新人教育にも利用可能なマニュアル作成方法

以前「なにから教えればいい?新人経理の教育方法」という記事を書かせていただきました。
その中で新人に任せる業務については、マニュアルに基づいて処理をさせましょうと書きました。

今回はマニュアル作成について書きたいと思います。
新人に仕事を教える際に、マニュアルがなければその場で思い出しながらやり方教えていくことになります。きちんと順序立てて説明をできればいいですが、説明が前後して教わる側が混乱することも起こりえます。また、これぐらいわかるだろうという前提で説明を省いてしまうこともあります。つまり、マニュアルは仕事を教わる側にとって役立つだけでなく、仕事を教える側にとっても役立つものなのです。

説明の中で利用するサンプルファイル

 

準備編

マニュアルを作成するにあたり、いきなり作成するのではなく、業務を整理してから作成するようにしましょう。

業務担当表を作成する

業務担当表とは、経理業務一覧とその業務担当者が誰かというのを一目で確認できる表です。
縦軸に業務一覧、横軸に業務担当者を配置したマトリクス図を作成します。前任者を載せておくと、誰に確認すればいいかわかります。

・業務担当表

※A~Dは担当者名
担当者表サンプル

統一フォーマットを用意する

さまざまなフォーマットがあると作成する際に、どのように作成するか悩みますし、メンテナンスもしにくいです。見る側も業務によってマニュアルの見た目が異なると読み難いです。
統一フォーマットを作成しておき、その中でレイアウトを自由にしてもらうのがいいです。そのため、統一フォーマットはできるだけ必要な要件を押さえたシンプルなものにしておくのがよいでしょう。

・マニュアルフォーマットサンプル

マニュアルフォーマットサンプル

 

交通費・経費精算システム「楽楽精算」 交通費・経費精算システム「楽楽精算」

 

作成編

業務担当表をきちんと作成し、フォーマットが用意できたらマニュアルの作成に移りましょう。
マニュアルを作成していく中で何度も出てくる項目があれば、フォーマットに追加するといいです。

サンプルフォーマットにしたがって説明します。用意したフォーマットは組織的に管理できるように「管理コード」を設けています。

A.管理コード

1区分目:部門コード…社内で利用している部門コード
2区分目:業務分類コード…分類のルールは会社によります
 パターン1業務の処理時期
 パターン2業務の内容
3区分目:業務分類内の管理番号…業務分類の中で管理番号
4区分目:改訂履歴番号…改訂するごとに1を加算

B.発行日

最初に開示した日

C.改定日

直近で改訂した日

D.発行者

最初に作成した者

E.業務の目的

「なに」「なぜ」「いつ」「誰が」を盛り込みましょう。
この4つを明確にしておくことで、なぜこの業務が必要であるかをきちんと伝えることができます。

F.業務手順:(箇条書き)

普段やっている処理手順を箇条書きで書き出していきます。この時文章の誤字脱字には気にしないで、とりあえず書いていきましょう。いつもやっていることでも、書いてみると思いだせないということもあります。そういう場合は、実際に処理をしながら書き出してみましょう。
手順を書き出す上でよくあるのが、「ここまで書く必要はないだろう」と手順を省略してしまうことです。しかし、初めて処理する者からすると失敗しないか、間違っていないかと不安に思いながら処理しますので、できるだけ詳細に書き出すようにしましょう。

一通り書き出したら、書き出した手順に従って自分で一度処理をします。実際にやってみると、足りない部分やわかりにくい部分が出てきますので加筆修正します。

加筆修正する際に押さえておきたい点

  • 簡潔さ
  • 一文は短く
  • あいまいな表現をしない

G.業務手順:(図解入り)

箇条書きの文章だけでは伝えわりにくい内容もあります。そのためテンプレートサンプルには、箇条書きの手順記述欄の下に、キャプチャ入りの手順記述欄も用意してあります。箇条書きの手順が完成したら、再度手順に従って処理をし、キャプチャを取得していきましょう。各種Officeソフトにはスクリーンショットのメニューがあります。またWindowsにはキャプチャが取れる「Snipping Tool」というソフトが用意されています。それらを利用すれば簡単にキャプチャを取得することができます。

H.改訂履歴

内容に追加・変更を加えたら記録

 

利用・運用編

新人にはまずマニュアルに従って処理をさせます。作成者としては問題なく網羅したと思っていても、初めてやる人にとってはまったくわからないことですから、思ってもいない手順やミスをすることがあります。その中で間違った手順やミスが発生した場合、ミスを責めるのではなく、なぜ間違いが生じたのかを確認しましょう。その間違いが人によるものなのか、マニュアルの説明不備によるものなのかを確認します。
マニュアルの不備によるものであれば、誰でもわかるような表現や書き方に直し、ブラッシュアップさせていきましょう。また実際に業務を行っていく中でよりいい処理方法が見つかった場合は、加筆・修正を行いましょう。

 

まとめ

新人に業務を任せるためにマニュアルを作成しましょうという内容を紹介しました。目的は新人教育のためですが、マニュアルを作成することは業務を見直すいい機会になります。業務が属人化してしまっているケースは多くの会社にあるのではないでしょうか。マニュアルを作成することによって属人化していた業務を共有化することができます。

日々の業務で手一杯でマニュアルを作成する余裕がないという人もいるかもしれません。その場合は、手順を箇条書きにしたラフなマニュアルを作成し、図解入りのマニュアルを作成することを新人に任せるというやり方も考えてみてはいかがでしょうか。

 

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● 著者

小栗 勇人

小栗 勇人

1980年生まれ。上場企業と上場企業子会社で経理を10年経験。ExcelやAccessの活用、クラウドサービスの導入、社内基幹システムの構築など、経理業務だけでなく、会社全体を効率化させることを日々実践中。運営ブログ「経理と事務の効率化」をきっかけにExcelの本『経理の仕事がサクサク進むExcel超活用術』を出版。

経理と事務の効率化