キャッシュレス決済で領収書が不要に!?2020年度税制改正と利用時の注意点
現金取引からキャッシュレス決済への移行は、世界のみならず日本にも広がりつつあります。しかし、日本のキャッシュレス決済比率は2018年時点で20%台となっており、海外の主要各国の40%~60%台と比較すると、未だ低い水準です。
経済産業省は、日本のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%、さらにその先には世界最高水準の80%を目指すとしています。
また、キャッシュレス普及を後押しする税制改正として、2020年10月からは紙だけでなく電子データでも領収書を保存することが可能になるという点も注目すべきポイントです。
今回は、データ保存が可能な領収書の保存要件や注意点などについてご紹介していきます。
無料ダウンロード:電子帳簿保存法とは?対象書類や遵守すべき保存要件を解説
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済といえば、クレジットカードでの支払いが最もスタンダードなものでしょう。この他にも、SuicaやPASUMOなど交通系の電子マネーや、PayPay、楽天ペイ、LINE PayなどQRコード決済などもあり、キャッシュレス決済の種類は多様化しています。
種類 | クレジットカード | デビットカード | 電子マネー(プリペイドカード) | モバイルウォレット(QRコードなど) |
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特徴 | ・後払い ・与信審査あり ・スライド式・タッチ式・読み込み式 | ・即時払い ・与信審査なし ・スライド式・タッチ式・読み込み式 | ・前払い(チャージ) ・与信審査なし ・タッチ式 | ・他の決済手段に紐づけ ・スマートフォン決済 ・カメラ読み込み式(QR)・タッチ式 |
企業がキャッシュレス決済を導入する大きなメリットとしては、小口現金が削減されて経費管理が簡易化できるという点が挙げ経費精算を手作業で行うと、チェック業務の手間がかかり、記載ミスや精算漏れなどが発生する可能性もあります。経費管理が楽になることで、経理業務の負担が少なくなるのです。
ただし、クレジットカードの中には年会費が必要なものも存在します。また、電子マネーやQRコード決済の利用範囲をどこまでにするかなど、事前に定めておく必要があります。
キャッシュレス決済に関する2020年度税制改正での変更点
電子帳簿保存法とIT技術の普及により、会計処理のデータ化が大幅に進んでいます。2016年には、スマートフォンやデジタルカメラ撮影の領収書等のデータ保存が可能になりました。さらに、2020年10月以降に施行される税制改正では、キャッシュレス決済の場合、紙としての領収書は必要なくなり、利用明細データでダイレクトに経費精算可能になります。つまり、完全ペーパーレス化になるということです。
紙保存の必要がない領収書の基準とは
今までは、領収書等の電子データ保存に対してタイムスタンプを付与しなければなりませんでした。しかし、税制改正後は、データを受け取る側が自由に改定できないシステムを利用している場合であれば、タイムスタンプ付与がなくとも電子データ保存が可能になります。
改定できないシステムとは、具体的にはクラウド型の会計ソフトや経費精算システム等のことです。経費精算システムと連携し、クレジットカード決済や交通系ICカード決済、PayPayなどのQRコード決済を利用した明細を電子データとして受け取る流れになります。利用した内容がダイレクトに届きますので、改定されるリスクはありません。
現在電子帳簿保存法に対応できる経費精算システムは多くありますが、株式会社ラクスが提供する「楽楽精算」は、電子データ保存の要件を満たす機能を揃えた経費精算システムです。
経理プラス:【2020年度税制改正】電子帳簿保存法の見直し 進むペーパーレス化
キャッシュレス決済で経費精算する際の注意点
紙ベースでの領収書の保存が必要なく、経費精算システムを導入すれば仕訳処理まで効率的に進めることができるキャッシュレス決済ですが、利用の際には次の点に注意しましょう。
ポイント還元での会計処理
キャッシュレス決済の種類によっては、利用によってポイント還元があるものもあります。基本的にポイント還元は雑収入扱いになりますので、明細チェックを忘れずに行いましょう。
資金繰り管理
クレジットカード決済の場合、支払いは後払いになります。利用額によっては高額となることもありますので、資金繰りをきちんと考え、支払い予定をしっかりと把握しておくことが大切です。
利用の際の社内ルール
電子データ化を期待して、キャッシュレス決済を導入する際には、利用限度額や利用できる経費範囲など、運用時の社内ルールを設けることが望ましいです。現金を扱わない分、経理の負担は削減されますが、キャッシュレス決済は気軽に使うことができるという要素もあります。そのため、導入前より経費がなぜか増加するということがないように、ルールづくりを進めましょう。
「キャッシュレス決済×経費精算システム」で精算業務を効率化
経費精算システムを導入してキャッシュレス決済と連携させることで、経理処理の大幅な負担軽減が可能になります。たとえば、交通系ICカードを利用して交通費精算を行えば、手作業で一つひとつ申請していた面倒な作業がなくなります。利用した区間や金額も明確になり、申請内容の確認、承認も楽になります。
また、交際費など一般経費の支払いにクレジットカード決済を利用すれば、利用明細を漏れなくチェックでき、小口現金の頻度も少なくなって管理も楽になります。申請から承認、経理処理までスムーズに流れ、二重チェックの必要性が少なくなるという点も大きな魅力といえます。「楽楽精算」のようにクラウドサービスとして利用できるシステムは、電子保存も容易にできるため、効率化を課題としている企業には特におすすめです。
経理プラス:小口現金から解放!経費精算の99%をキャッシュレス化した方法とは
まとめ
電子帳簿保存法の改正とともに、キャッシュレス決済はますます活用しやすくなっています。その流れに乗って「楽楽精算」のような経費精算システムを導入することで、さらなる効率化の向上が期待できます。ぜひこの機会に、キャッシュレス決済の社内利用ルール策定などを含め、本格的に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
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