資金繰り表の作成のポイント 事業計画書との関係は?

資金繰り表の作成のポイント 事業計画書との関係は?

資金繰り表とは?なぜ必要?

資金繰り表とは、一定期間における将来の資金繰り計画を表にしたものです。一年程度の短期で作成するものもありますし、中長期(3~10年程度)の中長期で作成するものもあります。
資金繰り表には、売掛金の入金、買掛金や人件費、経費の支払、税金の支払、借入の返済など、会社の資金の動きに関わるものをすべて織り込みます。
会社にとっては資金繰りが順調かどうかということは会社存続にも関わるくらい重要なものです。たとえば、資金がショートしてしまったら、仕入先への支払や従業員への給料の支払もできなくなってしまいます。一度でも起これば信用を大きく失ってしまいますし、二度・三度起これば、もはや事業の継続は難しくなるでしょう。また、ものすごく大きなビジネスチャンスがあっても資金がなければ、そのチャンスを逃してしまうことにもなってしまいます。資金ショートさせないためにも、会社が成長していくためにも、資金繰り表はなくてはならないものなのです。
特に短期の資金繰り表は、資金ショートさせないためにもとても重要です。資金繰り表の時点で資金ショートとなることが予測されれば、緊急の対応が必要です。緊急の対応とは、経費を削減したり、すぐに金融機関にいって借入の相談をしたりするなど、それくらい重要なことなのです。

事業計画書とは?なぜ必要か?

事業計画書とは、会社の短期(1年間)や中長期(3年から10年)での将来における事業の展開を計画したものを書類に落とし込みしたもののことを言います。
出資や融資を受けるためにも必要となりますし、何より将来をイメージして、それを書類に落とし込んでいくことで、計画をより具体化できます。

事業計画書の中には通常、売上計画、仕入計画、資金計画、設備投資計画、人員計画、資金計画など様々な計画が含まれます。これらが矛盾のないようにしなければなりません。売上を拡大させるということであれば、通常仕入も増えるはずですし、そのためには人員も必要となります。製造業であれば設備投資もしなければなりません。そして、それらの資金を手当できるように資金計画を立てなければなりません。事業計画書を作成することによって、自社のビジネスをどのように成長させていくことができるか、そのためにはどのような課題が出てくるかといったことを浮き彫りにできます。

資金繰り表と事業計画書の関係は?

資金繰り表と事業計画書は密接に関連しているものです。たとえば、事業計画書の中で売上が拡大しているということになっていれば、それに応じて仕入も拡大するでしょうから、運転資金を厚くしていかなければなりません。人員計画で人員が増加することを見込んでいるのであれば、資金繰り表においても人件費支出をそれに応じて増やしていかなければなりません。設備投資計画などもあれば同じように資金繰り表にも反映しなければなりません。

このように計画を作っていると、どこかで資金が不足してしまうことになってしまうかもしれません。そのようなときは、借入をしたり、増資をしたりして資金調達をしなければなりません。そのための資金調達の計画が、事業計画書における借入計画や資本政策などに反映されることになるのです。

このように事業計画書と資金繰り表は密接にリンクしているものです。両者が整合しているものとなっていなければ、資金繰り表を作成したとしても、そのとおりに事業を遂行することができず、意味のないものとなってしまいます。

資金繰り表の作成のポイント

1年間の資金繰り表の作成は、通常、1年間の損益計画を基にして作成します。損益計画を基にして、売掛金や買掛金などの資金の動き、借入金の借入や返済などの資金の動きを調整して、資金繰り表を作成するとよいでしょう。
そのためにはできるだけ正確な損益計画が必要となってきます。また、資金の動きにも毎月必要な調整や税金の支払いなど半期、四半期で必要な調整も生じてくるはずです。月次で作成した資金繰り表の予測と実績を比較し、差が出たときはその原因を分析することで、資金繰り表の精度をより高めていくことが重要です。

さらに、資金繰り表は一度作ったらそれで終わりではありません。状況が変わったらすぐに見直しをして修正していくことが必要です。一度使ったものを簡単に変えてしまってよいのか?という疑問を持たれるかもしれませんが、あくまで目的は会社の資金繰りをスムーズに進めるためのものですので、状況が変わればそれに応じて計画を修正しないと資金繰り表自体が役に立たないものとなってしまいます。

まとめ

解説したように資金繰り表や事業計画書というのは会社を経営していくにあたって必要となるものです。将来どのような会社にしていきたいのか、それにあたって資金をどうやりくりすればよいのかを考えずにビジネスなんてできませんよね。
資金繰り表や事業計画書を作成するにもコツがあります。コツを掴むためには、まず予想をして、後で実績との差額を分析し、次の計画に活かすことが必要です。この繰り返しで精度を高めていきましょう。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

著 者 公認会計士 松本 佳之

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税理士・公認会計士・行政書士 1980年兵庫県に生まれる。2001年公認会計士二次試験合格。2002年関西学院大学商学部卒業、朝日監査法人(現あずさ監査法人)試験合格、公認会計士登録。2007年税理士登録後独立し、北浜総合会計事務所を開設。監査法人勤務時代は企業公開部門に所属し、さまざまな実績を重ねる。

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