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支払手形記入帳の無料エクセルテンプレート|役割と記載項目・記入例
支払手形記入帳とは支払手形の増減を記入する補助簿のことです。支払手形記入帳を使用せずに管理することによって、さまざまな問題が生じるおそれがあります。また、支払手形の管理方法が未整備の状態であれば、業務効率の低下を招きます。
したがって、このような業務の課題を改善するためには、支払手形記入帳のテンプレートを使用するのがおすすめです。この記事では、支払手形の増減を管理しやすくなる支払手形記入帳の役割や仕訳例、テンプレートを使った記入例をご紹介します。ぜひ、無料テンプレートを取得し、日々の手形決済で活用してください。
支払手形記入帳の無料エクセルテンプレート
支払手形記入帳はエクセル形式のテンプレートです。個人・法人を問わず利用でき、無料でダウンロード可能です。支払手形記入帳は、不渡手形を出さないためにも利用すべき帳簿だといえます。普段の取引で手形を多数扱っている場合には、積極的にダウンロードして活用しましょう。
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支払手形記入帳の基本的な役割
支払手形記入帳を利用する前に、支払手形記入帳の基本的な役割を理解することが非常に重要です。そもそも支払手形とは何か、それに付随した支払手形記入帳の役割についても解説します。
支払手形記入帳とは?
支払手形記入帳とは、企業が支払うべき手形に関する情報を管理するために用いる帳簿のことです。主に、下記のような情報を記入します。
- 支払予定日
- 金額
- 手形番号
さらに、支払手形記入帳は補助簿のひとつであり、「補助記入帳」に該当するものです。補助記入帳の例としては、下記のような帳簿が挙げられます。
- 現金出納帳
- 仕入帳
- 売上帳
- 受取手形記入帳
それぞれの帳簿についても理解を深めて使い分けることによって、より管理がしやすくなるでしょう。
補助簿とは主要簿を補助するために作成する帳簿のことです。したがって、主要簿と異なり作成が義務付けられているものではありません。そのため、「支払手形記入帳」を始めとした補助簿は作成していない企業もあるのではないでしょうか。
しかし、補助簿を作成することによって、管理がしやすくなり業務効率化やリスクの回避などにもつながるメリットがあります。テンプレートを活用して作成できる補助簿も多いため、今主要簿でしか管理していないという企業は、補助簿をつけることで管理に役立てることをおすすめします。
そもそも支払手形とは?
そもそも、「支払手形」とはどのようなものなのでしょうか。支払手形は取引先に対して一定期間後に買掛金を支払うことを約束した証書です。主に、個人ではなく企業間の取引で用いられます。通常は支払期日に銀行で現金化しますが、支払期日が来るまで譲渡や換金が可能な場合もあります。また、商品などの代金を支払う側から見た場合の呼び方は「支払手形」ですが、商品を売って手形を受け取る側から見た場合の呼び方は「受取手形」となることを覚えておきましょう。このような場合、手形そのものは変わらないですが、手形に関わる人の立場によって呼び方が変わります。
支払手形記入帳の主な役割
支払手形記入帳の主な役割は、取引を記録することで不渡手形を防止することです。したがって、支払手形記入帳で記録することによって、手形の発行や支払期日を管理します。これには、期日を逃さないようにする目的があります。また、支払手形の残高を正確に把握することで、キャッシュフローの計画に役立つ効果も得られます。
また、不渡手形とは、何らかの理由によって支払期日を迎えたにもかかわらず、金融機関で現金化できるはずの手形の代金が支払われない手形です。不渡手形は金融機関が手形の支払いを拒否することによって発生します。主に、不備や資金不足、盗難などによって不渡手形となるケースがあります。不渡手形を2回出すと銀行取引停止となるため、事実上、事業が継続できなくなってしまいます。
なお、関連するその他の書類のテンプレートについては、以下からダウンロードできます。
経理プラス:ビジネス書式テンプレート 受取手形記入帳
経理プラス:ビジネス書式テンプレート 商品有高帳
経理プラス:ビジネス書式テンプレート 買掛金元帳
支払手形記入帳の主な記載項目
それでは、支払手形記入帳には主にどのような記載項目があるのでしょうか。日付や手形種類、手形番号について解説します。
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日付
日付は取引が行われた日付を記載します。手形の種類ごとに異なり、約束手形の場合は振り出した月日を記入し、一方為替手形では引受日を記入してください。
手形種類
発行した手形の種類には、約束手形や為替手形などがあります。約束手形は二者間での取引に用いられ、振出人が支払義務を負います。それに対し、為替手形は引受人である第三者の支払人に支払義務があるのが特徴です。基本的に為替手形はほとんど使われていないため、企業間の取引では約束手形を使用することが多いでしょう。
手形番号
手形番号とは、振出人が管理のために記載する番号のことです。手形番号を記録するメリットとしては、後から取引を追跡できることが挙げられます。
摘要
「摘要」には勘定科目を記入します。支払手形記入帳では支払いの取引であるため、記載する勘定科目は売掛金など売ったときのものではなく、「買掛金」や「仕入」など買ったときの勘定科目が入ることを押さえておきましょう。
受取人
「受取人」には受け取った人を記入します。企業との取引であれば、入るのは社名です。「株式会社〇〇」のように記入しましょう。
振出人または裏書人
