経理業務効率化のための情報管理

経理にはたくさんの情報が集まります。情報には紙書類、メール、ファイルデータ、データベース上にあるデータなどさまざまです。情報の集まり方も情報によって異なりますので、それぞれに適した管理方法を考える必要があります。

情報管理が上手くできていないと、いざ必要となった際に見つからず、探すのに時間が取られてしまいます。逆に情報管理を上手く行うことができれば、それだけで時間を効率的に使うことができます。そこで、どのような情報管理を行うのがいいか、紹介したいと思います。

情報管理を考えるにあたり、まず情報の状態によって2種類に分類します

  1. 未処理情報…何かしらの処理が必要な情報
  2. 処理済情報…処理が完了して後は管理・保管が必要な情報

 

未処理情報の分類と管理

未処理ということは、何かしらの処理をしなければならない業務ということです。まず業務を「いつまで」という期限を軸に4つに分類します。

  • 今日中
  • 期限があってすぐにできる
  • 期限があるけどすぐにできない
  • 期限がない

その中で「ルーチン業務」と「イレギュラー業務」の2つに分類することができます。

分類した業務は紙で管理をします。紙で管理する意図は、目に見える形で業務量を図るためです。

そのために道具を用意します。個別フォルダーを4つとボックスファイルを使います。

個別フォルダーとは

ボックスファイルとは

ボックスファイルはいつでも手の届くところに縦置きにし、個別フォルダーに1~4までのラベルを貼ります。縦置きにするというのがポイントで、平積みになっているファイルに比べ、片手でファイルを取り出すことができるため、ファイルを探すのが楽です。

業務の依頼を受け方はメール、口頭、紙とさまざまです。
メールは印刷します。口頭で受けたものは、依頼を受けた際に内容を書き出して印刷するか、もしくは付箋に書いてA4用紙に貼り付けます。用紙のサイズをA4に統一するのは、サイズがバラバラの書類が混在していると見にくいからです。
もちろん1業務1枚A4用紙を使用する必要はなく、付箋を利用する場合には、A4用紙にいくつも貼り付けて使います。紙で依頼を受けたものは、そのまま紙で扱います。

 

to doリストによる管理

業務はルーチン業務とイレギュラー業務に分けられると書きました。ルーチン業務とは毎日や毎月行わなければならない業務、イレギュラー業務とは突発的に飛び込んでくるような業務です。
ルーチン業務は事前にわかっている業務ですので、to doリストで管理するのに適しています。それに対してイレギュラー業務は、突然飛び込んでくる業務なので、事前に把握することはできません。依頼を受けた際に、to doリストに追加して管理する方法もありますが、to doリストはあくまでルーチン業務を管理するために利用したいので、個別フォルダーで管理します。

先に書いたようにルーチン業務はto doリストで管理します。
to doリストのアプリもありますが、デスクワークを基本とする経理はその場で取り出して、その場で書き込んでということができるので、紙でやった方が楽だと思います。

to doリストは「今日中」の個別フォルダーに入れて管理し、1日の最初と最後に確認して、その日中に終わらせなければならないものがないか、処理漏れがないかを確認します。

ルーチン業務の中には、期日が決まっている業務だけでなく、月の中で何回も行う必要のある業務があります。期日が決まっている業務は期日を、何回もやる業務は以前やったのはいつだったのかが大切になります。ただ毎日やる業務はto doリストには載せる必要はありません。そもそも毎日やる業務はto doリストで管理しなくても忘れることはないからです。

業務担当者期限処理日1処理日2処理日3処理日4
各種マスター管理B4日1回
入金消込A5日1回
売上計上B3営業日
経費計上A4営業日
経費支払いA末日
月次会議資料作成B5営業日
資金繰り表の作成A20日
所得税納付A10日
住民税納付A10日

 

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個別フォルダーによる管理

1.今日中
当たり前ですが、今日中に終わらせなければならない業務です。
仕事をしていて、業務が舞い込んできた場合、10分以内で終わるような内容なら基本的にその場で終わらせます。今すぐできない場合、付箋に書いてA4用紙に貼り付けて個別フォルダーに入れ、今日中に済ませます。帰る際に「今日中」の個別フォルダーは「to doリスト」のみ残っている状態になっていなければなりません。

2.期限があってすぐにできる
期限が決まっているものについては、誰(どこに)に頼まれているかによって優先順位を考えます。
優先順位が高いものとは上司や他部署、取引先から頼まれたものです。頼まれた際にいつまでに必要かを確認した上で、すぐに対応するようにしましょう。もちろん今日中に終わらせなければならない書類を差し置いてやる必要はありませんが、期限が先であってもすぐに終わらせる方が相手に対する評価も上がりますし、気持ち的にも楽です。期日が決められているから、それまでやらなくてもいいという考え方もありますが、先に書いたように評価を得ることの観点と、もう一つ、その業務を自分が見積もっていたよりも時間がかかる場合があります。
特に受けた依頼が初めてなものであったりする場合に、自分が想定していたよりも調べなければならない範囲が広かったりすると、見積もっていたよりも時間がかかってしまう場合があります。そのため、最初の段階でどれくらいの時間がかかるのかを見積もるために、少し時間を割いて確認することは重要です。

1日や2日で終わらない書類や、まとまった時間がないとできない書類の場合でも、1日の中で少し時間を割いて作業した方が望ましいです。もし10分くらいしかないのであれば、現状どこまでやったかを確認するのにあてます。時間が空いてしまうとそれまで何をやっていたかわからなくなるからです。その日にやったことを紙の余白や付箋で書き出して残しておきます。

行政機関への提出書類は、提示されている期限で対応します。もちろん期限ギリギリになって始めるのではなく、書類が届いた段階で一通り目を通した上で、期限の何日前までにやるのか決めて、処理期限日を封筒に書いてそのまま個別フォルダーに入れます。

3.期限があるけどすぐにできない
頼まれた書類であっても今すぐにできない仕事もあります。
例えば月次集計が終わってからでないとデータが揃いきっていないために、作成できない資料などです。このような資料については、作成が可能なったらすぐに対応するようにします。

4.期限がない
例えば、マニュアル整理や現状業務の改善などが考えられます。
何を行うべきなのかを書き出して印刷します。
進捗した場合、作業内容を追加して紙を差し替える、紙に直接書き込む、付箋で記録するなどで管理します。

 

まとめ

今回は未処理情報をどのように管理するかについて紹介しました。
処理漏れを無くし効率的に業務を行うためには、情報を見える化することです。
情報の性質により見える化の方法を使い分けることで、見える化する作業自体も効率化することができます。

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● 著者

小栗勇人

小栗勇人

1980年生まれ。上場企業と上場企業子会社で経理を10年経験。ExcelやAccessの活用、クラウドサービスの導入、社内基幹システムの構築など、経理業務だけでなく、会社全体を効率化させることを日々実践中。運営ブログ「経理と事務の効率化」をきっかけにExcelの本『経理の仕事がサクサク進むExcel超活用術』を出版。

経理と事務の効率化