5分でわかる!損益分岐点分析(CVP分析)の基本知識

5分でわかる!損益分岐点分析(CVP分析)の基本知識

適切な業績評価は、会社が成長するために不可欠なことですが、「業績」とは一体どのような概念なのでしょうか?
ここでは、業績の意味について考え、会社の成長に役立つような業績評価の方法の一つである「損益分岐点分析(CVP分析)」について紹介します。

会社の「業績」とは

「業績」は、「企業活動により如何に効率よく利益を獲得できたか」のことを指し、最終的に「利益」の額で表されます。すなわち、業績評価をする場合は利益情報を見ることが必要となります。
ここからは業績評価を行う方法の一つとして、企業の業績を評価し将来の計画にも反映させやすい「損益分岐点分析(CVP分析)」を紹介します。

コストの構造が分かる損益分岐点分析(CVP分析)

損益分岐点分析(CVP分析)とは、利益情報を販売量と売上高とコストの3つの関係から評価する手法です。
損益分岐点分析(CVP分析)では、コストを分類し、横軸を販売量、縦軸を金額にすることで図1のような関係を示すことができます。

損益分岐点分析

(図1)

販売量が少ない場合(営業利益ゼロの点線より左側の場合)、売上高が総コストを下回り営業損失となりますが、ある販売量となった時点で「売上高=総コスト」(営業利益ゼロ)となり、さらに商品を販売すれば(営業利益ゼロの点線より右側の場合)利益が出るという関係が解ります。
営業利益がゼロとなる点を「損益分岐点」といいます。
このような関係を利用して、目標としての売上高やコストを予算として設定することで、実績と比較することが可能となり、業績を管理することができます。

損益分岐点分析(CVP分析)を実施するためには、まず、会社のコストを「変動費」と「固定費」に分類します。
「変動費」とは、製品の材料のように売上高に比例して発生するコストのことです。
一方、「固定費」とは、家賃や減価償却費のように売上高とは関係なく期間的に発生するコストのことです。

分類方法は色々考えられますが、市販の会計ソフトには、勘定科目ごとに変動費と固定費に分類できるものもあります。
勘定科目によっては、変動費・固定費の区分が難しいものもあるため、注意して分類します。会社により判断は異なりますが、科目別に分類した場合の変動費・固定費の例を挙げると表1のようになります。

(表1)

変動費原材料費、外注加工費、外注費、消耗品費…
固定費人件費、地代家賃、水道光熱費、支払利息、減価償却費、リース料…

 

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損益分岐点分析(CVP分析)でわかること

損益分岐点分析では「売上高−変動費」により「限界利益(*1)」を算定することができます。さらに損益分岐点分析(CVP分析)では、限界利益に基づいた収益性の検討を行うことができますが、経理担当者が業績を経営者へ報告するという観点からは、例えば表2のような分析結果を整理することができます。
(*1)売上高と変動費の差額である限界利益が、製品1単位販売時に会社で得られる利益です。

(表2)

損益分岐点売上高損益分岐点売上高を示すことで、どれだけ製品を販売すると利益が出るのかを経営者に意識させることができます。
変動費率(*2)・
固定費
変動費は製品1単位を生産・販売する際の効率性を分析し、固定費は予算として設定された金額との比較分析することができます。
予算との比較販売量・売上高・コストの関係に基づいて予算を作成することにより、コストの構造に着目した目標の設定・管理が可能になります。
(*2)売上高に対する変動費の比率です。

また、表2を損益計算書に対応させると、図2のようになります。
損益分岐点分析(CVP分析)では限界利益で固定費を回収して、さらに売上げることで得られる営業利益を売上高との関係で明確にすることができます。図2にある通り、①損益分岐点売上高を意識することで必要な売上高目標を設定することができ、一方で、②変動費率や固定費を検討することによりコスト削減を実現できます。更に③予算と実績とを比較することで実績の確認を行うこともできます。その結果、業績評価の結果を翌期以降の経営計画に役立てることができるのです。

損益分岐点分析(CVP分析)

(図2)

会社の業績を把握する利益は、営業利益や経常利益だけではありません。どのような利益を考えるのかによって、業績評価に役立たせることが可能になります。

まとめ

損益分岐点分析(CVP分析)の簡単な概要について解説しました。損益分岐点分析(CVP分析)の方法や活用方法をご理解いただけましたでしょうか。
今回紹介した損益分岐点分析(CVP分析)を行うことによって、自社で行っている事業のコスト構造を知り、今後どのようにして利益をあげていくべきかという判断材料を得ることができます。
ぜひ一度自社の財務状況を基に、損益分岐点分析(CVP分析)を行ってみてはいかがでしょうか。

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● 監修

中原 國尋 税理士・公認会計士 (株)レキシコム 代表取締役

中原 國尋 税理士・公認会計士 (株)レキシコム 代表取締役

中央大学大学院商学研究科博士前期課程修了。 大手監査法人にて銀行・商社・サービス業・製造業等の会計監査・システム監査・データ監査業務および米国企業改革法制度対応支援業務に従事。研修講師多数。現在は、会計・税務や情報システムに関するコンサルティング業 務を中心に幅広く展開している。 日本公認会計士協会IT委員会専門委員、青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科客員教授、中央大学商学部客員講師