連結決算とは?どうやって連結決算を進めればよい?

連結決算とは何か?なぜ連結決算が必要になるのか?

現在、上場企業が決算を発表する際には、連結決算をしなければならないこととされています。
この連結決算とは、親会社に加えて、子会社や関連会社など企業グループを構成する複数の会社の財政状態や経営成績を連結して、決算を行うことをいいます。連結決算の対象となる親会社、子会社や関連会社などをまとめて連結グループと言うこともあります。
経営の多角化が進むと、子会社や関連会社などを使って効率的、効果的な経営を行うこととなります。例えば、大手の企業では何百社や何千社という子会社を持ち、企業活動を行っているケースもありますが、そういう状況で、親会社単独の決算情報のみを開示したとしても、情報としての有用性はかなり低いものとなってしまいます。そのため、連結グループを合算した決算が求められています。

 

連結決算の対象となる子会社は?

連結決算の対象は、原則としてすべての子会社や関連会社を含めることとされています。
ただし、連結グループ全体への影響度が低い(重要性が低い)子会社や関連会社については連結対象から外すことができることとされています。重要性は、経営戦略上の子会社の位置づけなどの質的な側面と資産・売上・利益・利益剰余金といった量的な側面の二つで判定します。具体的に「○%を上回ったら連結対象となる」というような数値が設けられている訳ではありませんので、自社の実情に応じて総合的に判断することとなります。会計監査を受けている会社では、監査法人等とも協議をして、連結対象とするかどうかを決めなければなりません。子会社が多数ある会社では社内規程で基準を明確化しておくことも考えられます。

 

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連結決算の手続き(資本連結、債権債務の相殺、損益取引の相殺、未実現損益の消去)

連結決算は、まず、親会社と子会社の貸借対照表や損益計算書を単純合算します。次に、連結特有の調整を入れます。関連会社については持分法という方法を使って、経営成績のみを取り込みすることとなります。
連結特有の調整の主なものには、主に1.資本連結、2.債権債務の相殺、3.損益取引の相殺、4.未実現損益の消去があります。

  1. 資本連結
    親会社から子会社に対する投資は、親会社の貸借対照表において「投資有価証券(子会社株式)」として計上され、子会社の貸借対照表では「資本金」に計上されています。
    親会社から子会社への投資は、連結グループで考えたときは、連結グループ内の投資になりますので、連結上は一体として考えます。そのため、次のような連結調整を行い、投資と資本を相殺する調整を行います。

    (借方)資本金/(貸方)投資有価証券

  2. 債権債務の相殺
    親会社と子会社との間で取引を行っている場合には、それぞれの貸借対照表に売掛金などの債権や買掛金などの債務が計上されることがあります。親会社と子会社の貸借対照表を単純に合算しただけでは、これらが単純合算した連結貸借対照表に計上されてしまいますが、これらは連結グループ内の債権債務になりますので、連結調整を行い、債権と債務を相殺します。債権債務を相殺するため、次のような仕訳を計上します。

    (借方)買掛金(債務)/(貸方)売掛金(債権)

  3. 損益取引の相殺
    例えば、親会社が子会社に100の売上を計上し、子会社が外部に120で売上を計上するような場合は、親会社の損益計算書に売上100,子会社の損益計算書に売上120が計上されている状態となります。これを単純合算すると、売上220となってしまいます。しかし、このうちの親会社から子会社に対する売上100は連結グループ内の売上ですので、連結損益計算書の作成にあたっては調整しなければなりません。このケースでは、売上と仕入を相殺し、連結調整を行います。仕訳は次のようになります。

    (借方)売上/(貸方)売上原価

  4. 未実現損益の消去
    例えば、親会社が80で仕入れた商品を子会社に100で販売し、その商品はまだ外部には販売されておらず子会社で在庫として残っている場合を想定します。このとき、親会社と子会社の損益計算書を単純合算すると、親会社で計上された利益20(子会社への売価100-仕入80)が計上された状態となっています。しかし、この利益は連結グループ内での売買で生じたものに過ぎず、外部に売却されたことで計上されているものではないため、未実現の利益となり、連結損益計算書の作成にあたっては調整しなければなりません。このため、未実現利益を消去するために次のような仕訳を計上します。

    (借方)売上原価/(貸方)棚卸資産

 

連結決算の注意点

連結決算は、複数ある子会社や関連会社の決算をもとにして行います。通常、連結決算を公表する期限があるため、各子会社や関連会社において、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
また、親子間の取引や子会社間の取引など、連結特有の調整を行うために必要な情報を効率的に入手することができるように事前にパッケージを作っておくなど、準備をしておく必要があるでしょう。子会社の経理担当などに不慣れな者がいれば事前にレクチャーしておくことも連結決算をスムーズに進める上では大切です。

 

まとめ

今回は連結決算の概要を説明しましたが、実際に連結決算を行うとなると、限られた時間の中でたくさんの情報を漏れなく正確に処理しなければなりませんので、事前の準備や親会社や子会社で連結決算に携わる人の知識を高めておくことが大切となってきます。
いわば、事前準備によって、スムーズに連結決算ができるかどうかが決まってくる、とも言えるでしょう。

 

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● 著者

松本 佳之

松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士 1980年兵庫県に生まれる。2001年公認会計士二次試験合格。2002年関西学院大学商学部卒業、朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所。2005年公認会計士三次試験合格、公認会計士登録。2007年税理士登録後独立し、北浜総合会計事務所を開設。監査法人勤務時代は企業公開部門に所属し、さまざまな実績を重ねる。