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貸借対照表(B/S)の無料エクセルテンプレート|正しい作成手順と注意点は?

会計ソフトを使っていても、エクセルで貸借対照表(B/S)を作成する必要性を感じていませんか?

この記事では、コスト意識の高い方や、会計の仕組みを深く理解したい初心者の方に最適な、無料エクセルテンプレートをご紹介します。初心者の方でも簡単に活用でき、正確な計算や適切な項目設定が行えるので、効率的な経理業務の実現が期待できます。

さらに、貸借対照表の作成手順や注意点も詳しく解説します。自社に最適な貸借対照表を作成したい方は、ぜひ最後までお読みください。

貸借対照表の無料エクセルテンプレート

貸借対照表の作成を簡単に行えるエクセルテンプレートをご用意しました。このテンプレートは、初心者から経験者まで、正確に貸借対照表を作成できる便利なツールで、ミスなく迅速に財務諸表を作成できます。エクセル形式なので、企業の規模や業種に合わせたカスタマイズも簡単。個人・法人を問わずご活用いただけます。次のフォームから無料でダウンロードできます。

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貸借対照表の基礎知識

企業の財務状況を一目で把握できる重要な財務諸表である貸借対照表。貸借対照表の基礎知識を身につけることで、企業の財政状態を正確に把握でき、適切な意思決定や会計実務の効率化、金融機関とのスムーズな交渉など、さまざまなメリットが得られます。ここでは、貸借対照表の基本的な知識を解説します。

貸借対照表とは?

貸借対照表は一定時点(決算時点)における企業の財政状態を把握できる財務諸表です。貸借対照表の左側が「資産」の部、右側上が「負債」の部、右側下が「純資産」の部として表示されます。左側の「資産」の合計金額と、右側の「負債」+「純資産」の合計金額は必ず一致するため、別名「バランスシート(B/S)」とも呼ばれます。

貸借対照表は決算時点において、これら3つの要素の残高を示すことで、企業がどのように資金を調達し、それを何に使っているのかといった財政状態を把握することができるのです。

貸借対照表を構成する3要素

貸借対照表 記事内画像①

ここでは、貸借対照表の3つの構成要素である「資産」「負債」「純資産」について、それぞれの意味合いや具体例を解説します。

資産

資産とは、企業が所有または支配している経済的資源、つまり企業の財産のことです。資産には、現在保有している現金だけでなく、将来現金やその他の資産に転換されることが期待できるものも含まれます。具体的な例としては、受取手形や有価証券などの流動資産、土地や建物などの固定資産があげられます。

負債

負債とは、事業を営む上で企業が負っている債務で、返済義務や支払義務により、いずれお金が流出するマイナスの財産のことです。負債は、他人から集めたお金という意味で「他人資本」とも呼ばれます。
負債の具体的な例としては、買掛金や短期借入金などの流動負債、長期借入金などの固定負債があげられます。

純資産

純資産とは、資産総額(プラスの財産)から負債総額(マイナスの財産)を差し引いた残額のことです。返済義務がない純然たる会社の資産であり、返済不要の資産であることから「自己資本」とも呼ばれます。純資産の代表的な要素としては、元手である「資本金」や儲けの蓄積である「利益剰余金」があげられます。

貸借対照表と損益計算書の違い

企業の財務諸表には、貸借対照表と損益計算書の2つの重要な書類があります。これらは企業の状況を表すものですが、それぞれ作成の目的が異なります。

まず、貸借対照表はある一定時点における企業の財政状態を明らかにするものです。つまり、その時点での資産、負債、純資産の状態を示します。一方、損益計算書は、一定期間内の企業の経営成績を示すものです。具体的には、その期間の収益や費用の内訳を明らかにし、最終的な利益や損失を表します。

このように、貸借対照表は特定時点の財政状態を、損益計算書は一定期間の経営成績を、それぞれ異なる視点から示すものです。

経理プラス:損益計算書(P/L)とは?分析・作成時のポイントや貸借対照表との違い

貸借対照表の作成手順と注意点

企業の財政状態を正確に示す貸借対照表は、経営判断や資金調達など、さまざまな場面で重要な役割を果たします。しかし、その作成には複雑な手順が伴い、ミスも起こりやすいのが実情です。

