中小企業の資金調達の王道、制度融資について

中小企業が利用しやすい資金調達として「制度融資」があります。御社も利用しているのではないでしょうか。
もし、まだ利用していないということであれば、非常に使いやすい融資ですので、是非、利用をご検討されてみてはいかがでしょうか?

今回はこの制度融資について、その概要や利用対象者、保証料率などを解説いたします。
※本稿では東京都を例に取り上げて制度融資を解説いたします。他の道府県でも大きく異なることはありませんので、中小企業者にとって心強い味方である制度融資を活用し、御社の業績アップに繋げていただければと思います!

 

制度融資とは

まず、制度融資の概要からご説明しましょう。
制度融資とは、個人や中小企業を対象に、各都道府県と金融機関、信用保証協会の3者が協調して行う融資です。
東京を例にすると、まず、東京都が融資に必要な資金を金融機関に預託します。資金を預託された金融機関は、東京都の定める条件で中小企業者に融資をしますが、この際に信用保証協会が中小企業者の信用保証を行います。
東京都と信用保証協会がサポートをすることで、金融機関が中小企業に融資をしやすくしているのです。
制度保証では、こうした協調関係がパッケージ化されており、中小企業者は金融機関の窓口に行って、制度融資を利用したい旨を伝えるだけで良いというわけです。

 

利用できる企業は?

制度融資におけるこうした協調関係は、資金調達力の弱い中小企業者のために行われているため、利用するためには一定の条件が求められます。具体的には、以下の条件を全て満たさなければいけません。

  1. 中小企業者または組合であること。
  2. 都内に事業所(住居)があり、保証協会の保証対象となる業種を営んでいること。
  3. 事業税または法人税(個人については所得税)を納付していること。
  4. 許可、認可、登録、届出等が必要な業種にあっては、当該許認可等を受けていること。

なお、1.の「中小企業者」の範囲は以下の通りで、資本金基準か従業員数基準のどちらか一方を満たす会社、個人、事業協同組合が対象となります。

業種資本金基準従業員数基準
製造業等 (ソフトウェア業・情報処理業、
建設業、不動産業、運搬業、出版業などを
含む。)
3億円以下300人以下 ※
卸売業1億円以下100人以下
小売業・飲食業5千万円以下50人以下
サービス業5千万円以下100人以下 (旅館業は
200人以下)
医療法人および、医業を主たる事業所とする
社会福祉法人、財団法人または社団法人
条件なし300人以下

※ ゴム製品製造業は900人以下(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)

 

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信用保証料について

制度融資では保証協会が保証を行ってますので、それに対する信用保証料を、原則として融資実行時に一括で支払わなければなりません。保証料は業績が良い会社ほど安くなります。
保証料率がいくらかについては以下を参考にすると良いと思います。
責任共有保証料率表-東京信用保証協会

 

28年度の新設・拡充メニュー

さて、このように使い勝手の良い制度融資ですが、実は様々な融資メニューが用意されています。そして、そのメニュー内容も毎年新設されたり、拡充されたりしています。
ここでは、平成28年度に東京都の制度融資で新設・拡充されたメニューについて、ご説明いたします。

創業融資

制度融資の顔とも言える「創業融資」は、頻繁に内容が拡充される融資メニューです。
例えば、昨年27年度には信用保証料の1/2が補助される拡充が行われました。
そして今年28年度では、利率が0.2%引き下げられ、金利負担が軽減されることとなりましたので、益々使いやすくなったと言えます。

海外展開支援

こちらは海外販路の開拓などを目指す中小企業者のために、28年度より新設された融資メニューです。
融資限度額が2億8,000万円と大きいことも魅力ですが、信用保証料の1/2が補助されるという点で、販路拡大等の海外展開を狙う会社は是非利用しておきたいメニューとなっています。

事業承継支援特例

27年度に、事業承継前後における経営の安定化や多角化へ対応するため、「事業承継」という制度メニューが新設されました。
今年28年度においては、その特例として「事業承継支援特例」という融資メニューが新設されました。
これは、商工会議所などから事業承継支援を受けた場合に、上記の「事業承継」よりも金利が0.2%優遇されるというものです。
なお、こちらも信用保証料の1/2が補助されますので、この点でもかなりの優遇措置と言えます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
制度融資の概要と信用保証料、新設・拡充された融資メニューについてご説明いたしました。
冒頭でも述べたとおり、制度融資は資金調達力の弱い中小企業者にとって、心強い味方となります。
本稿を参考に、まずはメインバンクへご相談に行ってみてはいかがでしょうか?

 

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● 著者

大野 修平

大野 修平

公認会計士・税理士 前職の有限責任監査法人トーマツでは銀行、証券会社、保険会社など金融機関向けの監査、デューデリジェンス、コンサルティング業務などに従事。 トーマツ退所後はOneWorld税理士法人にて「ビズバ!」というオウンドメディアの企画、編集を担う。また、会計や税金を身近に感じてもらえる様々なイベントを運営している。 無類の読書好きで、蔵書が3,000冊を超えないようコントロールすることに頭を悩ませる日々。

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