補助金・助成金を受けたときの会計処理と注意すべき点

企業が受けることができる補助金や助成金には様々な種類がありますが、その会計処理の方法は日常の処理とは違うため、戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか。
申請から実際の給付の入金までかなりの時間差がある補助金・助成金は、会計処理として注意しなければならない点もあります。ここでは、補助金などの会計処理の方法といくつかの注意点などについて紹介します。

 

補助金・助成金を受けた場合の会計処理

補助金や助成金は、基本的に「収入」として扱われることになります。そのため、法人税においては課税対象となりますが、補助金・助成金の性質から、消費税では課税の対象とならないことがポイントです。収入ではありますが、主となる業務での売上での収入とは別のものとされています。

補助金・助成金が入金になった場合、仕訳は「雑収入」勘定で処理することになりますので、例えば50万円の補助金が入金された場合の仕訳としては次のようになります。預金の部分は普通預金か当座預金か実際に入金された口座で仕訳をしましょう。(下記の仕訳例は給付決定通知と入金が短い期間に行われる場合の仕訳方法となります。)

 借方金額貸方金額
預金(普通・当座)50万円雑収入      50万円

助成金の場合も基本的には同じ仕訳で処理することができます。しかし、ここで注意しなければならないのは、補助金や助成金は給付決定されてから実際の入金までの期間がとても長い場合もあるという点です。中には、入金までの期間が1年以上になり、決算期をまたぐというケースも出てくることがあります。
このような場合は、給付決定がされた年度内に計上すべき会計処理が発生しますので、会計処理の際には気を付けるようにしましょう。決算をまたぐ会計処理については、後の項目で詳しく紹介します。

 

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補助金・助成金処理の注意点とは

補助金や助成金の会計処理では、いくつかの注意すべき点があります。ここでは、各項目について詳しく確認しましょう。

決算期をまたぐ場合

補助金や助成金の仕訳をするタイミングとしては、基本的に「取扱いの機関から支給決定通知書が到着した時」となっています。しかし、入金までに時間がかかり決算期をまたいでしまう場合は、一度「未収入金」勘定で仕訳を行い、取引を計上しておくことになります。例えば、50万円の支給決定通知書が到着した場合は、次のような仕訳処理をしておきます。

 借方金額貸方金額
未収入金(補助金)50万円雑収入50万円

また、決算後の数ヶ月あとに補助金・助成金が入金となった時には、次のような仕訳処理をします。

 借方金額貸方金額
預金(普通・当座)50万円未収入金50万円

「未収入金」とは、売掛金とは違い、事業の中心となる営業活動ではない取引で発生している債権となります。そのため、営業的なものではない補助金が「未収入金勘定」で処理されることになるわけです。なお、未収入金は決算期後の1年以内に回収される性質のものを指しています。

もし、給付決定通知書が届いてから入金までが1ヶ月以内で行われるような短期間の場合には、前でも述べたように直接「預金」と「雑収入」で会計処理をしても問題ありません。このように、通知書到着と入金の時期によって決算期をまたぐ場合には、仕訳の処理が変わってきますので十分に注意しましょう。

消費税は非課税、法人税は課税

補助金や助成金は、消費税の課税対象ではありません。「雑収入」の勘定になるため、会計のイメージとしては課税対象となるように感じますが、国の規定では「資産の譲渡等の対価に該当しないこと」とされています。

しかし、法人税に関しては課税の対象とされています。また、補助金は「経費補助金」と「施設補助金」と大きく二つに分類されますが、基本的にはどちらも法人税が課税されます。特に、会計処理としては「施設補助金」の取り扱いに注意が必要です。施設補助金については次の項目の「圧縮記帳」で解説します。

圧縮記帳の適用

補助金や助成金を利用して、設備機器などの固定資産となるものを購入した場合、「施設補助金」に分類され、圧縮記帳で処理を行う方法を適用することができます。圧縮記帳をすることで、年度内に一度に課税せずに繰り延べ処理をすることが可能となります。

補助金や助成金は収入とみなされていますので、法人税の課税対象となります。しかし、課税対象となるということは、給付される補助金から税金が一度に引かれてしまいます。圧縮記帳を利用することで、一度にかかってくる税金を数年に別けて課税分を支払うことが可能になるため、単年度の負担は軽くすることができるようになるわけです。しかし、あくまで単年度の負担が軽くなる繰り延べということであり、税金が非課税になるということではありませんので、その点については理解しておきましょう。

次に、実際の圧縮記帳の仕訳ですが、例えば、企業が補助金を50万円受け取った後に設備の購入をした場合の圧縮記帳の会計処理は、次のようになります。

 借方金額貸方金額
預金(普通・当座)50万円雑収入50万円
機械装置100万円預金(普通・当座)50万円
圧縮損50万円機械装置50万円

この他に、決算時に減価償却の取得額から減額することができます。

施設補助金は、圧縮記帳ではなく直接減額法という処理方法もあります。どちらが良いかはよく検討することをおすすめします。

 

まとめ

日常の処理とは少し違う点がある補助金や助成金の会計処理ですが、ポイントは給付決定の通知タイミングと実際の入金のタイミングの時期にあります。決算期をまたいでしまいそうなのか、または年度内で完了できるのかで処理方法が変わることを覚えておきましょう。また、圧縮記帳については減価償却費の計算も出てきます。どのような処理の仕方が自分の会社に合うのかは、よく試算をしながら検討するようにしてください。仕訳の仕方や圧縮記帳の処理方法に不安がある場合には、会計士などに相談しながら進めていくと安心ですね。
 

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経費精算システム「楽楽精算」

● 著者

渡部 彩子

渡部 彩子

自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門を経験。この経験を活かし、経理・総務・人事をテ ーマとしたコンテンツ制作を幅広く執筆。