注目されているBATICとは?取得のメリットや難易度を解説

注目されているBATICとは?取得のメリットや難易度を解説

BATICとは?

BATICとは、東京商工会議所が主催する国際会計検定のことです。名称は「Bookkeeping and Accounting Test for International Communication」に由来します。東京商工会議所が作成したBATICの概要によれば、グローバルなビジネスシーンに不可欠な英語力と国際会計スキルを測る検定試験で、試験内容は英語です。合否の判定はなく、TOEICなどと同様にスコア制の点数制度を採用しています。

現在、日本では国際会計基準の適用が推進されています。BATICは直接的に国際会計基準に関する知識を試す試験ではありませんが、国際会計基準を適用する準備として、企業や会計職から注目を集めている検定試験です。

参考:東京商工会議所ホームページ

なぜBATICが日本人にも注目されているのか

日本の会計基準が国際的基準に統合化している

政府は国際競争力の強化などを目的として、2010年にIFRS(国際会計基準)の任意適用の推進を開始し、現在も適用拡大のための施策を進めています。
参考:金融庁 日本におけるIFRS任意適用

各施策により、IFRS(国際会計基準)を適用する企業の数は急上昇しています。2021年に金融庁が発表した「会計基準を巡る変遷と最近の状況」によれば、2021年10月29日時点で国際会計基準を任意適用している企業は256社(うち上場企業は248社)です。同資料の2017年2月におけるデータを見ると、国際会計基準を適用する上場企業は131社ですから、国際会計基準を任意適用している上場企業は2017年から2021年の4年の間におおよそ2倍になったことになります。

さらに驚きなのは、国際会計基準を適用する上場企業の時価総額(2021年10月時点)の合計が約343.6兆円であることです。これは、日本の上場企業の時価総額の44.6%を占めています。つまり、高い企業価値を誇る日本の優良企業の多くが、国際会計基準を適用し始めているということなのです。

参考:金融庁 会計基準を巡る変遷と最近の状況

経理プラスお役立ち資料:IFRSの基礎知識と導入手順

インターネットの普及

国際会計基準の適用を日本が推進する背景には、ビジネスのグローバル化があります。特にインターネットの普及により、業種や事業規模の大小を問わず、国際市場と関わりを持たざるを得ない時代が到来することが予想されます。このような状況から、日本と海外双方の会計ルールに精通する人材が注目を集めているのです。

BATICを受験するメリット

海外進出に対応できる

海外で事業を展開する際、海外での競争力の強化や資金調達を行う必要性などから、国際会計基準で決算を行うことは不可避といえます。こうした企業ではグローバルな会計職のニーズが急速に高まっており、BATICを社内の教育体制に採用する企業もあるほどです。BATICをいち早く受験することで、こうした企業のニーズに応えることができます。

外資系企業への転職にも

グローバルな会計スキルを身につければ、転職の幅も広がります。海外に事業所を持つ企業、外資系企業のほか、海外からの資金調達や国際的なM&Aを行う企業など、国際会計スキルをもつ人材へのニーズはたくさんあるでしょう。こうした企業への転職希望がある人や、経理・会計職として自分の可能性を今以上に広げたい場合にも、BATICはおすすめです。

信頼が上がる

BATICで自分のスキルアップを図ることにより、成長意欲があるビジネスパーソンであることを周囲に示すことができます。さらに、BATICではビジネスに必要な英語力があることも証明できて一石二鳥です。仕事への向上心を示すことで、周囲からの信頼感をアップさせることができるでしょう。

交通費・経費精算システム「楽楽精算」 経理プラス メールマガジン登録

BATICはどんな試験?

BATICは、TOEICなどと同様でスコア制の試験です。出題は全て英語で、試験の方式はIBT(Internet Based Testing、自宅受験)とCBT(Computer Based Testing、テストセンター受験)に分かれています。出題範囲、試験時間、受験料、試験日程及び認定基準はIBTとCBTで同じです(ただし、CBTの場合は税込2,200円のCBT利用料が別途発生します)。以下、これらについて、東京商工会議所のホームページに掲載されているBATICの受験案内を元に紹介します。

出典:東京商工会議所ホームページ BATIC受験案内

出題範囲

英語和訳
Basic Concepts of Accounting and Bookkeeping会計と簿記の基本概念
Transactions and Journal Entries取引と仕訳
Journal and Ledger仕訳帳と元帳
Trial Balance試算表
Adjusting Entries決算修正仕訳
Accounting for Inventory and Cost of Sales棚卸資産と売上原価の会計処理
Worksheet and Closing Entries精算表と締切仕訳
Financial Statements財務諸表
Basic Assumptions and GAAP基本的な前提とGAAP
Financial Statement Analysis財務諸表分析
Internal Control内部統制
Cash Control現金管理
Accounting for Assets and Liabilities資産と負債の会計処理

試験時間

70分

受験料

5,500円(税込)
CBTの場合、上記の受験料に加えて2,200円(税込)の利用料が別途必要となります。

試験日程

2022年の試験日程は次のとおりです。

  • 2022年11月11日(金)~11月28日(月)

認定基準

スコア制の試験であるBATICはスコアに応じて次の称号が与えられます(満点は400点です)。

  1. コントローラーレベル
  2. アカウンティングマネジャーレベル
  3. アカウンタントレベル
  4. ブックキーパーレベル

IFRS検定、USCPAとの違い

IFRS検定

IFRS検定は、その名のとおり国際会計基準(IFRS)の検定で、ロンドンに本拠地を置くICAEWという団体が主催しています。BATICとの最大の違いは、合否判定があるところと日本語受験ができる点になります。そのため、英語は苦手だけど国際会計基準は勉強したいという人におすすめです。

USCPA

USCPAは米国公認会計士のことです。USCPAの試験に合格すれば、海外で公認会計士として働くためのライセンス取得に繋がります。試験は英語で難関ですが、国際会計基準を学ぶにはピッタリで、日本の公認会計士試験ほど狭き門でない点はおすすめです。しかし受験料が高く独学も困難であるため、国内企業の経理職としてスキルアップする目的であれば、BATICの方が向いています。

BATICはどんな勉強が効果的?

BATICの勉強は、簿記2級程度の会計知識があれば有利に進められると言われています。東京商工会議所による受験者が持つ資格や検定では、簿記検定のうち簿記2級が19.5%(複数回答可)で会計関連資格の中でトップです。
もし簿記の知識がない場合、一般的には独学ではなくスクールの利用を検討した方がよいと言われています。スクールは専門学校のほか、商工会議所が実施する講座もあります。

気になる英語ですが、TOEICでは750点以上が最多の14.1%でした。試験での英語レベルはそれほど高度でないため、会計に出てくる英単語を繰り返し暗記することが重要と言われています。

出典:東京商工会議所ホームページ

まとめ

国際会計検定BATICについて、詳しく解説してきました。キャリア形成のために、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。資格取得が、新たな道を切り拓くキッカケになるかもしれません。

また、経理プラスでは経理知識や業務効率化に関する勉強会を定期的に開催しています。ご興味のあるイベントがありましたらぜひ参加してみてください。
経理プラス:経理・財務向けイベント特集

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

監修 税理士 川口 拓哉

著者

税理士(近畿税理士会)。2017年の税理士試験で官報合格。個人の税金から法人の税金までの幅広い税目について知識と実務経験を有する。川口拓哉税理士事務所所属。

川口拓哉税理士事務所