ここでは、初心者の方が理解しやすいよう、貸借対照表の作成手順と注意点をご紹介します。正確な財務諸表の作成に役立つ情報として、お役立てください。

貸借対照表の作成手順

Step1.仕訳帳の内容を総勘定元帳に転記し、試算表を作成する

最初に行うのは仕訳です。日々の取引について勘定科目を使って、定められたルールに従い仕訳帳に記録します。勘定科目は、貸借対照表の「資産」「負債」「純資産」、損益計算書の「収益」「費用」のいずれかに分類されます。

次に、仕訳帳に記録した内容を勘定科目ごとに総勘定元帳に転記し、それぞれの勘定科目の期末残高を算出します。年度の途中ではほとんどの科目が増減しますが、貸借対照表に必要な数字は最終残高です。各科目の最終残高を一覧にまとめたものが試算表となります。

経理プラス:勘定科目の一覧と具体的な仕訳例|方法や注意点を解説

Step2.資産、負債、純資産を分ける

作成した試算表の勘定科目を、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つのカテゴリーに分類します。5つのカテゴリーの内、「資産」「負債」「純資産」が貸借対照表の構成要素となります。

Step3.資産と負債をさらに細かく分ける

資産と負債を、さらに細かく分類します。まず、資産を「流動資産」と「固定資産」に、負債を「流動負債」と「固定負債」に区分していきます。「流動」と「固定」に分類するのがポイントです。区分は、「正常営業循環基準」と「1年基準」という2つの基準によって行います。

正常営業循環基準は、企業の通常の営業活動から発生した資産と負債を、それぞれ流動資産と流動負債に表示するルールです。1年基準は、貸借対照表を作成する決算日から1年以内に資金化される資産や、返済期限が1年以内の負債を、それぞれ流動資産と流動負債に表示するルールです。2つの基準によって流動資産や流動負債に分類されなかったものについては、それぞれ固定資産や固定負債として表示します。

このように、貸借対照表の構成要素は「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」「純資産」の5つに分類されます。

Step4.貸借対照表に記載する

試算表の勘定科目残高を、「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」「純資産」に分類して貸借対照表に記載します。

左側の資産の部は、「流動資産」の科目から「固定資産」の科目の順に並べます。「流動資産」には現金や売掛金などの1年以内に現金化できる項目を、「固定資産」には建物や機械など長期的に使用する資産を記載します。

右側の負債及び純資産の部では、まず「流動負債」次に「固定負債」の科目順に並べます。「流動負債」には1年以内に支払期限が到来する買掛金や短期借入金を、「固定負債」には長期借入金などを記載します。さらに、その下に「純資産」の科目を並べます。

このような左右の並び方には、以下の意味があります。

  • 左側の資産は、現金化が容易な順に記載される
  • 右側の負債は、返済期限が早い順に記載される
  • 左右共に流動性の高いものから表示することで、左右の金額のバランスが比較しやすくなる

このように、貸借対照表の記載順序には一定の基準があり、企業の財政状態を分かりやすく表しています。

Step5.左右の欄の合計金額が一致するか確認する

最後に、作成した貸借対照表の左右の欄の合計金額が一致しているか確認します。金額が一致しないときは、どこかに誤りがある可能性があるので、再度チェックする必要があります。

以上が貸借対照表の作成手順となります。正確な財務管理には手順を踏まえることが重要です。

借対照表作成時の注意点

総勘定元帳の「繰越商品」は、「商品」と記入する

総勘定元帳における「繰越商品」は、期中に仕入れた商品のうち期末時点で在庫となっているものです。これは貸借対照表の資産の部に計上される項目です。決算時には、この繰越商品の金額を売上原価に調整する決算整理仕訳を行い、翌期に繰り越された残高を「商品」として貸借対照表に記載します。

総勘定元帳の「当座貸越」は、「短期借入金」と記入する

当座貸越とは、企業が銀行から一定の融資枠を設定してもらい、その範囲内で預金残高以上の資金を利用できる仕組みです。企業が一時的に資金不足に陥った際に、銀行から緊急的な資金提供を受けることができるのが特徴です。

