BOTech(ビーオーテック)とは?企業を裏側で支える管理部門の業務効率化を考える
働き方改革関連法が施行されてから、企業の働き方改革は大きく進みました。企業の裏側を支える管理部門の方にとっては、対応と仕組みづくりに苦労した方も少なくないのではないでしょうか。しかしその反面、管理部門については、業務の改善が後回しになり、働き方改革が進まないという声も多い現状があります。今回はバックオフィスの業務改善として近年話題を集めているBOTech(ビーオーテック)について、概要と具体的なサービスについてご紹介します。
BOTech(BOテック/ビーオーテック)とは
「BOTech」とはBack OfficeとTechnologieを掛け合わせた造語です。クラウドやAIに代表される先進テクノロジーを積極活用することにより、経理・財務・人事・労務・総務といった企業を裏側で支える管理部門の業務を効率化するソリューションやサービスを指します。
採用や人材育成といった人事領域の「HRTech」や金融業界の「FinTech」に代表される通り、X-Tech(クロステック)といわれる「産業」×「テクノロジー」を掛け合わせたワードが注目されています。BOTechは、現在アナログな業務により手間や時間がかかっており、非効率的だと思われるバックオフィス業務を根本から解決し、管理部門にとって圧倒的な業務改善効果を実現できるソリューションとして、期待が高まっています。
BOTechを推進するメリットとは
BO Techを推進することで得られるメリットは大きく3つです。
- 手間を減らして業務効率を上げる
- コストを削減する
- 手作業を減らしてミスを削減する
営業など、顧客と直接コミュニケーションをとる機会が多い部署や、売上に直結する部署と比較し、バックオフィスでの業務は企業・部署ごとに規定やマニュアルが決まっており、その中から逸脱しない範囲でのルーティーン作業が多くなりがちです。しかしその反面、バックオフィスの業務は会社の運営には欠かせない、重要かつミスが許されない業務が多く存在します。特に経理や生産管理部門などは膨大な量の業務を扱う上、手作業でのミスは絶対に許されないため、効率性と共に正確性が重要になってきます。BOTechを積極的に導入することで、これらの課題を解決し、働き方改革へつなげることができます。
BOTechを推進する際の注意点
BOTechを推進する際には、法的ルールの確認も必要です。業務フローを変更する際、保管が義務づけられている書類や、国へ提出が必要な書類については、必ず法令を確認しておきましょう。経理業務においては特に国税関係帳簿の電子保存について注意が必要です。
経理プラス:電子帳簿保存法特集ページ
経理部門のBOTechに役立つ代表的なサービス
経理をはじめとする企業管理部門の業務は、事務作業を中心とした反復的なルーティンワークが多い反面、ミスが許されないため確認に多くの時間を費やすことになります。しかし、これらはシステムの導入により簡単に解決できるケースもあります。
データ集計ツール
企業が持つさまざまなデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるシステムとしてBIツールがあります。経理では膨大かつ各部署・各地域に蓄積された経営に関するデータの分析が必要になります。このツールを利用すれば、他部署が管理しているデータをすぐに収集・分析することができるため、経営陣への報告までの時間を短縮することが可能になります。
詳しくは下記記事をご確認ください。
経理プラス:BIツールとは 経理に求められる経営指標の迅速な可視化
販売管理システム
販売に関わるプロセス全体を管理することができるツールが販売管理システムです。データの保管・共有はもちろん、請求情報を管理したり、売上の傾向や、仕入のデータも全て蓄積し、自動的に数値を算出できるようになります。サブスクモデルの複雑な請求についても自動でミスなく計算できるようになるため、経理の業務が格段に楽に、ミスなく行えるようになります。
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電子請求書発行システム
請求書をはじめとする、企業ごとの帳票を電子で簡単にお届けできるようにするツールです。通常、請求書発行の際には、請求データを作成した後に請求書の作成、印刷、押印、封入、郵送手配という工程があります。この作業をシステム化すると、この工程を自動化することができ、経理担当者の負担を大幅に軽減することができます。また、郵送費の削減やペーパーレス化も可能になるため、手間以外の面でも大きな効果があります。受取側にとっても紛失や到着遅延の可能性が下がり、テレワーク中でも受け取れるため、決算の早期化につながります。
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経費精算システム
経費精算業務は経理担当者にとって負担が大きい業務です。経費精算システムでは、交通費、出張旅費、交際費精算など経費に関わるすべての処理をまとめてシステム化することができます。手入力の工数を大幅に削減したり、ミスを減らす機能がある他、小口現金や紙の管理を減らすことができます。インボイス制度・電子帳簿保存法への対応も進んでおり、制度の導入により煩雑化する経理事務や仕訳処理を簡単にすることができるようになります。
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まとめ
バックオフィスの業務改善をする上でBOTechを取り入れることで高い業務改善効果を期待できます。これまで高度な知識や専門性が必要とされてきた分野において、あらかじめシステムがその働きを補完できるようになっていくことにより、限られた人員でも、高いクオリティの事務オペレーションを確保できるような仕組み作りが可能になります。一人ひとりの社員が最大限のポテンシャルを発揮するためにも、高い生産性をもって働ける環境作りが大切になるでしょう。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より