経費精算システム導入の記録 -製品選定から社内決裁まで-

経費精算システム導入の記録 -製品選定から社内決裁まで-

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

私は今の会社で基幹システムと経費精算システムの導入を経験しました。
導入においては、基幹システムに比べて、経費精算システムの方が非常に楽に感じました。

基幹システムの時は、業務フローを各部門にヒアリングして把握、問題点・改善点の明確化、解決策の試案、社内ルールの変更、システムへの落とし込み、これらを段階的にそして運用テスト検証を繰り返して導入しました。

経費精算システムの時は、精算システムの処理フローは決まっていたのもあり、処理フローに対応できるシステムを選択すればよく、システムの選定からトライアルを経て実運用を開始へ、選定から導入まで3週間で行う事が出来ました。

その経験を踏まえて経費精算システムの導入を3段階にわけて紹介します。

  • 第1段階:製品選定から社内決裁まで
  • 第2段階:運用準備から社内説明会まで
  • 第3段階:運用後フォロー

今回は第1段階『製品選定から社内決裁まで』について書きます。

導入にいたったきっかけ

経費精算システムはラクスの提供する「楽楽精算」を導入しましたが、私の会社では「楽楽精算」を導入する前から、システムによる経費精算を行っていました。

当時上司であった経理部長がExcelとAccessを組み合わせて作成したシステムで、マクロやVBAを利用して構築されていました。導入当初は比較的順調に運用できていましたが、各所からの要望を対応していく中で、システムが複雑化していき保守対応が大変になっていきました。その状態の中で上司が諸事情により会社を離れることになり、システム全体の仕様を理解している者がいなくなりました。

そこで、私がメンテナンスを対応することになったのですが、きちんとした仕様書は作成されておらず、エラーが発生する都度対応していました。そのため、メンテナンスや問い合わせ対応に多くの時間を取られ、業務効率を上げるために作成したものが、業務負荷になっていました。 非効率性は管理する経理側だけでなく、申請者や承認者側にも生じていました。
それらの状況からすぐにでも別のシステムへ移行したい、しないといけない状況でした。

選定方法と選定ポイント

「時間」「スキル」「運用」「保守」などの点から自社開発する選択はなく、外部サービスを利用すると決めて選定をしました。

現在「経費精算」のクラウドサービスはさまざまな会社が提供しています。 多くのサービスから自社に合うものを探すのは面倒です。 そのため、この順序で選定していくのが良いでしょう。

1.利用者の多い会社を数社選ぶ

クラウドサービスのいい点は、小まめなバージョンアップです。
利用者からの要望に対して機能の追加や仕様の修正が小まめにされます。 利用者が多ければ要望数は多くなり、要望が多いものほど優先的に機能の追加・変更されます。多く改善を経たサービスは、どの会社にも対応できるサービスになっている可能性が高いです。

2.必要な機能を確認する

まず必要な機能を洗い出します。
現状の運用の中で必要とする機能、また現状から対応してほしい機能などをリスト化しましょう。私の場合は以下の機能があるかを確認しました。

  • ワークフロー機能
  • 電車系ICカードのCSVの取り込み
  • 経路検索機能
  • プロジェクト番号の利用
  • 会計ソフトへ取り込むCSVの作成
  • 銀行へ振り込む全銀データの作成
  • 申請・承認状態を各自で確認できる

3.営業から説明を受ける

自分でサービスを調べ尽くすのは大変です。営業担当者に説明をしにきてもらいましょう。あらかじめ調べた機能の確認と、現状の問題点を解決できる方法がないかを確認しましょう。私は「定期区間の自動控除機能」の説明を受けたときは感動しました。今となっては当たり前の機能ですが、その時は盲点の機能でした。

4.値段比較

クラウドサービスの場合、主な費用は「初期費用」と「月額利用料」です。サービスによっては、オプションや設定費用などがかかる場合があります。

5.無料トライアルで試す

クラウドサービスの場合、無料トライアルで実際に操作できるサービスが多いです。経理の立場だけでなく、申請者や承認者それぞれの立場での操作性を確認しましょう。
経理だけが使いやすくても申請者や承認者が使いにくければ、導入後も操作方法についてなどの対応をしなければならず、時間がとられてしまいます。 経理とは関係ない人に試してもらうといいかもしれません。マニュアルがなくてもなんとなく操作方法が分かるのが理想的なシステムです。