「振出人または裏書人」は、手形を振り出した人を記入します。「当社」と記入することも多いでしょう。裏書とは手形を譲渡する際に裏面に署名することです。そのため、裏書人は署名をした人の名前を書きます。
振出日・満期日
「振出日」には手形を提出した日を記入します。また、「満期日」には手形の満期日を記入してください。
支払場所
「支払場所」には支払いをする金融機関の名前を入力します。銀行名と支店名を記入するのが一般的です。
金額
「金額」には手形の発行金額を記入します。
てん末
「てん末」には、手形が最終的にどうなったのかという状態を記入します。通常であれば、いつ支払ったのかが記入されることになるでしょう。また、支払えなかった場合にはその旨を記入してください。
支払手形記入帳の記入例
支払手形記入帳の1月9日に商品を購入し、手形で支払いを行ったときの記入例をご紹介します。なお、満期日は3月31日とします。
- 取引日:1月9日
- 取引内容:A社から1,000円の商品を仕入れ、その代金を支払うために約束手形を振り出した
- 満期日:3月31日
この取引での1月9日の仕訳は下記の通りです。
【1月9日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
仕入 | 1,000円 | 支払手形 | 1,000円 |
また、満期日の3月31日には下記のように仕訳をします。
【3月31日の仕訳】
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | |
---|---|---|---|---|
支払手形 | 1,000円 | 当座預金 | 1,000円 |
支払手形記入帳では、さらに下記の情報も必要です。
- 手形番号:101
- 支払場所:〇〇銀行
支払手形記入帳にこの取引を記入すると下記の通りになります。
【支払手形記入帳の記帳】
令和 6年 | 手形種類 | 手形番号 | 摘要 | 受取人 | 振出人または裏書人 | 振出日 | 満期日 | 支払場所 | 金額 | てん末 | |||||
月 | 日 | 摘要 | |||||||||||||
1 | 9 | 約束 | 101 | 仕入 | A社 | 当社 | 1 | 9 | 3 | 31 | 〇〇銀行 | 1,000 | 3 | 31 | 当座決済 |
支払手形記入帳の記入方法がわからない方は、この取引を参考に記入してみてください。
支払手形記入帳の記帳ミスを防ぐ方法
支払手形記入帳は手形取引での課題を改善するためにあると良い補助簿です。しかし、ミスが発生すると決算の際に数字が合わなくなったり、正しい情報がわからなくなったりするので注意しましょう。
支払手形記入帳で必要な取引先名や金額、支払期日などの情報は、必ず確認してから転記するようにし、ダブルチェックも行いましょう。ダブルチェックとは、入力した人以外の別の担当者による確認のことです。これを行うことにより、人的ミスが発生するのを抑制できます。
また、支払記入帳のデジタル化を検討するのも人的ミスが発生するのを抑制する方法として有効です。支払手形記入帳の管理は手書きではなく、表計算ソフトや会計ソフトを活用すれば記帳時の人的ミスを減らせるでしょう。さらに、会計ソフトを導入することで、経理業務全般の効率化が可能となります。帳簿の種類によっては自動で作成してくれる会計ソフトもあるため、ミスの抑制や業務効率化のために会計ソフトを活用するのも良いでしょう。
まとめ
支払手形記入帳は記入を義務付けられていない補助簿ですが、それぞれの情報をわかりやすく入力しておくことで取引ごとの詳細をすぐに振り返ることができます。
支払手形記入帳はエクセルのテンプレートからダウンロードできるため、この記事で紹介した書き方を押さえて活用してみてください。ただし、支払手形記入帳への転記でミスが発生するケースもあるため、人的ミスを減らすようにダブルチェックなどの工夫が必要です。
場合によってはデジタル化も検討し、より正確で効率の良い経理処理を行うようにしてください。
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支払手形記入帳に関するQ&A
支払手形記入帳に関するQ&Aをまとめました。導入にあたって不明点がある方は、ぜひ参考にしてください。
Q1.支払手形記入帳が必要になる理由は?
支払手形記入帳が必要になる理由は、手形の発行状況や支払期日、支払先などを管理するためです。会計処理や税務署類の際に必要な証拠書類として提出する際にも活用されます。
Q2.支払手形記入帳と受取手形記入帳の違いは?
支払手形は商品を購入した際の「支払手形」を記録する帳簿です。それに対し、受取手形記入帳は商品を販売した際に相手から受け取る「受取手形」について入力する帳簿です。
Q3.支払手形記入帳の作成は義務?
支払手形記入帳は補助簿であるため、作成は義務付けられていません。しかし、支払手形記入帳を作成しておけば取引がわかりやすくなるだけでなく、税務調査で書類を提出する際にも役立ちます。
Q4.支払手形記入帳の保管期間は?
支払手形記入帳の保管期限は7年間です。作成は義務ではありませんが、作成した場合は7年間保管することを覚えておきましょう。
Q5.支払手形の満期日に支払われなかった場合、どうすれば良い?
支払手形の満期日に支払われなかった場合はその手形は「不渡手形」となり、2回出すと銀行取引停止となるため、事実上、事業が継続できなくなってしまいます。支払期日を改めた支払期日を再度振り出して支払いを行うことも可能です。
Q6.手形で支払う・受け取る場合の勘定科目は?
支払手形で支払う場合の勘定科目は「支払手形」です。これに対し、受け取る場合は「受取手形」の勘定科目を使用します。
Q7.紙の支払手形はいつ廃止される?
紙の支払手形・小切手はともに2026年末までに廃止予定です。