【インタビュー】請求書発行を電子化したいあなたへ 経理業務改善コンサルタントが語る、請求業務電子化のメリットとポイント
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
注目を集めている請求書の電子化。
しかし、実際の導入に当たってどんなことが必要なのか、取引先からの理解は得られるのか、不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本日は経理業務改善を手掛けるコンサルタントの倉島祐一郎氏に、請求書発行業務電子化における必要な事項や、実例を伺ってきました。
株式会社ラクスにて、約8年にわたり業種業態・企業規模問わず、あらゆる企業に対しIT化による業務改善を推進。経営層に対する売上げアップの提案から、各部門向けの業務効率化、コスト削減の実施まで、幅広くコンサルティングした実績を持つ。
請求書の電子化は発行側、受取側、双方にメリットが
まず、改めて請求書の電子化について概要を教えてください。
はい、もうご存じの方も多いかと思いますが、請求書の電子化とは、紙で郵送していた「請求書」をWEB上で作成・発行することです。
取引先はこれまで郵送で受け取っていた請求書を、WEBからダウンロードする、メールの添付資料として受け取るなど複数の方法で受け取ることが出来ます。
請求書発行を電子化すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
主に、コストと手間の削減という2点があげられます。
請求書を1通発行するためには、郵送費、印刷代、封筒代、紙代、さらに作業にかかる人件費と、意外とコストがかかっているものです。請求書発行業務を電子化することにより、そのコストを限りなくゼロに近い数値に削減することができます。
また、自社で郵送している場合は、印刷、捺印、封入など多くの手間が発生しますが、請求書発行業務を電子化することでその手間が大幅に削減できます。更に人の手を介する作業が多いと、どうしてもミスも起こりやすいものですが、請求書発行業務を電子化することで、その点も解決することができます。
請求書を受け取る側にもメリットはあるのでしょうか
もちろんです。受け取る側のメリットは、細かい要望に応えてもらいやすくなること。実際に請求書の電子発行をスタートした企業様からは、取引先の「第一営業日に必ず届けてほしい」、「金額に間違いがあったので、差し替え版を大至急送ってほしい」といったご要望にも応えやすくなった、というお声をよくお聞きします。
3つの要因をうけて、請求書発行業務の電子化の波は拡大中
請求書の電子化は、発行側と受取側、双方にメリットがあるのですね。実際に請求書の電子化を検討する企業は増えているのでしょうか。
はい。年々増えてきていますよ。個人向けのサービスでは既に、携帯電話の料金明細や、クレジットカードの明細において、WEB上で請求書を確認することが当たり前になってきていますが、対法人向けもしかり、請求書の電子化は確実に広がってきています。たとえば、大手宅配業者はみな、法人向けにもWEB上での請求書発行を採用していますね。自社用の会員ページから請求書をダウンロードしたことがある方も多いのではないでしょうか。
法人向けのWEB請求書発行システムもどんどん増えてきていますし、ここからも請求書電子化に関するニーズが増えてきているということが伺えるかと思います。
その主な要因とは、どこにあるのでしょうか
要因は、大きく分けて3点あると考えています。
1つめは、「請求書電子化に関する法整備がされてきている」ということ。詳しくは省略しますが、e文書法や電子帳簿保存法では、帳票の発行の際、紙の原本を必ずしも保管しなくてもよい、という方向で改正が進んでいる最中です。私もよくお客様から「原本保存の必要性」や「WEB発行をするための国税庁への事前申請の必要性」に関してお問い合わせいただきますが、大体の企業においてこれらの要件がクリアできるようになってきているのです。
2つめは、先ほども申し上げた通り、クラウドの請求書電子化システムが普及しているということ。クラウドシステムは既に出来上がっているシステムなのですぐに利用が可能ですし、従量課金制なので大規模な初期投資がかからない、つまり低リスクでの運用スタートが可能なため、企業における導入ハードルは下がってきています。
3つめは、いわゆるエコの流れですね。請求書のやり取りを電子化すれば、単純に紙資源の浪費を大幅に減らすことができますので、企業としての社会貢献の一環として取り組まれている企業も多いです。
メリットはわかったけれど…取引先は受け入れてくれる?