以上の選定ポイントを元に、株式会社ラクスが提供する「楽楽精算」と他に数社ほど検討した結果、「楽楽精算」を導入することに決めました。

社内を説得する

システムの導入を進めるにあたり、まず頭を悩ませるのが関係各所への説得です。

新しいシステムを導入に対して、全員が積極的ということはありません。
今までのやり方が変わるからです。
現在のやり方に慣れている人ほど、新しいシステムに不安を感じます。新しいことを覚える不安と、今までできていたことができなくなるのではないかという不安です。

その不安を取り除き、かつ便利になることのイメージを持たせることができれば、同意を得やすくなります。

ただ経費精算システムの導入は、基幹システムなどの導入よりも生じる不安は少ないと思います。新しいシステムを導入する場合、「目的」「必要性の検証」「各部署へのヒアリング」のプロセスを経て、システムの選定等を行います。

しかし、経費精算方法は会社が違っても処理に大きな違いがないため、どの経費精算サービスでも、必要要件は押えられているので、製品選定前プロセスに時間をかけず、実際の製品比較を行う中で絞り込んでいけばいいかと思います。
違いがあるとしたら分析機能などがあるかどうかです。ここはプラスアルファの機能なので、なくても困ることはありません。もし分析機能を必須とする場合、選択できるサービスはより絞られることになります。

確実に言える事は、現在Excelやwordのテンプレートに記入して申請書を作成して印刷して捺印をもらってという処理をするのに比べて、間違いなく処理は早くなりますし、ミスも起こりにくくなります。

だからといって何も意見聞かずに独断で決めるというわけにはいきません。
経理の独断で決めたとならないように、各ポジションにおけるキーパーソンに意見を聞くようにしました。今回の場合は導入を前提にしていたので、相談した既成事実をつくるための意見収集といったスタンスで行いました。

方法としては、

  • デスクに直接出向いて話す
  • 立ち話のなかで何気なく話す
  • 現状の運用で出た不満を書き出す

ここで重要なのは、どのような意見があったかだけでなく、誰が言ったかという点です。

経営陣に説明する際には、現場からこのような要望が出ていますと伝え、現場には経営陣からこのような注文がありますといった説明をし、全体的なコンセンサスがあるといった流れを作り出すことを意識しました。

また実際にシステムを導入する際のデモ説明会で、「〇〇さんから出た〇〇については、このような方法で処理することができます」と付け加えると納得感が得られやすいので、その材料として効果があります。

稟議決裁を得る

新しいシステムを導入する場合、必ず費用がかかります。
あらかじめ予算に組み込まれていれば話は進めやすいですが、予算外の場合、他からの予算を組み替えて捻出するか、費用対効果で承認をもらうかです。
私の場合は、予算外でしたが申請者や承認者の利便性の向上、それによる工数削減と本業の生産性向上を理由に決裁を通しました。

ただ「楽楽精算」の導入費用・ランニング費用が安かったため、それらの説明がやりやすい好条件でした。

まとめ

私の会社の場合、利用者が約100名とそれほど多くないため、導入がやりやすかった面があると思います。ただ大きな混乱を生じずに導入できたのは、「楽楽精算」の操作性が受け入れやすかったからだと思います。
現場から不安な点が上がってくれば、その都度運用方法を考えて解消していけばいいわけです。営業担当者に相談すれば、いい解決方法を考えてくれます。まずは相談をしてみましょう。

経費精算システム導入の記録シリーズ

> 第二弾:運用準備から社内説明会まで
> 第三弾:製品選定から社内決裁まで

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著 者 小栗 勇人

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1980年生まれ。上場企業と上場企業子会社で経理を10年経験。ExcelやAccessの活用、クラウドサービスの導入、社内基幹システムの構築など、経理業務だけでなく、会社全体を効率化させることを日々実践中。運営ブログ「経理と事務の効率化」をきっかけにExcelの本『経理の仕事がサクサク進むExcel超活用術』を出版。

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