クラウド会計サービスを選択する比較のポイント

クラウド会計サービスを選択する比較のポイント

経理周りのシステム環境が大きく動いています。 その代表が「クラウド会計サービス」です。 クラウド会計サービスのターゲットは個人事業主をメインとしていると思われますが、今回は法人利用の観点からクラウド会計サービスを評価してみたいと思います。

クラウドとは

「クラウド」は「雲」の意味で、コンピュータネットワーク(典型的にはインターネット)を比喩的に表しています。 従来のコンピュータ利用は、ユーザー(企業、個人など)がコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身で保有・管理していたのに対 し、クラウドコンピューティングではユーザーはインターネットの向こう側からサービスを受け、サービス利用料金を払う形になります。
「引用:wikipedia」

クラウド会計サービスの特徴

クラウド会計サービスとこれまでの会計ソフトの主に異なる点は、以下の3点だと思います。

1.他サービスとの連携が可能
他社のサービスと連携することによって、外部データを取り込んで仕訳ができる点。

2.ライセンスの追加が容易
ライセンスを購入すれば利用者を容易に増やせる点。

3.システムの様々な利用環境について心配する必要がない
インターネットに接続できれば利用できるため、自前でサーバを構築したり、インストールしたりする必要がなく、またシステムが自動アップデートされるので、システム対応を必要としない点。

他サービスとの連携

インストールするタイプの会計ソフトでも、外部システムとのデータ連携は可能です。 しかし、その場合の連携は外部システムから出力したCSVを取り込む方法で、クラウド会計サービスが売りにしている外部システムと連携して自動的にデータを取り込む方法ではありません。 インストールするタイプの会計ソフトでも、同一のサーバー上やパソコン上に連携できるシステムがある場合に、異なるシステムからデータを取り込むといった機能を有しているものもありますが、連携できるシステムは限られます。 それに比べクラウド会計サービスの場合、連携できる他社のクラウドサービスが充実しており、連携が容易にできます。

ライセンスの追加が容易

私が会社で利用している会計ソフトはネットワーク対応モデルで、サーバーにインストールして3人で利用しています。 もし4人で利用する場合、3ライセンスの次の5ラインセス契約になり、1ライセンスずつ購入はできません。追加ライセンス料は数十万円かかります。
それに対してクラウド会計サービスは追加のライセンス料が数百円と安く、簡単に追加ができます。 またライセンスごとに利用領域の権限設定が可能のため、色々な利用方法が可能です。ただし、製品によってはライセンスがオプションではなく、契約コースのグレードアップになる場合もあります。

システムのさまざまな利用環境について心配する必要がない

私が会社で利用している会計ソフトは、システム環境を用意するのにソフトだけでなくサーバーがなくてはならず、SQLのライセンスも必要となります。 クラウド会計サービスの場合、これらを用意する必要はありません。

またソフトの年数経過に伴う対応を気にしなくても大丈夫です。
以前、会社の会計ソフトをバージョンアップしました。 主な理由はwindowsサーバー2003のサポートをマイクロソフトが終了するにあたり、会計ソフトのサポートも終了してしまうため、更新をせざるを得ないためでした。 継続利用のため新規導入に比べ安い値段で導入できましたが、それでも数十万円の費用がかかりました。
加えて古い会計ソフトから新しい会計ソフトにデータを移行する作業を行いました。ちなみにこの作業をメーカーに頼むと数万円の費用がかかります。 それ以外にもそれまで利用していた仕訳データ作成のプログラムを作り直すなどの手間が発生しました。外部環境の変化に対してメーカーで対応してくれるのは、クラウドサービスの強みです。 ただInternet Explorerなどブラウザのバージョンによって利用ができないものもあるので、注意が必要です。

代表的なクラウド会計サービスの比較

法人会計に対応している2つのクラウド会計サービスを比較してみました。
比較したのは「freee」「MFクラウド会計」
比較項目は「サポート」「値段」「取引の登録方法」です。
※比較したのは2019年12月現在です。

