固定資産管理システムで業務効率化 システム選定時のポイントとは

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

固定資産は企業経営上、購入時に大きな金額が動きます。そして購入後は長期間に渡って減価償却を通じた費用計上、毎年の減価償却資産税の申告納付や固定資産税の納付があります。

このようなことから固定資産は経理業務を行う上で決算数値や税務処理に大きな影響を及ぼす可能性があり、さらに毎年行われる税制改正やIFRSにも対応を求められることもあります。ここでは、固定資産をシステムで管理するとどのような業務効率化につながるのか見ていきます。

固定資産管理システムとは

固定資産管理システムは会社が所有する固定資産(土地・建物・機械など)の基本情報(購入日・購入先・設置場所など)を管理するシステムです。またそれだけでなく、会計を行う上で必要な減価償却に関する情報、固定資産税等の税に関する情報、修繕に関する情報など所有する固定資産に関する情報などを一元管理します。

固定資産管理システムを活用するメリット

固定資産管理システムを活用するメリットとして、主に以下の3点が挙げられます。

1.現物管理の一元化

個別企業及びグループ会社全体の資産を管理することが可能となり、購入時期やメンテナンス状況を一元管理できます。そのため、現状の数値を漏れなく把握できるため、固定資産買い替えや新規投資などの意思決定を迅速化できます。

2.会計業務の効率化

固定資産管理システムと会計ソフトを連動させることにより、固定資産の管理工数の削減が期待できるだけでなく、毎月の減価償却を計上する会計伝票も自動で仕訳を行うことが可能となります。

3.法改正やIFRSへの対応の手間を軽減

エクセル等で管理している場合、毎年頻繁に変更がある税制改正やIFRSに対して、最新情報をキャッチアップし、常に管理データを更新し続けなければなりません。しかし、固定資産管理システムを導入すれば最新情報を基にシステム管理や変更をソフトウエアベンダーが行ってくれるため変化が多い税制改正やIFRSに即時対応ができます。

固定資産管理システムの種類について

ここでは固定資産管理システムの種類について解説します。

固定資産管理に特化したシステム

固定資産のみに特化した単独のシステムで、減価償却額計算や償却資産税申告などの申請書類作成、税制改正にも対応できるシステムです。導入する際にはすでに導入されている他システムとの相性や連携の確認が必要です。

固定資産管理を深堀したシステムで日常の管理から会計処理や償却資産税等の申告まで幅広く機能が網羅されています。

固定資産管理機能を持つ会計システム

会計ソフトの中に固定資産管理機能が入っているもので、減価償却計算や自動仕訳など会計業務との連携が機能の中心となります。

会計システムとの連携が機能の中心となっているため、日常の管理や他の経営管理システムとの連携には弱い点があります。

ERPの一部としての固定資産管理システム

総合基幹業務システム(ERP)という会社全体の様々なシステムやデータを一元管理するシステムの一部として機能するシステムで他のシステムとの連携が行いやすい特徴があります。他の経営管理システムとの連携がスムーズに行え、会社全体の業務改善が期待できます。

ERPについてはこちらの記事で解説していますので併せて参照ください。

経理プラス:ERPを導入するメリットは?基幹システムとの違いを理解しよう

システム導入を検討する際の選定ポイント

すでに会計システム等を導入している場合

すでに何らかの会計システム等を導入しており、このシステムとの連携を希望する場合はそのシステム等と固定資産管理システムとの相性や希望する連携ができるかどうかがシステム選びの第一条件となります。

利用形態としては単体のシステム(他システムと連携する)、会計ソフトの一部としてのシステム(すでに導入済の会計システムの利用範囲を固定資産まで拡張する)、ERPの一部のシステム(すでにERPシステムを導入しており、固定資産管理システムを追加で導入する)が考えられます。

この他、導入時の打ち合わせの初期段階から現状使用しているシステム名、バージョンなどの基本情報を伝えておくことはもちろんのこと、システムの連携テストは必ず行いましょう。

会社全体で様々なシステムを同時に新規導入する場合

自社において新たに固定資産管理システムをはじめ他の周辺システムを導入する場合には、システム導入の目的である「各種業務の時間やコストが削減され、業務効率化が行えるのか?」「日常のメンテナンスコストは低いのか?」など、システム導入目的が達成できるのかが大きなポイントとなります。

利用形態としては、会計ソフトの一部としてのシステム(固定資産システムを含んだ会計システム導入)、ERPの一部のシステム(全社でERPシステムを導入するにあたり固定資産管理システムを含めて導入)が考えられます。

また、固定資産を保有している件数や所在する市町村の数に応じて固定資産管理システムの機能や規模を検討する必要があります。具体的には下記の3点を確認しましょう。

  1. 固定資産の概要登録と減価償却費の計算及び仕訳が会計システムに連動される機能まで対応している
  2. 上記1に加え、償却資産税等の申告書作成まで対応している
  3. 上記1、2に加え固定資産のメンテナンス情報などの管理情報まで対応している

<中小企業における固定資産管理システム導入>

特に中小企業において固定資産管理システム導入を検討する際は以下3点についてメリットが大きく、注目すべき選定ポイントとなります。

  1. 検討から導入までの期間が短いこと
  2. 導入コストが安く自社管理コストが安く済むこと
  3. 毎年の税制改正等に対応できるクラウド型の固定資産管理システムを選定すること

中小企業はシステム検討時、長期間に渡って検討する時間や人員、資金などの経営資源が大企業に比べ少ないため、早期に導入でき、導入後も手間をかけずに運用できるシステムが望ましいです。

まとめ

多くの固定資産を所有し、管理運用することは購入時には多額の資金が必要で、使用時には償却資産税や固定資産税など毎年の申告納付、減価償却費計上、修繕費などの手続きや費用が計上されるため長期間に渡って経理の現場や経営全体においては決算数値や資金繰りに大きなインパクトを及ぼします。

製造業や運輸業など固定資産を多く保有・使用する業種は固定資産が増えてくるとエクセルのような簡易なシステムによる管理ではあらゆる業務に支障が出て業務効率が下がります。業務効率を上げ、管理コストを下げるには固定資産管理システム導入をぜひ検討してみてください。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著 者 ファイナンシャルプランナー 大間 武

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飲食業をはじめ多業種の財務経理、株式公開予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。

株式会社 くらしと家計のサポートセンター