の場合、1か月分ごとにまとめて請求書を作成します。

取引の事実があったことを知っていても、きちんと事前に取り決めた対価で取引できていることを確認するため、またお互いに取引数に相違がないことなどを確かめるために請求書を作成します。

文書として残ることで、支払いの際のトラブルを避けることもできますし、事前に内容を確認することもできます。

請求書の記載内容

請求書が文書としての役割を果たすには、次のような項目を記載する必要があります。

請求書の必須項目

必須項目は次の5つです。

  • 請求年月日
  • 請求書を受け取る事業所名
  • 請求者の名称
  • 取引内容(明細内容)
  • 取引金額

基本的には、上記の5つの項目が記載されていれば特に決まったフォーマットはありません。

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参考:国税庁 No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた

請求書のその他項目

必須ではありませんが、多くの請求書作成で取り入れられている項目は次の通りです。

  • 請求書の発行番号
  • 振込先の口座情報
  • 振込手数料の負担の有無
  • 振込期限日

必須項目ではないとしても、振込先の口座情報などは記載項目にしている企業も多いでしょう。どこに入金すればよいか、請求書を受け取る側は必ず確認したい項目です。

請求書の作成方法とポイント

請求書を作成する方法としては、次のようなものが挙げられます。

  • 専用ソフトで作成
  • エクセル・ワードで作成
  • 用紙で作成

専用ソフトとは、一定のフォーマットに沿って内容を入力するだけで、消費税の自動計算や番号作成などをしてくれるシステムです。見積りや納品書も一緒に作成できるものもあり、見積書からボタンひとつで請求書フォーマットに変えるなど、作業の効率化に役立ちます。

エクセルやワードで自社作成の請求書を利用している場合もあるでしょう。気軽に共有できる分、誤って消去するなどミスが起きやすいリスクもあるため、取り扱いルールを決めて運用するのがおすすめです。あらかじめテンプレートが完成しているものをダウンロードして使うと便利でしょう。

経理プラス:請求書テンプレート資料

請求書用紙に手書きで作成している会社もあります。フォーマットは一般的にコンビニエンスストアや100円均一で販売されています。PC操作に不安がある世代や個人事業主などで使われているケースが多いでしょう。手書きでの作成は人為的なミスが起きやすいため注意が必要です。また、書類の整理や保管方法なども管理をしっかりと行う必要があります。

請求書作成時のポイント

一般的に、請求書を作成するときの用紙はA4です。エクセルなどで作成するときも用紙サイズを統一させましょう。また、自社名の部分には捺印します。

請求書は後で調べやすいように請求書番号を割り振りしましょう。専用ソフトであれば自動的に通し番号が作成されることが多いですが、エクセルや手書きの場合でもできるだけ番号を付けて作成することをおすすめします。

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請求書作成の注意点

請求書を作成するときは、次のような点に注意しましょう。

請求書の宛先、金額を正確に

自社の締切日にはたくさんの請求書を作成するため、宛名や金額のミスが起きやすくなります。郵送で送るとき、請求書の中身と外の封筒が入れ違いになってしまったということは、経理担当者なら経験があるかもしれません。

送り先を間違うと、仕入金額を他社に開示してしまうため、取引先にも迷惑がかかります。最近はクラウドサービスを使い、データ送信で済ませるケースも増えていますので、同じくメールの宛先を間違えないように注意しましょう。

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締日を守る

取引先によっては、自社の締め日ではなく、相手先の締め日に合わせて請求書を送る場合があります。締め日を過ぎると今月の支払い対象にならない可能性もありますので、締め日を厳守しましょう。

インボイス制度が始まるとどうなる?

2023年(以下、令和5年)10月よりインボイス制度が開始されます。インボイス制度では、課税事業者が消費税の仕入税控除を受けるために、「インボイス(適格請求書)」に移行する必要があります。以下がインボイス制度における適格請求書のポイントとなります。

インボイス制度の概要

インボイス制度は、「適格請求書等保存方式」を表します。従来の区分記載請求書にはなかった登録番号や適用税率、消費税額などの記載が追加されたインボイス(適格請求書)の発行・保存を行う方式です。

課税事業者が仕入税額控除を受けるには、適格請求書を発行する必要があり、同時に保存の義務も生じます。適格請求書を発行できるのは、事前に登録申請された事業者が対象となります。

適格請求書とは

適格請求書には、新たに「登録番号」「適用税率」「消費税額等」の記載が追加されます

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参考:国税省「適格請求書等保存方式の概要」

令和5年10月からのインボイスでは、適格請求書等保存方式に変わります。

なお、不特定多数に対して販売を行う小売業や飲食店、タクシー業などの取引では、適格請求書に代えて適格簡易請求書を交付することが認められます。

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参考:国税省「適格請求書等保存方式の概要」 2適格請求書の記載事項・記載の留意点

請求書を受け取る側が気にすべきポイント

インボイス(適格請求書)を受け取る側では、仕入額控除を受けるために、取引先から一定の事項が記載された書類を受け取る必要があります。基本的に免税事業者や一般消費者から行う課税仕入れは仕入税額控除の適用が受けられないことに注意しましょう。

請求書を発行する側が気にすべきポイント

インボイス(適格請求書)を発行する側では、事前に発行事業者として登録申請する必要があります。令和5年10月1日から交付する場合、令和5年3月末までの申請となります。交付したインボイス(適格請求書)の控えは保存しなければなりません。なお、制度が開始されてからも、移行期間として区分記載請求書を受け取った分に関しても一定の割合で仕入税額控除が認められます。令和8年(2026年)9月末までは80%の控除が認められ、その後、令和11年(2029年)9月末までは50%までが認められます。

インボイス(適格請求書)は既存のテンプレートでは対応できない部分もありますので、インボイス制度に向けて早めに準備に取り組んでおきましょう。

なお、インボイスについては「【経理調査】4割の企業が知らない「インボイス制度」で増える請求書受取側の業務」の記事でも詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

まとめ

請求書の作成は、経理部署の重要な業務のひとつです。請求書を取引先が受け取り、内容を了承することで対価が支払われます。スムーズな回収のためにも正確に書類を作成することが大切です。宛名や金額ミスのないように、細心の注意を払い取り組みましょう。なお、インボイス導入後に慌てることがないようにシステム整備も準備しておくことをおすすめします。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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著 者 渡部 彩子

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大学卒業後、自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門に在籍。経理・総務・人事の実務を経験し、同法人在籍中に日商簿記2級を取得。その後、保険・金融業界での経理業務の経験を経て、ライターとして独立。これまでの実務経験を元に経理業務をテーマとしたコンテンツ制作を中心に執筆。