「e-文書法」のキホン 請求書の電子化を検討するあなたへ

請求書電子化を検討するなら知っておきたい「e-文書法」の基礎

近年のITによる経理業務の自動化や社内業務定型化による経理事務の合理化は目覚ましいものがありますが、そのひとつに「請求書電子化」があります。

この記事では、「請求書電子化とは何なのか疑問を持っている」「請求書電子化を検討しはじめたばかり」といった方のために、「請求書電子化についての基礎」と、知っておくべき「法律」などについてご紹介いたします。

請求書電子化とは

今まで紙で郵送していた「請求書」をクラウドサービスなどを利用して、「電子化」させることです。
これまで多くの企業では、請求書を印刷したものを封入し、それを郵送して取引先に届けていましたが、郵送準備の手間や郵送のタイムラグ、宛先の間違いなどの問題はつき物でした。
請求書を電子化した場合には、WEB上に公開した請求書をダウンロードでき、メール添付などで届けることもできます。

請求書の電子化のメリット

電子化のメリット1:経費の節約

印刷するための紙代、コピー機のカウンター料やトナー代、それを取引先に届けるための郵送代などの経費が節約できます。

電子化のメリット2:業務の効率アップ

郵送と比較すると、印刷・封入といった手間がなくなり、取引先へ届くスピードが圧倒的に速くなるため、ビジネスの処理スピードが高まります。
また、履歴が残るため、よくある「請求書が届いていない」ということや、過去に作成した請求書の検索などの事務作業が大きく効率化されます。

請求書電子化が普及した背景「e-文書法」

e-文書法とは何か

2005年4月、「e-文書法」と呼ばれる法律が定められました。
法的に保存義務がある文書は、これまで紙媒体での保存が求められていましたが、紙保存の際のコストの問題やIT化が進むにともない、電子データでの保存を望む企業が多くなっていきました。
そこで、「民間における文書の電子的保存を容認する」法律として施行されたのが、e-文書法です。

e-文書法とは、正式には、以下の法律の総称です。

  • 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(2004年12月交付:以下、「通則法」)
  • 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(2004年12月交付)

参考:e-Gov(総務省行政管理局)「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」

この「e-文書法」を、平たく言うと「法律で保存しなさいと決められている文書は、紙ではなく電子データで保存してもいいですよ」ということを定めています。

e-文書法の「例外」となる文章

e-文書法では、原則として「保存が義務付けられているすべての文書」が対象であるとしていますが、例外があります。

  • 緊急時、即座に見読可能な状態でなくてはならない物(例:船舶の安全手引など)
  • 現物である必要性が高いもの(例:免許証、許可証など)
  • 国税関係書類(例:請求書、納品書)
  • その他条約による制限があるもの

e-文書法により請求書もデジタルでの保存が可能になりましたが、国税関係書類に含まれているため「電子帳簿保存法」の制限を受けます。

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e-文書法に対応する際の注意点

請求書にe-文書法を活用するには、「正しいプロセス」を踏む必要があります。というのは、電子化保存では「データが改ざんされていない」ということが担保されてなくてはならないため、「電子署名」や「タイムスタンプ」を付けることが求められます。これが結構大変なんです…。

「文書の原本性」を担保する必要がある

便利に思えるe-文書法ですが、デジタルならではの問題点もあります。
それは、紙媒体と比べると、「誰が作ったかわからない」「改ざんの可能性がある」等の「文書の原本性」を担保する必要があるという課題です。
そのため、e-文書法を活用するには、「正しいプロセス」を踏む必要があります。
電子化保存では「データが改ざんされていない」ということを担保し、電子文書が本物であることを立証するために、「電子署名」や「タイムスタンプ」を付けることが求められます。

「電子署名」と「タイムスタンプ」を付けるシステム導入が必要

e-文書法の問題点を解決する、「電子署名」や「タイムスタンプ」ですが、
請求書に「電子署名」や「タイムスタンプ」を付けるためには、専用のシステム導入が必要な上、署名を発行する認定事業者に費用を支払うなど、多くのコストと手間がかかります。そのため、請求書を電子化している企業の中には、e-文書法に対応しない形で請求書を発行している企業もあるようです。
しかし、「電子署名」や「タイムスタンプ」は、文書の原本性を証明する重要な役割を担っています。
現在は、専用のシステムも揃いつつあり、安価なサービスも普及しはじめていますので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

請求書電子化を検討する際には、コストをかけてe-文書法に対応させる他、コストをかけなくても請求書を電子化できる方法についても検討することが必要となります。

まとめ

e-文書法により、請求書電子化の普及が進みました。
請求書電子化を検討するのであれば、e-文書法が施行された背景や、e-文書法の規定を頭に入れておくことで、より具体的に計画すすめることができます。
請求書電子化には「経費の節約」や「業務の効率の向上」などのメリットだけではなく、電子データとして保存できるので保管コストの削減や、エコの観点からも優れた点があります。
前述した通り、専用のシステムも揃いつつあり、安価なサービスも普及しはじめていますので、請求書を電子化し、経費の削減とさらなる生産性のアップを検討してはいかがでしょうか。

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この記事は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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● 著者

服部 峻介(セブンリッチ会計事務所)

服部 峻介(セブンリッチ会計事務所)

北海道大学経済学部卒。有限責任監査法人トーマツ入社後、上場企業の監査、内部統制、IPO支援、株価算定、M&A、不正調査等を実施。経営コンサルティング会社役員を経て、Seven Rich会計事務所を開業。スタートアップ企業を中心に、3年で160社以上の新規クライアントに対して会社の設立から会計税務、総務、ファイナンス、IPOコンサルなど幅広い支援を行っている。

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