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【無料テンプレート】収支表の基礎知識|収支報告書や収支計画書の作成方法は?

「収支表」とは、一定期間の収入と支出をまとめた表の総称を指し「収支報告書」や「収支計画書」などいくつかの種類に分類されます。収支表はすべて企業で作成しているわけではないので、経理業務を担っている人であっても目にしたことがないケースも少なくないのではないでしょうか。一方、特定の法人の運営はもちろん、町内会やPTA、各種組合など日常生活で収支表に触れる機会は意外と多いです。

この記事では、収支表を作るメリットなどの基礎知識と作り方、無料で利用できるテンプレートを紹介します。

収支表の無料テンプレート

収支表の無料テンプレートは以下のリンクからダウンロードできます。

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収支表の主な種類

収支表は特定の期間の収入と支出をまとめた表であり、作成目的によっていくつかの種類に分かれます。そのうち、企業が作成するケースが多いのが「収支報告書」と「収支計画書」になります。まずはそれぞれの基礎知識と、しばしば混同される損益計算書との違いについて説明します。

なお、また、損益計算書の詳細とテンプレートをお求めの方は、以下の記事をご参照ください。

経理プラス:損益計算書の書き方は?作り方と手順、注意点【テンプレート付き】

収支報告書

収支報告書(収支計算書、会計報告書)は、一定期間内の収入と支出をまとめた資料のことです。組織運営に関わる収支報告書については、基本的に1年単位で年度末に作成するケースが多いですが、飲み会やイベント単位で作成することもあります。

収支報告書は企業の部活動や政治団体、サークル活動などの収支をまとめて「会費の使い方」として客観的に明示するほか、組織の財政状態を把握することを目的に作成します。そのため、収支報告書は企業が財政状態を報告する「決算報告書」と同じとされることがあります。

ただ、基本的に現金の出入りだけを単式簿記で記録することが多い収支報告書に比べて、決算報告書はより内容が詳細で複式簿記で記帳するため、現場では両者は区別されるのが一般的です。

収支報告書の詳細については以下の記事をご参照ください。

経理プラス:【会計士監修】収支報告書とは?作成する目的や記載項目など基本的な理解を解説

収支計画書

現金収支(キャッシュ)に着目して事業活動で得られる収入と支出をあらかじめ算出し、それぞれを差し引いた金額であるキャッシュフローの目標数値を立てることを「収支計画」といい、そのために作成するのが「収支計画書」です。

個人・法人を問わず、一般事業者であれば資金繰りの観点から「キャッシュの確保」は非常に重要になります。ただ、基本的に損益計算書や事業計画書では現金収支の動向を把握することは難しく、収支計画書を別途作成してまとめるケースが多いです。

収支計画書を作成することで年度単位の長期的なキャッシュフロー計画を立てやすくなるので、長期的な将来の資金計画の作成に役立てられます。また、収支計画書は金融機関から融資を受ける際に作成して提出することもあります。

収支内訳書

収支内訳書は、白色申告を選択した人が確定申告書とともに提出しなければならない書類です。1月1日から12月31日までの売上などの収入と経費などの支出を勘定科目ごとにまとめて提出します。収支内訳書の様式は、農業や不動産など所得の種類によって異なります。

収支管理表

収入と支出を把握して管理する「収支管理」に用いられる書類です。売上管理・予算管理・原価管理の3つから構成されており、収支管理表にはそれぞれに関連するデータや数値などをまとめていきます。それぞれを記録して適切なバランスを保つことで財政安定化や効率的な資金運用の実現につなげることを目標としています。

収支報告書の作り方

収支報告書には法的な開示・提出の義務はなく、決まった様式・書式もありません。そのため、自由に記載事項を決めることが可能です。以下では収支報告書に記載すべき項目とテンプレートを紹介するのでご活用ください。

収支報告書のテンプレート

収支報告書は、現金の受け取り・支払いが行われた時点で会計処理する「現金主義」であり、1つの取引に対して1つの記録を行う「単式簿記」であることを覚えておきましょう。テンプレートは以下の通りです。

経理プラス:【無料DL】収支報告書のテンプレート

収支報告書の記載項目

該当期間

収支報告書の対象期間を記載します。通常は年度ごとの1年間ですが、前述の通り「飲み会ごと」や「催し物ごと」といった例外も存在します。いずれの場合も「自」に期間の開始日を記載し、「至」には終了日を記入します。

収入の部

収入の部には、収入の内容である「項目(会費・雑収入・臨時収入など)」とその「金額」を記載します。また、領収書の有無やメモ用として「備考欄」も利用できます。

支出の部

支出の部には、交通費や通信費などの管理費や活動費などの支出を「項目」に記載し、その支出額を記載します。収入の部と同じく、備考欄には特記事項を記入します。

収入金額合計、支出金額合計

期間内の収入と支出をそれぞれ合計し、総額を算出します。

差引収支

収入金額の合計から支出金額の合計を差し引いた金額を算出します。

収支報告書を作成する際のポイント

収支報告書を作成する際は、項目の記載は「必要最小限」にして誰でも内容を把握できるようにシンプルな内容にすることを心がけましょう。詳細な情報は備考欄を活用し、伝達事項があれば欄外に記載することをおすすめします。

また、差引収支と手元にある現金の金額は一致するはずなので、同じになっているか必ず確認してください。作成した収支報告書の保存期間は作成目的によって異なります。企業が作成した場合は7年間保存しなければなりません。また、規模が大きくなるほど監査を意識して作成する必要があるでしょう。

