小口現金の横領事件はなぜ起こる?横領が起きる原因と対策

小口現金の横領事件はなぜ起こる?横領が起きる原因と対策

小口現金は手元に現金があるため、即座に支払いができて便利です。一方で直接現金を扱うため、紛失や盗難、また横領といった不正の温床になる可能性もあります。今回はなぜ小口現金で不正が起きるのか、防ぐ方法についてご紹介します。
また、小口現金の基本や管理の改善方法について知りたい方はこちらの記事を合わせてご覧ください。

経理プラス:小口現金とは 管理をラクにする3つの方法と廃止のススメ

小口現金に関する横領事件

小口現金は、従業員の経費精算や集金の支払いなどを即座に実行できる便利な方法です。しかし、小口現金は現金そのものを従業員が管理するため、横領事件のきっかけとなる場合もあります。
大きな横領事件では、2014年にA株式会社の経理部マネージャーが8年以上にわたって、預金など合計15億円を着服した事件が発覚しました。長期間にわたる横領事件のきっかけとなったのは、小口現金をほんの数万円「拝借」したことだったといいます。A株式会社は会社分割により経理部門の人数が激減。その後は、この経理部マネージャーが実質的に一人で現金・預金の取り扱いを仕切るようになりました。着服に手を染めたのは、会社分割からわずか1か月後だったそうです。

小口現金で不正が起こる原因

横領事件を起こした人も、最初から横領に手を染めるつもりはなかったでしょう。では、なぜ会社の小口現金で不正が起こってしまうのでしょうか。その原因について見ていきましょう。

単独で出金できる環境にあること

1番の理由は、小口現金が単独で出金できる状況にあることです。小口現金を1人で出金できる環境に置くことにより、心理的にその着服を安易なものと感じさせてしまいます。一旦こうした心理になると、従業員の中で「後から返せばいい」などと魔が差す者が現れ、そのまま着服を始めるきっかけとなるのです。

組織にチェックする体制がない

小口現金を1人で出金できたとしても、もしその出金に不正がないかチェックする体制があれば、横領事件は簡単には起こりません。しかし、小口現金の出金を組織的にチェックできる体制がなければ、従業員が横領に手を染める環境を作り出してしまいます。
何度か着服を成功させ、かつそのことに誰も気づかなければ、行為者の罪悪感を徐々に薄れさせていきます。そして、最終的に預金や小切手にも手を付ける多額の横領事件に発展させてしまうのです。

小口現金での横領を防止するには

小口現金の横領を防止するためには、横領が起こらないルールや仕組みづくりが必要になります。ここでは具体的な方法を4つご紹介します。

1.小口現金からの出金はダブルチェックをする

小口現金から出金する際は、必ず経営者や経理部長、経理担当者同士などでダブルチェックを行うことをルール化しましょう。黙って出金することをルール違反と決めておけば、犯罪に手を染める手前の行為で心理的にブレーキをかけることができます。

2.記帳担当者と小口現金管理者を別にする

小口現金の金庫と帳簿の管理者を1人の担当者にすると、帳簿を書き換えて自由に小口現金を持ち去ることが可能となります。そのため少々面倒でも、金庫と帳簿の管理者は別に配置しましょう。
2人の管理者が、それぞれ現物の残高と帳簿残高を確認します。それが一致するか確認し合うことで、帳簿の不正作成による横領はなくなるはずです。

3.残高を締めた後は金庫に触れさせない

1日の終わりに現金の残高を確認した後は、日中と別の金庫に移すことも有効です。残高を締めた後の従業員の「拝借」を防止することが目的となります。少し窮屈なルールではありますが、担当者に出来心を生じさせないための対策です。

4.経営者も把握する

経営者が財務諸表を把握することも不正防止に有効です。不自然に減少している残高を見つけ、時には経理担当者に直接質問するなどし、不正を許さないという見えないプレッシャーをかけましょう。実際には、隅々まで把握できていなくても構いません。パトカーの巡回と同じで、大事なのは見ているというプレッシャーを与えることです。

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小口現金の廃止とそのメリット

小口現金の横領を無くす対策として有効なのは小口現金そのものを廃止してしまうことです。小口現金の横領は、社員の手元に出し入れ可能な現金を置くことにより発生します。チェック体制を整えたりプレッシャーを与えることで一定の効果は見込めますが、最も効果的な方法は小口現金を使わない仕組みを作ることです。小口現金を廃止することで、横領リスクを回避できるほかに以下のようなメリットも得られます。

