印紙税法上の「金銭又は有価証券の受取書」の扱いとは

「金銭の受取書」の扱い

「金銭の受取書」とは、いわゆる領収書やレシートのことをいいます。印紙税法において「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」で一定のものは印紙税の課税物件表の第17号文書として課税文書であると定められています。つまり、一定の「金銭又は有価証券の受取書」を作成したときは、作成者が定められた額の印紙を貼り付けなければなりません。

なお、17号文書については、その記載金額が5万円未満の場合は非課税とされています。したがって、5万円以上の「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」を発行したときに原則として印紙を貼らなければなりません。

 

第17号文書にある「有価証券」とは

有価証券とはどのようなもののことを言うのでしょうか。
印紙税法では、財産的価値のある権利を表す証券で、その証券を受け渡しすることにより権利の移転や行使を要するものを「有価証券」といいます。

定義で見ればややこしいですが、株券や出資証券、手形、小切手、商品券、プリペイドカードなどが印紙税法上の有価証券にあたります。郵便切手や収入印紙は、証券自体が特定の金銭的価値を有する金券とされているため、印紙税法上の有価証券にはあたりません。
また、借用証書や預金証書なども印紙税法上の有価証券とはなりません。

 

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売上代金とは

商品を販売したときの代金や不動産の賃貸料、請負代金、広告料などは通常、売上代金となります。印紙税法における「売上代金」とは、資産を譲渡したり、使用させたりしたときや役務提供をしたときに受け取る対価のことをいいます。ここでの判断ポイントは「対価」であるかどうか、です。対価とは、ある給付について、その反対の給付を受けるときの価格をいいます。

定義は少し難しいので事例で考えてみましょう。

商品の売上代金や資産の売却代金は、引き渡した商品や資産の対価となります。そのため、代金を受け取ったときに作成した受取書は「売上代金に係る受取書」となります。物や不動産を貸したときに受け取る賃貸料については、資産を使用させることの対価となります。貸付金の利息を受け取ったときも同じです。また、請負をしたり、委任契約により受け取ったものは役務提供をしたことによる対価となり、そのときに作成した受取書は「売上代金に係る受取書」ということとなります。

気を付けないといけないのは、会計で使われている売上とは範囲が異なっているということです。例えば、資産の売却代金は、会計上は売上ではありません。また手形を割引したときや債権を譲渡したときなども会計上の売上とはなりませんが、資産を譲渡し、対価として金銭等を受領しているため、印紙税法においては売上代金として考えることとなります。

なお、「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」であっても、営業に関しないものは非課税とされています。
ここでの営業とは、利益を得るために、その行為を反復・継続することをいいます。例えば、小売店が仕入したものを売ったりするのは営業です。そのため、お客様から代金を受け取ったときに発行する受取書(領収書)は営業に関するもの、ということとなります。

しかし、ある個人の方が友人に持っているものをたまたま売ったときに受取書を発行したとしても、それは通常は営業にはあたりませんので、印紙税を考える必要はありません。
また、医師や弁護士などは一般に営業に当たらないとされている自由職業者にあたるため、業務上、受取書を発行したとしても非課税となるとされています。
少し違和感がありますが、そのように取り決めされているのです。

 

レシートにも印紙は必要?

では、領収書ではなく、レジから打ち出されるレシートにも印紙は必要なのでしょうか?
この点、レシートも領収書と同じで、売上代金の受領の事実を証明するものですから、印紙税の課税文書となります。レシートの他にお買い上げ票のようなものを作成し、そこにも代金受領済みであることを記した場合には、レシートに加えてお買い上げ票も課税文書となりますので、注意しましょう。

例えば、お客様に対して印紙を貼った領収書やレシートを一度発行し、その後、紛失により再発行を要求されることがあります。そのような場合でも、一度印紙を貼ったからといって再発行したものの印紙が不要になる訳ではなく、再度印紙を貼る必要があります。印紙税というのはあくまで文書にかかるものです。再発行されたものについても、金銭等の受領の事実を証明するために作成された文書であることにかわりなく、印紙を貼る必要があります。なお、この場合であっても、その文書を作成した者が印紙税の納税義務者となります。

 

まとめ

売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書の印紙税の取扱いを解説しました。 
事業をやっていると金銭又は有価証券の受取書というのはよく出てくるものです。印紙税のことを忘れないようにポイントを理解しておきましょう。

 

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● 著者

松本 佳之

松本 佳之

税理士・公認会計士・行政書士 1980年兵庫県に生まれる。2001年公認会計士二次試験合格。2002年関西学院大学商学部卒業、朝日監査法人(現あずさ監査法人)入所。2005年公認会計士三次試験合格、公認会計士登録。2007年税理士登録後独立し、北浜総合会計事務所を開設。監査法人勤務時代は企業公開部門に所属し、さまざまな実績を重ねる。