【インタビュー】8日→5日の月次決算の早期化に成功!トレンダーズ株式会社が取り組んだ経理業務効率化とは

【インタビュー】8日→5日の月次決算の早期化に成功!トレンダーズ株式会社が取り組んだ経理業務効率化とは

こんにちは。経理プラス編集部です。

経理業務効率化成功企業へのインタビュー第9弾をお届けします。今回お話を伺ったのは、トレンダーズ株式会社の田中隼人様です。同社では、経理部門全体で月次決算の早期化に取り組み、様々な施策のもと見事に月次決算を8営業日から5営業日まで短縮されました。取り組みの詳細と、月次決算の短縮を成功された秘訣を伺いました。

トレンダーズ株式会社とは

トレンダーズ

トレンダーズ株式会社様は、マーケティングPR事業を中心に展開されており、これまで数多くの企業へマーケティングソリューションを提供されています。
2015年からはメディア事業にも力を入れており、訪日外国人向けに日本全国の絶景写真を紹介する「ZEKKEI Japan」や、「Anny magazine」というSNS等を通じてプレゼントを贈ることができるソーシャルギフトのメディアサービスなど、複数のメディアを運営されています。

経理も主役!若手も活躍できる環境

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まずはじめに、ご経歴を簡単に教えてください
大学院を卒業後、新卒としてトレンダーズに入社しました。現在3年目になります。1年目から月次決算、四半期の決算開示などの経理業務全般を担当しており、現在ではIRなどの業務も担当しています。

早くから幅広い業務を担当されているのですね
そうですね。トレンダーズでは、若手もどんどん活躍できる環境があります。私の場合、もともと大学で会計の勉強をしていたこともあり、新卒1年目の第二四半期のときに、四半期決算の開示をやってみようと言われチャレンジしました。一般的な企業だとなかなかできない体験ができていると感じています。四半期の開示はなんとかやり遂げたのですが、その当時はプレッシャーで、開示の当日に寝坊するという夢を何度もみました。

月次決算の進捗確認メモを作成、リアルタイムで進捗状況を確認

経理業務の効率化で取り組まれたことを教えてください
月次決算の管理を中心に取り組んでいます。
それまでの月次決算は作業者がチェックを依頼し、確認者がチェックした内容を紙に書いてフィードバックするという方法をとっていました。しかし、この方法ですとリアルタイム性がなく、作業者と確認者の間のやり取りも何度も発生し、両者の真意を伝えるコミュニケーションが難しい状況でした。

それを解決するために、エクセルの共有機能を使用して、月次決算の進捗を確認するためのメモを作りました。エクセルの共有機能を利用すると、リアルタイムで確認状況や書きこみ内容がわかり、履歴も残るので全員で内容を共有しながら、間違っていた箇所も改善後どうなったのかを確認することができます。誰がいつ対応したのかも一目で分かるようになりました。また、作業が終わったものはグレーアウトさせることにより、進捗状況の確認もしやすくなりました。このような体制にしたことで、月次決算が終わった後にも、どのようなミスが発生したのかを振り返ることができ、確認者から指摘を受けた点に対して次からはこうしようという対策も共有することができるようになりました。

私は、この方法にはもう1つメリットがあると思っています。それは、作業をする人間が「確認者がどのような点を確認しているのか」が分かるようになる点です。確認側、すなわち上司がどのような視点でチェックをしているのかを学べるという点は、教育の視点からすると、とてもいいことなのではないかと考えています。
 

経費精算のシステム化で月初2営業日目には精算完了。月次決算も8営業日→5営業日までに短縮

貴社では、経費精算業務のシステム化にも取り組まれたそうですね。そちらの効果についても教えていただけますか
はい。経費精算業務の効率化と決算業務の早期化を目指し、「楽楽精算」という経費精算システムを導入しました。

それ以前の運用ですと、エクセルのフォーマットに申請者が入力、領収書とともに上長に提出し、確認・捺印をしてもらい最後に経理に渡すというフローだったのですが、入力の手間や、申請金額に誤りがあるなど問題だらけでした。加えて、期日までにそもそも経費精算がされていなかったり、されていたとしてもどこでフローが止まっているのか分からず確認できないという、経理としては大変困った状況でした。

それが「楽楽精算」の導入により大きく改善されました。
交通費精算では、「楽楽精算」に内蔵されている乗換案内システムで金額を調べることができるので、人為的なミスが起こりません。また、「ICカード取込み機能」により、Suica®やPASMO®などの履歴を「楽楽精算」に取込むことで、1件1件金額を入力することがなくなり、現場での作業量が圧倒的に減りました。

精算の状況も、精算を出せていないのか、マネージャーが止めているのか、差し戻しているのかなど、「楽楽精算」では状況が一目で分かるようになっており、申請者本人や上長にすぐ確認が取れるようになりました。

その結果、以前は4~5営業日までかかっていた経費精算が、現在では月初2営業日目のお昼頃には全社員の精算がほぼ完了し、労務にデータを送れるようになりました。これらの取り組みによって、月次決算にかかる時間は8営業日から5営業日にまで短縮させることができました。

全社的な視点を持ち、会社にメリットをもたらす

どれくらいの期間をかけて月次決算の早期化を実現されたのですか
現在の状況になるまでには2年ほどかかりました。経費精算のシステム化は大きなインパクトでしたが、それ以外は細かいことを一つ一つ行っていきました。やってみて「違う」と思うこともたくさんありましたし、経理としてはうまくいっているけれども、現場から不満が上がり却下となったものもありました。経理の視点のみで見てもあまり意味はなく、全社的にメリットがあるのか、という視点で取り組まなければといつも考えています。

その結果が今の5日という締め日です。もっと頑張れば3営業日に短縮することもできますが、他の部署に仕事をほったらかしてまで決算に協力してもらう意味はありません。そのようなことを踏まえて、全社として最も適切な日数が5日だったのです。

経理業務効率化への考え方を教えてください
決算業務の早期化をはじめ、様々な業務の効率化をチームのミッションと捉え取り組んでいます。経理などの管理部門では、営業と違い売り上げを増やすというアップサイドの面はありません。無駄を徹底的に削ぎ落としつつ、経営陣への情報提供を含めた経営管理機能を強化することが重要な仕事です。そこで毎回、今期はこれをしようと目標を掲げて業務効率化に取り組んでいます。その一つが決算の効率化です。弊社のような規模の会社ですと、工夫をすればすぐに色々なところにインパクトが現れます。決算業務の早期化ならば、役員への数字の報告が早くなります。結果、役員が経営方針を決定するまでのスピードが早くなりました。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

経理プラス編集部より

田中様は、入社1年目にして全社の年間MVPに選ばれ、同社の期待のエースとして、現在も日々経理業務の改善に取り組まれていると同僚の方から聞きました。編集部の称賛の声に謙虚なご様子でしたが、続くインタビューでは「このMVPを経理の人間がとったことに大きな意味があると思っています。経理は、どうしても裏方というイメージがありますが、弊社では職種に関係なく全員がトレンダーズの代表として働ける環境があり、それはとてもいい点だと思っています」とお話されていました。現在の会社で経理としての働きがいを持ち、まさに会社の代表として働いている様子が伺える一言でした。
貴重なお話をありがとうございました!

※Suica®は東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です
※PASMO®は株式会社パスモの登録商標です

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より