当座貸越による資金提供は、銀行からの一時的な借入金であり、貸借対照表の流動負債の部に「短期借入金」として計上されます。

「貸倒引当金」「減価償却累計額」は、資産の部に記載して控除を行う

貸倒引当金とは、売掛金などの資産について、将来的に回収が困難になる可能性のある金額を見積もり、あらかじめ費用として計上しておく会計処理のことです。また、減価償却累計額とは、固定資産を取得してから各年度の減価償却費の累計額です。

いずれも間接法の場合は貸借対照表の「資産の部」に記載し、どちらも資産の部に△印をつけて表示します。

試算表に転記する際、借方と貸方が一致しない場合は何らかのミスがある

試算表に転記する際、借方と貸方の金額が一致しない主な原因としては、勘定科目の記載ミスや、仕訳の誤り、締日の相違や計算ミス、仕訳漏れなどが考えられます。不一致を見つけ出し、修正することが重要です。

まとめ

この記事では、貸借対照表の作成手順や注意点を詳しく解説しました。

貸借対照表は企業の財政状態を表す重要な書類で、「資産」「負債」「純資産」から成ります。作成には仕訳から始まる手順が必要です。また、記載順序にも一定の基準があり、これに沿うことで分かりやすい表示ができます。

作成時の注意点として「繰越商品」の扱いや引当金の処理など、いくつかのポイントを押さえる必要があります。作成には複雑な手順が伴い、ミスも起きやすい面もあるのが実情です。そこでこの記事では、無料のエクセルテンプレートをご紹介しました。テンプレートを使うことで、初心者でも正確な作成が可能です。

貸借対照表の理解と作成スキルは、効率的な経理業務に欠かせません。この記事の内容を参考に、貸借対照表の作成方法をしっかりと身につけていただければと思います。

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貸借対照表に関するQ&A

貸借対照表に関する、よくある疑問にお答えします。

Q1.B/SやP/L、C/Fとは?

B/S(ビーエス)はBalance Sheetの略で、企業の財政状態を表す貸借対照表を意味します。

P/L(ピーエル)はProfit and Loss Statementの略で、損益計算書を表します。損益計算書とは、1事業年度における会社の収益と費用を一覧にしたもので、企業の経営成績を表す書類です。C/FはCash flowの略で、キャッシュ・フロー計算書を表します。これは1事業年度における資金の流入額と流出額、最終的な増減額を示す財務諸表です。

Q2.B/SとP/Lのどちらが大事?

B/SとP/Lはどちらも企業の財務状況を把握する上で重要な財務諸表です。B/Sが企業の財政状態を表すのに対し、P/Lは収益性を示すため、両者を組み合わせて分析することが不可欠です。

Q3.貸借対照表に出てくる△や▲の意味とは?

貸借対照表の数字に付された△や▲は、マイナスの値を表します。△と▲は基本的には同じ意味で用いられ、明確な違いはありません。

Q4.貸借対照表の表示形式の種類は?

貸借対照表の表示形式には、主に「勘定式」と「報告式」の2つがあります。

勘定式では、資産を左側(借方)に、負債と純資産を右側(貸方)に配置します。左右対称に表示されるため、視覚的に分かりやすいのが特徴です。報告式では、資産、負債、純資産を上から下に順に配置します。

どちらの表示形式を使用するかは、企業の方針や報告の目的によって異なります。

Q5.貸借対照表の数字が合わない場合はどうすれば良い?

貸借対照表の借方合計と貸方合計が一致しない場合は、貸借対照表の作成工程のどこかに計算ミスや記載誤りがあると考えられます。貸借対照表の作成手順をさかのぼり、勘定科目の確認や仕訳の見直しを行います。エクセルテンプレートを活用すれば、計算ミスや勘定科目の分類ミスを回避でき、スムーズに貸借対照表を作成できるメリットがあります。 ミスの少ない正確な貸借対照表を作成するには、テンプレートの活用がおすすめです。

その他のテンプレート

監修 公認会計士 梶本 卓哉

Kajimototakuya

税務署法人課税部門(税務大学校首席卒業)、大手監査法人や大手投資銀行勤務等を経て公認会計士・税理士事務所開設。税務のみならず会計監査やIPO(新規株式公開)実務に強みを有する。