USCPA(米国公認会計士)とは 経理担当者が取得するメリット

USCPA(米国公認会計士)とは

USCPAとはアメリカの公認会計士資格で、実施機関は全米州政府会計委員会(NASBA)になります。NASBA によると、USCPAのライセンス数は664,532人(2016年4月22日時点)です。
(参考)NASBAの「ライセンス」

USCPAの試験は東京や大阪でも受験することが可能ですが、試験は全て英語です。そして合格後はアメリカの州ごとにおける営業許可を取得し、その州において公認会計士として働くことができます。
少し聞いただけでは、アメリカ人のための資格としか思えないこのUSCPA。ところが近年、日本の大手専門学校のカリキュラムにUSCPA専門のコースが用意されるなど、日本人の間で受験者が増えている様子がうかがえます。今回は日本人がUSCPAを取得するメリット、そしてUSCPAが求められる業種と取得に向いている方の特徴などについて解説します。

 

USCPAを取得するメリット

まずは日本人がUSCPAを取得するメリットについて、具体的に6つご紹介します。

1)キャリアアップになる

海外とパートナーシップを組む企業には、国際的な会計基準への理解が求められます。USCPAは、海外の会計基準を理解できる能力があることをアピールできる材料です。現在、外資系企業などで勤務している人のキャリアアップはもちろん、国際的なビジネスを展開する企業への就職・転職にも有利になります。

2)日本の公認会計士より合格しやすい

日本の公認会計士は、合格率が数%という狭き門です。たくさんの科目数にそれぞれ膨大な勉強量を必要とするため、資格取得に向けてかなりの時間を割かなければなりません。一方でUSCPAの場合、試験科目は財務会計、監査論、企業経営環境・経営概念、商法・税法の4科目。それぞれの合格率は低くなく、働きながら取れる資格とも言われています。
しかし、難関資格であることには変わりないため、苦しい勉強生活は避けられません。特に独学で合格を狙う場合は、長期的に勉強に集中できる環境を作る必要があるでしょう。

3)会計に関する英語力を証明できる

USCPA試験は、全て英語で行われます。英語が苦手な人にとっては高い壁となりますが、合格することにより英語力を証明することも可能です。これまで英語を勉強するチャンスをなかなか作れなかった人も、これを機会に英語力をアップさせれば一石二鳥となるでしょう。

4)IT知識も身につく

Fintech(フィンテック)という言葉が、いつのまにか私たちの社会に馴染みました。それまで決算書を作成することが目的だった会計システムも、さまざまなサービスと繋がることで便利に利用できるようになっています。こうした社会のIT化に伴い、公認会計士としても一定レベルのIT知識が求められるところです。とはいえ、改めて勉強する機会は少ないのではないでしょうか。
USCPAではITの基礎も試験範囲となっています。改めてしっかりITの基礎を学ぶことにより、経理や会計の知識だけでなく、ビジネスパーソンとしてもスキルアップすることが期待できるでしょう。

5)合格後の研修制度がある

USCPAのライセンスを取得した後は、スキルを維持するために必要な研修を継続的に受けることとなります。この継続的な教育は「CPE」(continuing professional education)と呼ばれる単位制です。資格取得後も勉強を継続することで、スキルの維持に役立ちます。

6)アメリカ以外でも公認会計士業務が行える

USCPAの州ライセンスを取得すると、相互承認協定を結んだ国においても公認会計士として働くことが可能です。NASBAの公式サイトによると、現在はオーストラリアとカナダ、メキシコ、アイルランド、ニュージーランド、香港、そしてイギリスと相互承認協定が成立しています。
(参考)NASBAの「相互承認協定」

 

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USCPAが求められる業種とは

USCPAの認知度は国内の企業にも広がってきました。外資系企業や海外事業を展開する企業、こうした企業に関わるコンサルティング会社や監査法人、会計事務所などにも需要があります。
ただし転職の場合は、USCPAを取得していることに加えて専門的な知識や経験が求められる傾向にあるようです。中途採用という制度が、そもそも資格単体で挑むものではなく、あくまでこれまでの知識や経験が重視するものだからでしょう。

しかし、これから海外事業を展開したい企業、あるいはそうした企業に関わるコンサルティング会社や監査法人などにとって、海外の会計知識を持つ人物は欠かせない人材です。そのため、こうした企業への転職活動でもUSCPAは高い評価を受けることでしょう。

 

USCPAの取得はこんな人におすすめ!

それでは、どんな人がUSCPA取得を目指すのに向いているのでしょうか。いくつかケースをご紹介しますので、ご自身の状況と比較してみてください。

海外事業部門がある企業に勤めている人

海外事業部門がある企業なら、USCPAの取得はおすすめです。経理職の場合はもちろん、それ以外でも米国の会計ルールを知っていることは外国と仕事をする上での強みになり、職域を広げるきっかけや昇進時の好材料となるでしょう。
また、海外事業部門の業務そのものに興味がある場合も、USCPA取得はメリットがあります。資格を取得してアピールすれば、海外事業部から引き抜かれるチャンスもあるかもしれません。

外資系企業に就職・転職したい人

外資系企業に就職・転職したい場合も、USCPAの資格はおすすめです。外資系企業におけるUSCPAの認知度は高いため、USCPAの資格が有利に働きやすい環境になります。また、外資系企業は年功序列ではなく個人のスキルを重視する考えが強いため、自己研鑽を怠らない人間という点でも歓迎されるはずです。

海外子会社をもつ企業に就職・転職したい人

海外子会社の実績を管理するためには、言語や会計基準の違いが壁となります。そのため、語学力と国際的な会計基準についての見識を兼ね備えたUSCPAは、海外子会社を持つ企業からも重宝されるでしょう。

転職活動中の経理担当者のキャリアアップにも

密かに転職活動を行っている経理職にとっても、USCPAでのキャリアアップはおすすめです。過去の経理経験にUSCPAの資格が加わることで、外資系企業からのオファーなど好条件での転職が拓ける可能性があります。

 

まとめ

USCPAは経理職としてはもちろん、ビジネスパーソンとしてのキャリアアップができる注目の資格です。将来海外で公認会計士として働く選択肢も生まれ、多くのメリットがあります。特に以下のような方には、キャリア構築のうえで資格取得を目指すことをおすすめします。

  • 海外事業部門がある企業に勤めている人
  • 外資系企業に就職・転職したい人
  • 海外子会社をもつ企業に就職・転職したい人
  • 転職活動中の経理職
  • USCPAを取得するべきかどうか、ここでお伝えした内容を参考に検討してみてください。

     

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    ● 著者

    石田 夏

    石田 夏

    税理士事務所、上場企業の経理職を経てフリーライターに転身。 簿記やファイナンシャルプランナー資格を活かして、 税務・会計に関する企業向けコンテンツを中心に執筆中。 ポリシーは、「知りたいをわかりやすく」。