【経理ニュース速報】領収書はスマホの画像データで原本廃止可能へ?電子帳簿のさらなる規制緩和への検討開始

【経理ニュース速報】領収書はスマホの画像データで原本廃止可能へ?電子帳簿の更なる規制緩和への検討開始

先日、財務省より、領収書の電子保存について、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像データを保管すれば、原本の廃棄を認める方向で検討に入ることが発表されました。

これが認められますと、昨年のニュースでお伝えした規制緩和の方針以上に、領収書の管理にかかる負担を軽減することができます。

経理プラス:【経理ニュース速報】来年から領収書はスキャン後即廃棄へ?電子帳簿の規制緩和方針を発表

昨年の流れから何がどう変わろうとしているのか、今までの電子化に関する記事を振り返りながら、解説いたします。

検討事案 ―スキャナーのみから撮影データへ―

今回の検討が認められた場合、「タクシー代、接待に使った飲食代、業務に関わる書籍代などの領収書をスマホで撮影し、画像データで保管することで原本が廃棄できる」ようになります。
既に15年度の税制改正を受け、平成27年9月30日以後から「(要件を満たした)全ての領収書をスキャナーで読み取り、画像データとして保管することで原本が廃棄できる」ことが認められることになっていますが、そこからさらに保管が容易になるのです。

電子保存ができる書類に関してはこちらをご参照ください。
経理プラス:電子帳簿保存法とは?~保存できる書類と手続き方法~

領収書電子化の現実

「スキャナーで読み取った画像データ」のみに限定されると、営業担当者は経費精算のために会社に戻り、領収書を1枚ずつスキャンしなければなりません。
また、企業側もスキャナーの設置の初期コストが必要です。結果として、原本をそのまま経理担当者に提出する場合が多く、電子化が進んでいない現実があります。

手間やコストがなくなる?

今回の規制緩和提案が認められた場合、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像データが保管方法として認められることになり、営業担当者の手間やスキャナーを置く企業側のコスト負担をなくすことができます。
また、画像データを自動でテキストデータに出力できるIT技術の活用により、経理担当者の入力作業も軽減されることが期待できます。
以上から、経理の電子化が加速していくのではと考えられます。

電子帳簿保存法の最新動向と、経費精算業務の未来像

経理担当者の大きな期待と政府の問題点、要件の厳しさ

この提案の背景には、企業の経理担当者らでつくる日本CFO協会から提出された、領収書の保管義務に関する意見書があると考えられています。

経理担当者の62%は撮影データ承認を希望

日本CFO協会が行ったアンケート調査において、企業の経理担当者705人のうち62%が「スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像データ」でも原本の廃棄を認めてほしいと回答しています。
また、領収書の保管がスキャナーで読み取ったものしか認められない場合、22%の企業が「将来的にも導入は検討しない」と回答しています。
対して、スマートフォンやデジタルカメラでの読み取りが解禁された場合、「将来的にも導入は検討しない」との回答は5%まで減少します。
それだけ、この提案が待ち望まれていることがわかります。
しかし、作業が容易になると以下のような問題が発生します。

問題:二重請求と画像不鮮明への対応が必要

手軽に経費精算ができるようになると新たな問題点が浮上します。同じ経費を領収書と画像データで別々に請求するといった二重請求などの不正の問題です。また、手ブレや画質によって領収書の画像データが不鮮明になるという問題もあります。
財務省は産業界と協力し、これらの問題の対応策を詰める予定としています。

適用要件:電子署名とタイムスタンプ

スキャナーで読み取ったものしか認められない場合だとしても、便利なことばかりではありません。データの真実性を保持するために、タイムスタンプといった要件が必要となります。

要件の詳細についてはこちらをご覧ください。
経理プラス:経理書類電子化時代の必須知識 e-文書法のメリットと適用条件

現時点においては、スマートフォンやデジタルカメラの画像データが認められたとしても同様の処理が必要です。要件が難しいこともあり、安易に喜べるものではありません。
要件が撤廃されるか、別の方法が提示されるかはわかりませんが、まだまだ解決しないといけない課題があるため、即時実行は難しいでしょう。

今、経理担当者がすべきこと

経費担当者の方々は、今どのような手段で経費精算を行っているのでしょうか?
今までと同じように・・・という理由だけで、領収書の原本をコピー用紙に1枚ずつ貼り付けている経理担当者の方々もいらっしゃるのではないのでしょうか?
経費精算が効率化する中、過去を踏襲するだけではコスト改善には繋がりません。

今回のニュースは、経理担当者だけに留まらず、営業担当者や経営者の方々にもメリットがある提案です。しかし、厳しい要件もありますし早く適応するためには、ある程度の準備が必要となります。

PDF化した領収書を添付して精算できる経費精算システムなどにも注目が集まっています。
急速に進む経理電子化の波に乗り遅れないように、今のうちから社内の経理電子化を検討してみてはいかがでしょうか?

経費精算システム『楽楽精算』

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「電子帳簿保存法の最新動向と、経費精算業務の未来像」

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

著 者 公認会計士 服部 峻介

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北海道大学経済学部卒。有限責任監査法人トーマツ入社後、上場企業の監査、内部統制、IPO支援、株価算定、M&A、不正調査等を実施。経営コンサルティング会社役員を経て、Seven Rich会計事務所を開業。スタートアップ企業を中心に、3年で160社以上の新規クライアントに対して会社の設立から会計税務、総務、ファイナンス、IPOコンサルなど幅広い支援を行っている。

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