2020年から電子申告が義務化!概要と必要な準備を整理しよう

2020年(平成32年)から、電子申告が義務化されます。
電子申告とは、法人税や消費税の申告をインターネット(e-Tax)で行うものですが、どのような企業が対象となるのか、いつからの事業年度が対象となるのかなど、あいまいな部分もあるのではないでしょうか。
今回は、電子申告の義務化の概要や、メリット・デメリット、必要な対応などについて紹介します。

 

電子申告義務化の概要

電子申告が義務化になるのは、次の対象範囲に該当する法人です。制度の概要を詳しく確認しましょう。

対象となる税目

電子申告が義務化となる税目は、「法人税および地方法人税、消費税および地方消費税」です。地方税の法人住民税と法人事業税も電子申告が義務化になります。地方税については、各地域の地方公共団体で確認しましょう。

対象となる法人の範囲

  1. 法人税及び地方法人税
    • 事業年度開始の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円を超える法人
    • 相互会社、投資法人、特定目的会社
  2. 消費税及び地方消費税
    「1.」に該当する法人と、国及び地方公共団体

尚、義務化の対象となる法人には、人格のない社団等や外国法人は含みません。

対象となる手続き

義務化の対象となる手続きは、次の通りです。

  • 確定申告書
  • 中間(予定)申告書
  • 仮決算の中間申告書
  • 修正申告書
  • 還付申告書

対象となる書類

義務化の対象となる書類は、申告書と申告書に添付すべきものとされている書類の全てとなります。今までの紙ベースで行う申告全てが、電子化されると考えて良いでしょう。

例外的な書面申告

電子申告が義務ですが、例外的に書面申告が認められるケースがあり、電気通信回線の故障や災害などの理由でe-Taxを使用することが難しいと認められる場合には、書面提出が可能になります。

たとえば、電子化の対象法人であり、資料を作成していたが、サイバー攻撃や停電などインターネット環境に障害が発生してオンラインでの手続きができなくなった場合などが該当します。

書類提出を認めてもらうためには、事前に納税地の所轄税務署で承認を受けなくてはなりません。承認された場合は、法人税等の申告書と添付書類を書面で提出することができます。

適用日

義務化の適用となるのは、平成32年(2020年)の4月1日以降に開始する事業年度です。

適用開始の届け出

電子申告の義務化の対象となる法人は、適用開始事業年度等を記載した届出書を、納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。減資により、資本金の額が1億円以下となった場合などにより対象法人ではなくなったときにも、届出書の提出が必要です。

  1. 平成32年3月31日以前に設立の法人で、平成32年4月1日以降に最初に開始する事業年度で義務化対象の法人となる場合
  2. 平成32年4月1日以降に増資や設立で義務化対象の法人となる場合
  3. 平成32年4月1日以降の義務化対象の法人となり、消費税の便税事業者から課税事業者となる場合

 

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電子申告のメリット

電子申告が義務化されることのメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

紙の印刷が削減される

電子申告をすることで、紙ベースでの印刷を削減することができます。確定申告書を作成する過程では、書類のチェック、修正などで何度も印刷を行うケースが多いでしょう。最終的には、提出用と控えの両方印刷をしていたものが電子データで保存可能になるため、紙やコピー代の削減につながります。

押印・郵送の手間が削減される

書類提出とくらべて、押印の手間が大幅に削減されることが期待できます。今まで確定申告書を提出するときには、書類に押印が必要となり、支店などたくさんの事業所を持つ企業は、押印業務が負担となっているでしょう。

また、書類を作成後に郵送したり、税務署へ届けたりといった業務が必要なくなり、短時間でたくさんの箇所に申告をすることができるようになるのです。

(参考)国税庁 大法人の電子申告の義務化の概要について

 

電子申告のデメリット

一方で、電子申告が義務化になることによるデメリットには、どのようなことが考えられるでしょうか。

デメリットとして考えられるのは、大きな企業になるほど、確定申告の社内手順を大きく改訂する必要が出てくるという点です。また、電子化することで管理の問題も出てくるでしょう。そのため、担当部署では内容をしっかりと確認し、対応しなければなりません。

 

電子申告の義務化までに必要な対応

最後に、電子申告が義務化になるまでに必要となる要件についてご紹介します。

インターネット環境を整備する

電子申告を行うためには、パソコンとインターネット回線が必要です。ほぼすべての企業ではインターネット環境が整っていると考えられますが、対応できるOS、ブラウザなどを事前に確認しておきましょう。

電子証明書を取得する

電子申告(e-Tax)を行うためには、電子証明書を取得しなければなりません。電子証明書は、本人であることを証明する役割のもので、書面で例えると印鑑証明書のイメージになります。

開始届出書を提出

e-Taxを利用するためには、開始届出書を記載して、納税地の所轄税務署に提出しなければなりません。国税庁のe-Tax開始(変更)届出書作成・提出コーナーで作成すると、そのままオンラインで送信することが可能です。

利用者識別番号等の取得

開始届出書を提出すると、「利用者識別番号等」がオンラインで通知されますので、大切に保管しましょう。

 

まとめ

電子申告が義務化になることは、クラウドサービスなどインターネットを利用した手段が増えていることから、自然な流れとも考えられるでしょう。

紙での申告書作成は、手間こそかかるものの、チェックがしやすいという側面があるのは確かです。
一方で電子申告になれば、作業時間を削減したり、押印や郵送、提出の手間を削減したりすることが可能になるため、担当部署の負担の減少も期待できるのです。だからこそ、対象となる法人は電子申告の流れをしっかりと把握したうえで、準備を始めていきましょう。

 

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● 著者

渡部 彩子

渡部 彩子

自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門を経験。この経験を活かし、経理・総務・人事をテ ーマとしたコンテンツ制作を幅広く執筆。