サポートと値段の比較

 freeeMFクラウド会計
サポートメールメール
チャットチャット
電話電話
料金プラン名freeeMFクラウド会計
月額プラン1,980円~
3,980円~
年額プラン23,760円~35,760円~

権限設定の比較

ライセンスごとにさまざまな権限設定が可能です。
クラウドの特徴であるインターネットにさえつながっていれば、システム環境に依存せずに利用できるため、税理士等の外部委託者に対して閲覧権限を付与して仕訳等を確認してもらうことが可能です。

サービス名権限名所有権限
freee管理者全ての権限を有する
一般権限決算処理とメンバー招待ができない
取引登録のみ自己取引のみ登録可能
閲覧者閲覧のみ
MFクラウド会計管理者すべての権限を有する。経営者、経理責任者の方が望ましい
一般ほぼすべての権限を有する 
取引登録のみ仕訳入力担当者向の権限
監査 税理士など外部に内容を確認してもらう用権限。
メモ欄を使ってコミュニケーションが可能 
閲覧のみ閲覧のみ 

取引の登録方法

freee

仕訳の登録方法が特殊で、すでに会計ソフトを利用している人や、簿記の知識がある人には少々取っ付き難いかもしれません。
取引の登録時に「収入と支出」と「未決済と完了」「口座(決済選択時のみ表示)」「期日(未決済選択時のみ表示)」「取引日」「勘定科目」で何を選ぶかによって自動的に相手勘定が決められて処理されます。

例1
「収入」、決済-「完了」、口座-「現金」、取引日-「2019/06/10」、勘定科目-「売上高」、金額-「30,000」を選択して登録した場合

 借方科目金額貸方科目金額
現金30,000売上30,000

例2
「収入」、決済-「未決済」、期日-「2019/06/30」、取引日-「2019/06/10」、勘定科目-「売上高」、金額-「30,000」を選択して登録した場合

 借方科目金額貸方科目金額
売掛金30,000売上30,000

例3
「収入」、決済-「未決済」、期日-「2019/06/30」、取引日-「2019/06/10」、勘定科目-「機械装置」、金額-「30,000」を選択して登録した場合

 借方科目金額貸方科目金額
未収入金30,000機械装置30,000

貸借どちらにも勘定科目を入れて仕訳するのが慣れている人にとっては、慣れるまで混乱すると思いますが、理解するとやりやすいかもしれません。

あと仕訳のCSVテンプレートがわかりづらいです。
このテンプレートに合わせて仕訳データを作るのは少々戸惑うかもしれません。

MFクラウド会計

freeeに比べると会計ソフトを使ったことがある人や簿記の知識がある人には、なじみやすい仕様になっています。 入力方法は簡単モードと詳細モードとあり、詳細モードの方はいたってノーマルな「仕訳」の登録方法です。 CSVテンプレートも一般的な会計ソフトの仕訳のフォーマットと同じような仕様になっています。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「電帳法対応進むクラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2021年6月号: https://mic-r.co.jp/micit/)より

まとめ

クラウド会計サービスは低コストながら充実した機能を持っています。 クラウドサービスの特徴である利用者からの要望などを取り入れた機能追加や改善が絶えず行われます。 利用料も安いですので、将来的に移行するのも見据えて現状の会計ソフトを利用しながらも、並行利用してみるもの一つの手だと思います。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「電帳法対応進むクラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2021年6月号: https://mic-r.co.jp/micit/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

経費精算システム「楽楽精算」

著者 小栗 勇人

1980年生まれ。上場企業と上場企業子会社で経理を10年経験。ExcelやAccessの活用、クラウドサービスの導入、社内基幹システムの構築など、経理業務だけでなく、会社全体を効率化させることを日々実践中。運営ブログ「経理と事務の効率化」をきっかけにExcelの本『経理の仕事がサクサク進むExcel超活用術』を出版。

経理と事務の効率化