電子申告制度は中小企業こそ活用を!メリット・デメリットをご紹介

電子申告制度

>>国内累計導入社数No.1※の経費精算システム「楽楽精算」について詳しくはこちらから

※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

電子申告については、経理担当者であれば何度も耳にしたことがあるでしょう。税理士を介して電子申告している企業や、自社で電子申告に対応している企業など、利用の仕方はさまざまです。

電子申告をしていない企業は、なんとなく手間がかかるイメージがあり積極的に進めてこなかったかもしれません。しかし、大企業ではすでに義務化されており、今後は中小企業にも電子申告の流れが強まると考えられます。そこで今回は、電子申告の概要やメリット・デメリットなどについて詳しくご紹介していきますので、現在検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

電子申告制度とは

電子申告とは、インターネット経由(オンライン)で申告・納税を完結することができるシステムです。このシステムは、e-Tax(イータックス)とも呼ばれ、税務署の窓口に訪問することなく申告、納税を行うことができます。このような電子申告自体は、以前から確定申告などで利用している企業もありましたが、電子申告をするかどうかの判断は、企業が自由に選択することができました。

近年は業界を問わず、ICT化が加速してきており、税務手続きにもICTを積極的に取り入れることで、一連の業務の効率化を図ることが求められてきています。

電子申告の義務化

国も積極的にICT活用を進めていくとして、2018年度の税制改正により、令和2年(2020年)4月1日以後に開始する事業年度から、大企業の電子申告が義務化となりました。現在のところ、中小企業においては義務化とはなっていないものの、業務効率化につながるため、電子申告への移行検討が必要となってくるでしょう。

経理プラス:2020年から電子申告が義務化!概要と必要な準備を整理しよう

中小企業こそ電子申告制度を活用すべき理由

中小企業でも電子申告を活用した方が良いと考えられるのは、次のようなメリットがあるためです。

電子データで保存、申告できる

電子申告は、入力されたデータで保存、申告することができるため、紙の書類として印刷する必要がありません。もちろん、控えとして書面で残しておくことはありますが、必要な情報を入力すれば、自動的に適切な場所へ反映されるため、数字の確認作業だけで済みます。一つひとつの書類を手作業で作成する場合と比較すると、申告までにかかる時間も印刷コストも削減されるでしょう。

申告はインターネットから24時間いつでも可能

インターネットを利用して申告できるため、窓口の営業時間に左右されることなく、24時間いつでも提出できます。そのため、管轄税務署までの移動や、待ち時間などにかかる時間を削減することができます。

上記のように、電子申告は業務効率化に大きく貢献します。大企業のように潤沢な人材配置が難しい中小企業にとっては、業務効率化を図れるというメリットや、コストを抑えて生産性の向上につなげられるというメリットが特に大きいため、積極的に取り組みを検討すべきでしょう。

e-Tax,eLTax,e-Govの違いと特徴

電子申告のことを、一般的にはe-Taxと表していますが、税金・申告の種類によりe-TaxとeLTAXに分けられます。また、電子申告と類似したシステムとしてe-Govもあります。それぞれ3つの違いを見ていきましょう。

e-Tax

最も馴染み深いのがe-Taxです。e-Taxは、確定申告や決算申告などの際に次のようなものが対象になります。

  • 法人税、地方法人税、消費税および地方消費税、復興特別法人税
  • 法定調書等
  • 申告、届出(電子帳簿保存等)

eLTax

eLTAXは、地方税関係の申告で利用されるものです。eLTAXの「L」は、「Local(地方)」からきていることを覚えるとわかりやすいと思います。以前は、申告するために地方自治体に提出する必要がありましたが、電子申告によって、インターネットでの申告が可能になりました。eLTAXで可能なものは次のとおりです。

  • 法人都道府県民税、法人事業税、特別法人事業税、法人市町村民税
  • 固定資産税に関わる資産申告、修正申告

e-Gov

e-Taxに類似したものにe-Govがあります。e-Taxが「申告」であるのに対し、e-Govは「申請」です。e-Govは税金ではなく、社会保険や雇用保険の申請など行政手続きに利用されるものであり、e-Taxとは目的が異なります。たとえば、住民票の移動届や社会保険の手続きなどが代表的なものです。

電子申告、申請などは取り扱うものによって名称などが変わりますので、混同しないように区別して理解しておきましょう。

電子申告を活用するメリット・デメリット

電子申告の活用によって次のようなメリット・デメリットが考えられます。それぞれを詳しくみていきましょう。

メリット

1.コスト削減

上述しましたが、電子申告は税務署の窓口に向かう手間がなくなり、書類印刷から郵送などのコストもかかりません。地方税など申告する地域が複数ある場合は、大幅に時間短縮になります。

2.短期間での税金還付

電子申告を利用すると、税金の還付がある際にスピーディな対応が可能です。通常、書類提出の場合の還付は、2~3月の繁忙期では1ヶ月~1ヶ月半ほどかかります。電子申告の場合は、およそ2~3週間で還付されるのが目安となっています。

デメリット

押印された控えがない

電子申告の場合、受付印がもらえません。税務署の窓口で申告すると、一般的には受付印を押印してもらいます。受付印の押された書類は、金融機関などに提出する際の資料として認められているケースもあります。

しかし、近年は電子申告が進んでいるとこから、電子申告の控えだけでも認められるようになっていますので大きなデメリットではありません。

事前に準備が必要

電子申告を利用するためには、あらかじめ申告の準備が必要です。利用者識別番号や電子証明書を取得して手続きを済ませておかなければ、電子申告は利用できない仕組みです。当初はハードルが高いように感じるかもしれませんが、利用者識別番号や電子証明書は一度取得するだけで済みますので、窓口でも確認しながら進めると良いでしょう。

まとめ

今回は、電子申告制度の解説とともに、電子申告を利用する際のメリット・デメリットなどをご紹介しました。電子申告は、業務効率化を図る手段のひとつとしても検討する価値があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。一度電子証明書を取得すれば、あとはスムーズに進められるものですので、ぜひこの機会に利用を検討してみてください。

>>電子帳簿保存法でお悩みの方、電子帳簿保存法対応No.1の「楽楽精算」でペーパーレス化を実現しませんか?

※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

累計導入社数No.1※の経費精算システム「楽楽精算」で
紙のやり取りから、解放されませんか?
「楽楽精算」の詳しい機能や事例に関する資料をメールでお送りします!

※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著 者 渡部 彩子

渡部さんお写真w240h240

大学卒業後、自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門に在籍。経理・総務・人事の実務を経験し、同法人在籍中に日商簿記2級を取得。その後、保険・金融業界での経理業務の経験を経て、ライターとして独立。これまでの実務経験を元に経理業務をテーマとしたコンテンツ制作を中心に執筆。