経費精算は法人カードで効率化 会計処理と運用のポイント
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
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経費の支払いを法人カード・コーポレートカードで行うと、仮払いや立替が少なくなるため、経費精算の効率化を促進することができます。また、法人カード・コーポレートカードならではの特典が付くケースもあり、その利用は増え続けている状況です。
そこで今回は、法人カード・コーポレートカードを経費精算に利用するメリットと会計処理の方法、導入にあたり注意すべきポイントをご紹介します。
法人カード・コーポレートカードで支払いをするケース
法人カード・コーポレートカードを所有するのは、今や常識と言っても過言ではないでしょう。1枚だけに限らず、多ければ1人に2枚も3枚も付与している企業もあるかもしれません。
法人カード・コーポレートカードで支払いをするものとして多いのは、次のような費用です。
- ガソリンなどの燃料費
- 携帯電話の通信費
- インターネットでの物品購入
- 取引先との接待費(飲食店)
- 出張先の宿泊費 など
法人カード・コーポレートカードであれば、仮払いを現金で出したり、立替金の精算の必要がなくなるため、経理担当者も実際に経費を使う人も、簡潔に処理することができるのです。
法人カード・コーポレートカード支払い後の会計処理
現金の出し入れが発生しないため、とても便利に使える法人カード・コーポレートカードですが、利用したあとの会計処理はどのようになるのでしょうか。会計処理は原則的に発生主義となりますので、クレジットカードの引き落としのときに経費を計上するのではなく、利用した日に経費処理をします。
たとえば、7月20日に会社用の雑貨(10,000円)をクレジットカードで購入したとします。発生主義ですので、仕訳は次のようになります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 | |
---|---|---|---|---|---|
雑貨 | 10,000 | 未払金 | 10,000 | 雑貨、○○カード支払い |
次に、翌月の8月10日に、会社の普通口座からクレジットカード利用分の引き落としがありました。その場合の仕訳は次のようになります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 | |
---|---|---|---|---|---|
未払金 | 10,000 | 普通預金 | 10,000 | ○○カード引き落とし |
このように、先に未払金勘定で経費を計上しておき、普通預金から引き落としになったときに、未払金を相殺することになります。クレジットカードの明細書は、経費計上の大事な資料となりますので、まとめて保管しておくこともポイントです。
法人カード・コーポレートカードで経費精算をする3つのメリット
メリット1:立替金精算・仮払いの手間がなくなる
法人カード・コーポレートカードを使うことで、社員は現金を立て替えることなく支払いができるため、立替金精算は必要なくなります。また、経費が発生する前に現金を渡す仮払いは、経費支払いをした後に仮払い精算もしなければならないため、意外と面倒な処理が伴います。しかし、カード決済で支払いをすることでこうした作業からも解放されます。
メリット2:小口現金を無くすことができる
立替精算・仮払いが不要になることで、小口現金はほとんど必要なくなります。日々の文房具の購入や着払い便の支払い等、現金が必要になる支払いについても支払方法をカード決済や口座引き落としなどを活用することで現金を扱うことは無くなります。そのため、今まで経理担当者の負担となっていた小口現金の実際の金額と帳簿上の残高との突合せ作業から解放されます。
メリット3:不正な経費精算を防止できる
経費精算を行う際には法人カード・コーポレートカードの利用明細を元に精算します。そのため、水増しされた経費申請を防げるだけでなく、手作業によって発生する金額の転記ミスなども防止できます。
法人カード・コーポレートカード支払いで注意すべきポイント
法人カード・コーポレートカードの支払いで注意すべきポイントには、どのようなものがあるでしょうか。
個人的な利用との区別
法人専用のクレジットカードであるとはいえ、個人的な買い物、飲食でたまたま現金がなく、法人カード・コーポレートカードを利用し、経費精算をするというケースも考えられます。
クレジットカードの明細書が届いて経理担当者が確認しているうちに、未払金と金額が合わず初めて気が付くこともあるでしょう。もちろん、個人的な利用の場合、会社経費の扱いにはできませんので、個人で負担をしてもらうことになります。そういった確認作業も手間がかかるものなので、法人カード・コーポレートカードでは個人的な利用をしないように徹底しましょう。
手軽に経費を利用する
今では、法人がインターネットから消耗品の購入をすることも多くなっているでしょう。その場合、支払いを法人カード・コーポレートカードで行うというケースもあると考えられます。
クレジットカード決済は、手軽であることや現金が目に見えないために、お金が出ていくという感覚はどうしても小さくなります。「インターネット購入だと安いから…」と、本当に必要ではないものまで「ついで買い」をしてしまう可能性もあるのです。便利だからといって、気軽に使いすぎないよう注意しましょう。そのためには、費用を使う前の事前申請を必須にするなどの対応が効果的です。
明細を確認する手間もかかる
法人カード・コーポレートカードで支払ったものは、経費の発生時に「未払金勘定」になっています。未払金勘定は、クレジットカード払いだけではなく、他の取引でも使われる勘定のため、クレジットカードの支払明細と照らし合わせながら確認していかなければなりません。ここで少し手間がかかります。
法人カード・コーポレートカード払いで仕訳しているものには、「未払金(○○カード支払い)」など、区別しておくことも分かりやすい処理方法のひとつです。
法人カード・コーポレートカード精算時の手間を解消する方法とは
上記でも説明したように、法人カード・コーポレートカードの明細を一つひとつ確認しながら合致する未払金を見つけ、相殺することは、手間がかかることです。また、手入力はミスが発生する可能性も高くなってしまいます。
こういった手間を削減するための方法として、経費精算システムを利用するという方法があります。たとえば、株式会社ラクスが提供する経費精算システム「楽楽精算」では、法人カード・コーポレートカードの利用明細が自動でシステム内に反映されます。自動で取り込まれた明細情報を経費精算の画面で呼び出し、精算の際に紐づけて経費申請をあげることができるので、申請者の方は、正確かつ楽に経費精算を行うことができます。
経理担当者のチェックでも、利用した決済データと紐づいた情報になっているため、支払明細と照らし合わせる作業が不要になります。さらに、「楽楽精算」では経費精算のタイミングで自動仕訳が行われるため、仕訳の会計処理の手間も大幅に削減できます。
今までは、一つひとつ手入力が必要であった部分を、スムーズに自動化できることで、業務効率化や入力ミスの防止、迅速な処理が期待できます。また、申請、精算の処理漏れ防止にもつながるため、法人カード・コーポレートカード利用後の煩雑な業務解決が期待できるのです。
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まとめ
今後ますます、法人カード・コーポレートカードの利用は増えていくことが予想されます。法人カード・コーポレートカードの利用は大きなメリットがありますが、会計処理で少し複雑な部分もあります。利用の際には、会計処理の仕方やチェック方法について運用ルールを決めておくことが大切です。
また、経費精算システムを併用することで、煩雑な会計処理やチェック作業の手間を省くことができ、経理業務の効率化を実現できます。法人カード・コーポレートカードを利用する際は、経費精算システムの導入なども合わせ、自分の会社ではどのような使い方が一番合っているのか、慎重に検討することをおすすめいたします。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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