法人税法上の事業税及び地方法人特別税の損金算入の時期

法人税法上の事業税及び地方法人特別税(注)の損金算入の時期

事業税や地方法人特別税のような申告納税方式による租税については、納税申告書を申請した年度が損金算入の時期になります。更正や決定が発生したものに関しては、その翌年の年度となります。その中で注意しなければいけないのは、申請する年度分の直前の年度分の事業税及び地方法人特別税に関しては、その年度の終了日までに、全部又は一部について、申告、更正又は決定に至っていない場合でも、その年度分の損金の額に算入することが可能です。

事業税及び地方法人特別税の損金算入の時期の原則的な取扱い

冒頭簡単に触れましたが、申告納税方式による租税である事業税及び地方法人特別税の法人税法上の損金算入の時期は、納税申告書に記載された税額について、当該納税申告書を申請した日の年度分のものとされ、更正又は決定に係る税額については、更正又は決定された日の年度分になります。

例:平成29年3月に申請⇒平成28年度分に損金算入
  更正又は、決定があった日が平成29年3月の場合、更正又は決定にかかる税額は
  平成29年度分になる。

当事業年度の確定申告に係る事業税及び地方法人特別税

確定申告に係る事業税及び地方特別税は、申請する年度の事業税及び地方法人特別税の確定申告書を提出することとなる翌年度分で損金の額に算入されます。そのため、申請年度の事業税及び地方法人特別税を未払法人税等に計上した場合には、申請する年度分においては損金の額に算入されず、その翌年度分において損金算入されます。

例:平成29年度確定申告⇒平成30年度分に損金算入

当事業年度の中間申告に係る事業税及び地方法人特別税

申請する年度中に事業税及び地方法人特別税の中間申告書を提出するので、申請する年度分において損金に算入されます。期末現在未納付についても、未納事業税及び未納地方法人特別税として申告減算することが可能です。また、中間申告に係る事業税及び地方法人特別税のうち確定申告によって還付される金額を未収還付税金として会計処理する場合には、その分の額を申告減算することも可能になります。

修正申告書に係る事業税及び地方法人特別税

原則的な取扱いとしては事業税及び地方法人特別税の修正申告書を申請する年度の事業年度の損金の額に算入されます。

例:平成29年3月に修正申告書⇒平成28年度分に算入

事業税及び地方法人特別税の損金算入の時期の特例

申請する年度の、直前年度分の事業税及び地方法人特別税の額に関しては、申請する年度の修了の日当までに、その全部又は一部につき申告、更正又は決定がされていない場合であっても、当該事業年度の損金の額に算入することができるものとされています。

2年以上の連年修正申告・更正に係る事業税及び地方法人特別税

当事業年度末までにその全部又は一部につき 申告、更正又は決定がされていない場合であっても、当事業年度の損金の額に算入できるものとされています。
たとえば 、9月決算法人について、平成26年9月期から平成28年9月期の3期分について税務調査を受けて、平成27年9月期及び平成28年9月期の2期分について平成29年4月に修正申告をする場合、その修正申告による事業税額及び地方法人特別税についての修正申告書を提出するのは平成29年4月なので、損金算入時期の原則的な扱いは平成29年9月期となりますが、平成27年9月期の修正申告により増加する事業税及び地方法人特別税の額はその翌期である平成28年9月期の法人税の修正申告書において申告減算することができ、平成28年9月期の修正申告により増加する事業税及び地方法人特別税の額はその翌期である平成29年9月期の法人税の申告書において申告減算することができるということになります。

業税及び地方法人特別税と税効果会計

税効果会計の対象となる税金(法定実効税率の算定に含められるもの)は、利益に関連する金額を課税標準とする税金ですので、事業税(所得割)及び地方法人特別税は税効果会計の対象となります。

まとめ

事業税及び地方法人特別税の法人税法上の損金算入時期については原則的な扱いと修正申告等の場合の特例的な扱いがあるので留意しましょう。また、事業税(所得割)及び地方法人特別税は税効果会計の対象となりますので、この点も留意してください。

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経費精算システム「楽楽精算」

著 者 矢田 裕実

マスコミ、商社、IT、小売、メーカーなどの異なる業種において、また、外資、内資、中堅規模やベンチャーなど幅広い規模の企業にて経理財務を中心に経験。管理部門長や取締役も務め、経営再建、事業計画作成や資金調達、IPO前後の制度作り、内部統制の整備などを実行。現在は、ベンチャー企業の経営アドバイザーとして活躍。