FASS検定とは?経理知識を網羅的に学習できる注目の資格

FASS検定とは
FASS検定は「Finance Accounting Skill Standard」の略称で、経理・財務スキル検定とも呼ばれるものです。経済産業省の「経理・財務サービス・スキルスタンダード普及促進モデル事業」で検討・開発された検定試験で、2005年11月に検定試験が開始されて以来、FASS検定の累計受験者は63,000人を超えました(2020年3月末時点)。経理・財務の実務スキルレベルを客観的に測定する手段として、高い評価を得ています。
FASS検定の試験内容
FASS検定の試験内容はどのような範囲から出題されるのでしょうか。検定を運営する日本CFO協会は、試験内容を以下のように定義しています。
試験内容は、経済産業省 「経理・財務サービス・スキルスタンダード普及促進モデル事業」にて、定型業務として標準化された業務が対象で、資産・決算・税務・資金の4分野から構成されています。
各分野、基礎的な内容から応用的な内容まで幅広く出題され、試験結果は合格・不合格ではなく点数で評価されます。これはTOEICと同じ採点方法で、スコアによって、以下のレベル区分・評価内容となります。
レベル | スコア | 評価 |
---|---|---|
A | 689点~ | 経理・財務分野について、業務全体を正確に理解し、 自信をもって経理・財務部門の業務を遂行できるスキル をもっている。 |
B | 641点~688点 | 経理・財務分野のほとんどの業務を理解し、業務を遂行 できるスキルをもっている。分野によって、知識の正確 さに個人差があるものの、業務を妨げるようなことはな く、適切に対応できるスキルをもっている。 |
C | 561点~640点 | 経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本 的なスキルが身についているが、自己の経験以外の業務 への対応力について差が見られる。日常の業務であれば、 業務を理解して、支障なく対応できるスキルをもってい る。 |
D | 441点~560点 | 分野によって、知識の正確性に差があり、不十分な部分 が多いが、支援を受けながら、最低限の業務を行うスキ ルをもっている。 |
E | ~440点 | 経理・財務分野について、部分的にしか理解できていな い。今後の努力を期待する。 |
FASS検定の取得メリット
就職・転職・昇進に役立つ
FASS検定を受験することで得られるメリットはどのようなものがあるでしょうか。まず、経理人員として経理の総合的な会計知識を示すことができます。就職・転職時はもちろんのこと、社内昇格などの要因としても期待できるでしょう。日商簿記検定を保有している経理人材は数多くいますが、FASS検定を合わせて取得していることで、より良い評価を得られるはずです。一般的な求人の場合、レベルB以上を取得していると評価に反映されやすいです。なお、FASS検定の運営サイトによると年収や経理財務の経験年数、役職とFASS検定試験のスコアとの明確な相関関係があることがわかっています。
経理知識を総合的に学べる
社内の経理業務の流れを習得しているものの、網羅的に経理の一般知識を身に付けられていない方は多いのでないでしょうか。その点FASS検定を学習することで、経理の一般知識を補てんすることができます。