AIの発達によって経理はどう変わるか
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
AIとは何か
AIとはArtificial Intelligenceの略で人工知能と訳されます。
AIを支える手法のひとつにDeep Learningというものがあります。
このDeep Learningにより著しい進化を遂げたAIは、経理にも大幅な影響を与えることになりました。
今回は、今後AIの発展は経理にどのような影響を与えるのか、考えてみたいと思います。
経理業務の変化
経理というとどのようなイメージがあるでしょうか。
文房具屋に行くと、現在ではあまり使用されないですが、簿記3級の学習項目でおなじみの仕訳帳が販売されています。
伝票といえば、電車代やバス代などのように、領収書がでないときに備忘記録も兼ねていまでも出金伝票に記載することはありますが、簿記3級のテキストで学習するような3伝票制度や5伝票制度をそのまま採用している会社は減ってきていると思います。
パソコンが普及したことでエクセルを経理で使用する会社や、市販の会計ソフトを利用する会社が増え、手書きの出納帳も減りましたが、このように経理というと膨大な紙資料のイメージがあると思います。
実は会計ソフトが台頭してきたときも経理はなくなるのでは、という話がでていました。
確かにIT技術の発達により単純作業はどんどん機械化、自動化されていきました。
もちろん会計ソフト等を使用することが主流となったことで、なくなった経理業務もありますが、経理業務全体としてはデジタル化されていない部分が多く、まだまだIT化は遅れていました。
ところが近年のDeep Learningの進化に伴うAIの発展により、経理業務にも顕著にその影響が出はじめています。
今後AIが担うであろう会計業務とは?
パターン化された業務
実は経理にはパターン化された業務が多いです。
今後、業務フローにAIを組み込むことで、自動的、機械的に処理していた、記帳業務、売掛金や買掛金の消込業務、仕訳作業、経費精算などが飛躍的にシステム化していく可能性があります。
たとえば、クラウド会計というとfreeeやMoney Forwardなどが日本で主流ですが、銀行通帳やカード会社の明細などをCSV方式で読み取り、連動することで会計ソフト側が自動的に仕訳を起こしてくれます。
最初は訂正する項目も多いのですが、仕訳学習機能がついているので、定期的に何度もでてくるようなものは、覚えてくれるので次回から訂正する必要がなくなります。
取り込んだ仕訳はそのまま総勘定元帳や残高試算表に連動されているため、いままで入力に費やしていた時間が大幅に省略され、毎月の経理処理をより迅速に行うことができます。
このようにパターン化される業務はAIによりシステム化される可能性が高いです。
累積された膨大なデータをチェックする業務
先ほどの会計監査にAIを活用し、企業会計の異常値を検出するシステムのように、膨大なデータを解析し、機械的に類似項目を抽出していくようなデータ処理作業はまさしくAIの得意分野になります。
このように手間や時間のかかるチェック作業はAIが担っていく可能性が高いです。
AIを経理に活用した場合のメリット及びデメリット
メリット
AIにより定形的な業務が自動化され、作業の効率化が図れます。その結果、その業務に割かれていた時間を減らすことができます。
また膨大な量の単純作業であっても人為的なミスがなくなります。
デメリット
導入の初期設定は人為的に行う必要があるため、導入に手間がかかります。
今まで使用していなかったやり方になるため、操作に慣れるまではかえって手間がかかる可能性もあります。またDeep Learning機能があるといっても、ある程度学習するまでは人為的に修正する必要もあります。
さらにシステムを導入するための初期費用コストが高額であったり、月額使用料のランニングコストがかかってきたりします。
まとめ
AIの発展に伴い、今後ますますパターン化できる経理・財務業務はAIに置き換えられていくことでしょう。場合によっては仕訳等の会計知識がまったくなくても、大部分の会計データを作成することができるようになってしまいます。
そうなると従来経理に求められていた財務会計や税務の分野よりも、より付加価値の高い、管理会計の分野、つまり経営者の意思決定に役立つようなマネジメント業務が求められてくると思います。
反復継続的に発生する処理をいち早くデジタル化し、付加価値の高い業務に進むことができるように効率的な経理業務体制を整えましょう。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より