もう迷わない!非上場株の評価方法と経理担当者の注意点

上場していない株式を「非上場株式」といいますが、国内のほとんどの株式会社は上場をしていません。では、非上場株式の価額はどのようにして判断すればよいのでしょうか。

今回は、非上場株式の評価の仕方や評価をする際の注意点などについてお伝えしていきます。

非上場株式の評価が必要になるケース

非上場株式とは、取引相場のない株式のことであり、上場株式と気配相場等のある株式以外の株式となります。

株式とは、株式会社での社員権を持つことで、会社の株式を所有しているなら、場合によってはその会社の株主総会で経営に参加することもできる権利があります。上場会社であれば、取引市場にてその株式が売買され、株式には常に時価があります。

一方、世の中のほとんどの株式会社は非上場会社となり、その株式が取引市場にて売買されることはありません。そのため株式には時価はありませんが、非上場株式を相続や贈与する(される)ケースでは、相続税、贈与税を算出するための時価が必要になり、評価額を計算することになります。

非上場株式の評価の仕方

非上場株式の評価を算出するためには、相続した(される)株式が「大株主」か「少数株主」かに区分し、それぞれの区分に適用される評価方式によって時価を算出する流れになります。詳しく見ていきましょう。

大株主と少数株主

大株主とは、非上場株式のほとんどを所有している株主のことであり、中小企業の場合は、創業者や社長などが所有する株式になります。会社の運営に大きな影響を持っている人が大株主になっているというのが一般的な見方です。

一方、少数株主とは、非上場株式の一部(少数)を所有している株主のことで、中小企業の場合は、取引先や従業員の場合が多いでしょう。少数の株式に限られていることから、会社の運営にはあまり影響力は持っていません。

これらのどちらかに区分することによって、選ぶ評価方式が変わります。

同族株主と非同族株主

同族株主であるか非同族株主であるか、この部分についても区分することが必要になりますが、その理由は区分によって選ぶ方式が変わるためです。

まず、同族株主とは、会社の代表取締役や取締役など株式を保有する人が同族関係者であり、会社の運営に大きく影響している会社になります。社員数が多くない中小企業などは、同族株主で構成されていることが多いかもしれません。

一方、非同族株主は、同族株主で構成されていない会社となります。なお、同族株主かどうかを区分するには、同族株主たちの議決権割合が30パーセントを超えるかどうかがポイントになります。30パーセント未満であれば同族株主には該当しないことになります。

先に述べた大株主と少数株主は、同族株主と非同族株主と同じような意味合いとなります。

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非上場株式の評価方式

非上場株式の評価方式には、「類似業種比準方式」「純資産価額方式」「配当還元方式」の3つがあります。

方式会社の規模株主の態様概要
類似業種比準方式大会社同族株主類似業種の上場会社から、標準的な企業を参考にして、その企業の価値より自社の価額を計算していきます。
純資産価額方式中小企業同族株主会社が解散となった場合に、株主はどれくらいの価額で株式を受け取ることになるかを計算していきます。
配当還元方式中小企業同族株主
同族株主以外の株主
非上場株式を保有していることで、1年間に受け取れる配当金はどれくらいになるかを計算していく方式です。一般的には、評価額は低くなる傾向があります。

※「会社の規模」はそれぞれの方式を採用する企業の数から想定しておりますので、あくまでも目安となります。


非上場株式の評価の具体例

非同族株主や、少数株主は、配当還元方式(特例的評価方式)を選択します。なぜなら、配当還元方式は、配当金に注目している評価方法であり、評価額が低く抑えられる傾向があるためです。具体的にはどのように評価額が算出されるのか確認してみましょう。計算式は次の通りになります。

配当還元価格=1株当たりの年配当金額÷10パーセント×1株当たりの資本金等の額÷50円(※1株当たりの資本金等の額を50円に設定)

1株当たりの年配当金額は、直前の決算期2期に行った配当の平均を算出して当てはめます。また、1株当たりの資本金等の額は、資本金の額と資本余剰金額の合計額を算出して当てはめます。

配当還元価格=1株当たりの年配当金額÷10パーセント×1株当たりの資本金等の額÷50円
(※1株当たりの資本金等の額を50円に設定)

1株当たりの年配当金額は、直前の決算期2期に行った配当の平均を算出して当てはめます。また、1株当たりの資本金等の額は、資本金の額と資本余剰金額の合計額を算出して当てはめます。

非上場株式の評価で経理担当が注意すべきこと

非上場株式を評価するにあたり、経理担当者が注意すべきことは、「有価証券の評価損」として計上できるものとして該当するかという点です。一般的に評価損として計上するためには、次のような要件に該当する必要があります。

  • 上場有価証券で、会社経営の支配権のための株式以外の株式の価額が著しく下がること
  • 上場有価証券以外で、会社経営の支配権のための株式以外の株式の価額が著しく下がること
  • 上記のふたつに準するような特別な事例があること

これらにより評価損の計上として該当するかどうかを、事前にしっかりと確認して進めるようにしましょう。また、非上場株式の評価を適正に行うための、計算式はそれほど複雑なものではありませが、どの評価方式を選定すべきかを正しく判定していくことが重要になります。

まとめ

今回は非上場株式の評価が必要になった場合の評価方法、注意点などについてご紹介しました。正しく株式評価を行うためには、最初に同族株主かどうかの判断などが重要になります。また、計算式なども含めて、最終的な評価額については、税理士などの専門家にアドバイスを求めながら進めていくことをおすすめします。

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● 著者

渡部 彩子

渡部 彩子

自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門を経験。この経験を活かし、経理・総務・人事をテ ーマとしたコンテンツ制作を幅広く執筆。