収支報告書の詳細な記載方法については以下の記事をご参照ください。

経理プラス:【会計士監修】収支報告書とは?作成する目的や記載項目など基本的な理解を解説

収支計画書の作り方

収支計画書も収支報告書と同じく、法的な開示義務などはないので自由にテンプレートを活用することができます。一方、金融機関に提出するなど第三者に収支計画書を見せる機会もあるので、必要項目をわかりやすく網羅した構成・内容を意識して作成しましょう。

収支計画書の記載項目

該当期間

収支計画書の該当期間を月別で項目を作成します。基本的に1年で区切るケースが多いです。

売上高

月ごとの売上高を記載します。

売上原価(仕入高)

月ごとの仕入高を記載します。

経費

経費を月ごとに記載します。代表的な経費ごとに項目を設けることが一般的です。具体的には、人件費、家賃、支払利息などが挙げられ、それ以外の経費はまとめて「その他」に記載します。また、月間の支払利息は「借入金×年利率÷12カ月」で算出します。

収支

売上高-売上原価-経費で月ごとの収支を算出します。

借入金返済額

金融機関からの借入金返済額の元本を記載します。元金の返済がない場合は「0」とします。

収支計画書を作る流れ

収支計画を作成する前に利益計画をまず作成し、それをもとに収支計画を立てて、収支がマイナスとならないか確認しましょう。その結果、マイナスとなる場合にいくら借り入れが必要か検討していくのが通常の流れとなります。

Step1.利益計画を作成する(①原価率・粗利率を見積もる)

自社事業の売上に対する売上原価の割合「原価率」と売上高に対する売上総利益の割合「粗利率」を見積もりましょう。まだ事業をスタートしていない場合は、業界の統計資料などを参考に平均的かつ具体的な数値を算出してください。

Step2.利益計画を作成する(②損益分岐点を算出する)

損益がちょうどゼロになる売上高を「損益分岐点」といいます。つまり、損益分岐点を売上高が上回れば黒字、下回れば赤字になるわけです。損益分岐点は「固定費÷{(売上高−変動費)÷売上高}」で算出することができます。事業を継続していくための最低限の目標といるため、損益分岐点に関わる項目の数値を含めて明確にしておく必要があります。

Step3.固定費を算出する

経費のうち、売上の増減に関わらず発生する「固定費」の金額を明らかにして算出しましょう。経費の内訳として記載されることが多い人件費やオフィス・店舗の家賃のほか、水道光熱費、広告宣伝費、役員報酬など事業における固定費はたくさんあります。固定費の削減は簡単ではないので収支計画書の上では「その他」の項目にまとめるとしても、網羅的に把握しておいて損はありません。

Step4.借入金の返済計画を立てる

借入金の返済計画を立てましょう。まずは「どれだけ借りられるか」から検討する必要があり、その指標として「経常運転資金額」や「借入金月商倍率」「税引き後当期利益+減価償却費」を算出して参考にすることもあります。ただ、実際は借入金額を自己資金の2倍程度の金額に大まかに設定し、毎月の元金と利息の返済額を計算するケースが多いです。日本政策金融公庫では「事業資金用 返済シミュレーション」が公開されており、返済金額の試算が誰でもできるようになっています。

収支計画書を作成する際のポイント

収支計画書を作成する上で、記載した売上高を達成・確保するための現実的な根拠を示すことが必要です。また、閑散期や繁忙期がある業態であれば季節ごとの変動なども加味して数値に落とし込むことで、現実的な収支計画書を作成することができます。テンプレートをそのまま活用するだけでなく、自社の事業に適した経費項目を設定するなど最適化することも検討してください。

まとめ

代表的な収支表である「収支報告書」と「収支計画書」について解説しました。いずれも必ず作成しなければならない書類でありませんが、それぞれの目的や役割をしっかりと理解して作れるようになれば経理のスキルアップにもつなげられるでしょう。

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収支表に関するQ&A

収支表に関するQ&Aを4つ回答します。

Q1.収支表にはどのような種類の書類がある?

収支表には、収支報告書・収支計算書・収支内訳書・収支管理表などがあります。

Q2.収支報告書と決算報告書の違いは?

収支報告書はサークルや団体などへの限定的な関係者に対する収支報告を目的としている一方、決算報告書は複数のステークホルダーへの経営状況の報告のために作られます。また、取引認識(現金主義と発生主義)、関連法規の有無(収支報告書:無、決算報告書:有)などにも違いがあります。

Q3.収支計画書を作成するメリット・デメリットは?

収支計画書を作成することで、現金の流れを把握することができます。資金繰りが厳しいタイミングなども事前に把握して対策できるので、事業継続に役立てられるのがメリットです。デメリットはほとんどありませんが、収支計画書を作成するための時間や労力、コストが発生するのが注意点です。

Q4.収支報告書や収支計画書のテンプレートはどこで入手できる?

会計ソフトのメーカーや日本政策金融公庫などがテンプレートを公開しています。また、経理プラスでも各種テンプレートを揃えているのでぜひご活用ください。

その他のテンプレート

監修 税理士 宮川 真一

税理士 宮川 真一さま

税理士法人みらいサクセスパートナーズ 代表 岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上。 現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っている。 また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事。 【保有資格】 税理士、CFP®

税理士法人みらいサクセスパートナーズ