小口現金処理の手間がなくなる

小口現金は、現金精算を行うだけでなく、1日の終わりには実際の残高と帳簿が一致するか確認しなければならず、経理担当者にとって大きな負担となっています。もし残高が合わなかった場合、領収書の見直しやダブルチェック、最終的に金額が合わなかった場合、「現金過不足」として経理処理…といった具合に時間も手間もかかります。
こうした作業から解放されると考えると業務改善の効果は大きいでしょう。

小口現金からの出金を承認する手間も省ける

立替精算等で現金を出金する場合、経理担当者は上司から申請書の内容に承認をもらい、現金を金庫から取り出します。1回の承認にかかる時間は小さくても回数が多ければそれだけ負担になります。小口現金がなくなることでこうした承認作業がなくなるだけでなく、出金後に申請者を探して手渡しするといった手間もなくなります。

現金そのものの紛失リスクも回避できる

小口現金を扱う場合、人の手で現金を計算して処理をするため、紛失をする可能性があります。また、社内に現金があるため盗難リスクもあります。小口現金を廃止することで、紛失や盗難防止にもなり、社内の管理体制の強化につながります。

小口現金廃止後は「経費精算システム」でさらに業務効率化

小口現金を廃止するということは、これまで小口現金で行ってきた精算を別の方法で行わなければならないということです。考えられる方法として、立替経費を給与と一緒に振込む、法人用クレジットカードを利用するといったものがあります。

しかし、振込みの手間や申請額とクレジットカードの利用額との照合など、現金の処理が無くなる一方で少々煩雑な作業も発生します。そこで小口現金を廃止した運用をさらに効率化するために「経費精算システム」を活用することが考えられるでしょう。


現在多くの企業が、経費精算をシステム化しています。中でも株式会社ラクスが提供する経費精算システム「楽楽精算」は、6,000社以上に導入されており、クラウド型の経費精算システムでは国内累計導入社数No.1のシステムです。
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「楽楽精算」では、従業員からの経費精算、上長の承認、経理担当者の経理処理、そして振込みという一連の手続きをシステムで一括管理します。これによって人的負担を軽減することができます。
また、申請者の不正申請においても、規定違反のものを申請できないようにする規定違反チェック機能が搭載されているので、不自然な申請を未然に防ぐことができます。

さらに「楽楽精算」は、他にも以下のような業務効率化を実現できます。

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会計システムと連動させて精算内容の仕訳を自動作成する

従業員が経費申請をする際に選択する申請科目と勘定科目がシステム内で紐づいているため、従業員が申請した段階で、仕訳が完了します。そのため、「楽楽精算」では申請項目を見て手動で勘定科目を別のデータに手入力するといった作業がなくなります。

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インターネットバンキングでの振込データの作成が可能

支払いが確定した後、インターネットバンキングの振込データ(FBデータ)を「楽楽精算」上で作成することが可能です。作成したデータをインターネットバンキングに登録すれば、一括で振込みを行うことができます。インターネットバンキングを利用することで、給与と一緒に立替経費を振り込む際、わざわざ金融機関に出向いて振り込むという手間を省くことができます。

法人用クレジットカードの利用明細が自動連携

例えば、現金支給をやめ、法人用クレジットカードを社員に支給する運用に変更したとします。「楽楽精算」では、従業員が使ったクレジットカードの利用明細が経費精算システムに反映され、実際に使用された金額を基に経費精算を行うことができます。クレジットカードの明細を活用した精算には「クレジットカード」というアイコンが表示されるので、経理担当者のチェック作業もスムーズになります。

まとめ

小口現金の横領事件の原因は、その管理体制に問題がある場合がほとんどです。不正防止に向けて有効な対策は、主に以下の通りとなります。

  • 出金のダブルチェック
  • 記帳担当者と現金管理者を別にする
  • 残高を締めた後は金庫に触れさせない
  • 経営者も把握する

ここでは、特に単独で管理させないことがポイントです。

横領事件を許してしまう環境を作ることは、会社が損失を受けるだけでなく、従業員の人生も左右します。また横領事件が発覚した後は、長期間にわたって関係者への聴取、他に不正がないか社内の一斉チェック、原因と再発防止策に追われるため、通常業務もままなりません。たとえ窮屈に感じるルールであっても、事件を未然に防ぐ環境が大切です。もし小口現金での精算がそれほど重要でない場合は、小口現金の廃止も検討しましょう。

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この記事は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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● 著者

石田 夏

石田 夏

税理士事務所、上場企業の経理職を経てフリーライターに転身。 簿記やファイナンシャルプランナー資格を活かして、 税務・会計に関する企業向けコンテンツを中心に執筆中。 ポリシーは、「知りたいをわかりやすく」。