請求書の電子化が広まっている背景については理解できました。
しかし、実際に請求書のWEB化を検討する際には、取引先からの反応が心配になると思うのですが…
確かに、これが一番ご相談を受ける点ですね。ご不安はもっともだと思います。結論から言うと、大丈夫です。
まず、こちらのデータをご覧ください。こちらは、弊社が実施した請求書の受け取りに関するアンケートです。
「請求書はWEBと郵送どちらで受け取りたいですか?」という質問をしたところ、全体の約80%のお客様が「紙でもWEBでもどちらでもいい」と回答しているんですね。内訳のなかで、明確に郵送がいいという回答は14%です。皆さんのご想像より少ないのではないでしょうか。
実際に、私の知る月額サービスを提供されているIT企業では、請求書を毎月3000社へ郵送していましたが、電子化に移行したところ80%の取引先がWEBでの請求書受取りに同意され、トラブルなく運用をされています。
IT系以外の企業でもこのような反応は同様で、たとえば製造業、食品卸など、取引先との関係性が強い―たとえば営業が手持ちで請求書を持参しているような業界でも、受取側の70 %以上は電子化にご同意いただいて運用されているケースが多いです。
もちろん私の会社でも請求書を電子化していますが、80%以上のお客様にWEB上での請求書受取りをご利用いただいていますよ。
先ほども申し上げた通り、携帯電話やクレジットカード明細における、プライベートでのWEB請求書利用の広まりもあり、受取側のリテラシーも高くなってきていますし、今後より請求書電子化への理解は深まると思います。
80%以上の取引先に同意いただけるとは…意外な数字です!
はじめは私自身も驚きました。ですがこの数値は、受取り側は請求書の受取方法への拘りがあるわけではなく、自社の締日までに、確実に正しい内容の請求書が手元にあり、支払処理を完了できることに重要性を感じている、ということを表しているのだと思います。
郵送の場合、請求情報の確定、請求書の印刷・押印、折込・封入・郵送手配といった過程があるため、取引先の望むサイクルで請求書を出すのが難しい場合があります。一方、請求書を電子発行できるクラウドシステムを活用すれば、請求情報が確定したら、即日お取引先に請求書を受け取ってもらえます。差替えや再発行の依頼にも、すぐに対応できるのも大きな利点です。
請求書電子化システムの選定ポイントとは
一般的に請求書電子化を検討する企業の請求書発行数はどの程度ですか
検討を始められるのは、月に100~200件程度の請求書を発行している企業が多いですね。下はそのラインから、上は何万通単位まで。様々な規模の企業が検討を始められていますよ。
多くの請求書電子化システムがあるようですが、選定する際のポイントは何でしょうか
ポイントとしては、まず、発行側も受取り側も操作が簡単なことが大事だと思います。そして、重要な請求情報に関わることなので、表面上の機能だけでなく、セキュリティー体制なども重要視する必要があるでしょう。また、クラウド型のサービスなら、複数の拠点から何名でも利用可能などメリットも多いです。
請求書電子化の普及により、価格が無料や安価であるなど様々なサービスが出てきていますが、価格にはシステムのバックヤードの体制や品質が反映されているものです。安さ、手軽さだけを判断基準にするのはお勧めできません。複数の商材の資料を請求する、デモ画面を見るなどして検討してみてください。
弊社でも、「楽楽明細」という請求書の電子化システムを提供しておりますので、請求書の電子化をご検討の際はお声掛けください。
さいごに
経理プラス編集部より
請求書電子化についての状況をよく理解することが出来ました。一見ハードルが高いと思われがちなシステム導入ですが、きちんとした手順を踏んで電子化すればメリットは大変多いのですね!本インタビューが、請求書の電子化をご検討中の方の参考になれば幸いです。
貴重なお話ありがとうございました!
>>請求書の電子発行を検討の方へ、電子請求書発行システム「楽楽明細」
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より