【インタビュー】経費精算をシステム化したいあなたへ システム選定と導入に押さえておきたいポイント

【インタビュー】経費精算をシステム化したいあなたへ システム選定と導入に押さえておきたいポイント

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

経理業務のムダの解消の1つとして、経費精算のシステム化を採用する企業が増加しています。しかし実際の導入にあたっては、システムの選定方法、社内調整、運用体制の検討、システムの設定といった作業が必要で、それを考えるとつい踏みとどまってしまう…という方も多いのではないでしょうか。   

 

そこで、本日は数々の企業の経費精算システムの導入支援を行ってきた経理業務改善コンサルタントの小湊壮人氏をお呼びし、経費精算のシステム化に必要な手順や、発生しやすい疑問についてお話をしていただきました。

小湊壮人氏 プロフィール
株式会社ラクス 経理業務改善コンサルタント
これまで中小企業から大企業まで500社以上の企業へ、ITを活用した業務改善を提案・実現してきた実績を持つ。豊富な経験に裏打ちされた観察力・洞察力をもとに、企業が抱える業務課題に鋭く切り込み、ITを活用した経理業務の改善施策を提案している。

 

なぜ経費精算をシステム化する企業が増加しているのでしょうか?
昨今のクラウド化の波を受けて、経費精算市場においても例外なくクラウド型の経費精算システムが普及してきています。コスト面やインフラ管理などのクラウドシステム共通のメリットがあるのはもちろん、「営業がオフィスに戻ってから経費精算をする」という今までの常識が無駄だと認識され始めた事にも、経費精算のシステム化が広まった要因があると考えています。クラウドサービスならば、インターネット環境があればどこからでも接続することができるので、営業担当者が外出先から経費精算できたり、承認者が出張先から承認ができたりと、オフィスで作業を行う必要がなく効率的です。企業においてムダな業務の削減が盛んな今日ですから、経費精算でも同様の動きが広まっているのでしょう。
また、経費精算システムの運用において必要となるマスタ類は、社員データや会計情報などの会社内部の情報に限られることからIT化の垣根が低く、初めてのクラウドシステムに経費精算を導入するケースも多く見受けられます。

実際に、経費精算をシステム化へ移行する企業はどのくらい増えているのでしょうか?
具体的な数にするのは難しいのですが、経費精算システムの市場は現在約30億円。年間約20~30%の成長率があると言われており、この傾向はこれからも続くでしょう。

実際に弊社が提供しております「楽楽精算」というサービスでも、問合せ数は年々増加してきています。経費精算をシステム化へ移行する企業は着実に増えていると言えるでしょう。

 

小湊さんインタビュー3

導入までの手順と社内説得のポイント

実際の導入の際に必要となる手順や流れを教えてください
一般的な例でお話しますと、お問合せ、製品検討、テスト導入というフローを踏まえて本導入という順になるかと思います。

経費精算システムの導入フロー

経費精算システムの導入フロー

まずお問合せをしていただくと、製品資料やお見積りが届きます。その中で詳しく話を聞きたい企業へは訪問での説明を依頼しましょう。デモンストレーションを見て製品を理解し、細かな質問を投げれば大まかな疑問はここで解決できるはずです。
また、一言にシステム化といっても、その導入方法は程度や範囲に応じて様々です。できる限りこれまでの運用・ルールを変える事なくシステム化ができるよう、現状の経費精算の仕方をヒアリングさせていただき、最適なご提案ができるよう整えるのが私たちの役目です。ヒアリング内容を元にご提案をさせて頂き、システム化した後の運用イメージを固めて頂きます。この後、テスト環境にて実際にご提案した事が実現できるか体感をして頂き、ご納得いただいた後に社内展開に進むケースが多いですね。

 

導入までの手順と社内説得のポイント

導入までにはどのくらい期間がかかるのでしょうか
システム利用のお申込みから全社員への展開までの平均期間は2か月程です。
経費精算システムの運用開始に必要な設定は、社員情報の登録と会計システムへ連携させるための会計情報の大きく2種類ですので、難しい設定はありません。

弊社が提供する「楽楽精算」ではお客様専属のサポート担当が付き、メールやお電話でしっかりフォローさせていただく体制を整えております。同じ画面を見ながらお電話でフォローする事が可能な点がインターネットサービスの一番のメリットですね。その他、管理者向け、利用者向けのマニュアルのご用意など資料も一式そろえていますので、安心して導入を進めていただけると思います。

 

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デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2022年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/)より

社内説得の方法とは

社内説得においては、どのような働きかけが必要でしょうか?
経費精算の業務は営業から承認者、会計処理をする経理スタッフ、定期情報を管理する人事総務スタッフと多岐にわたります。特に、経費精算業務に大きくウエイトを占める経理スタッフの同意は重要だと考えます。またクラウドサービスの場合、企業に存在するセキュリティポリシーの確認も必要な為、情報システムの方への確認作業も必要でしょう。

具体的な社内説得はどのように行うのでしょうか
長年実務をされているベテランの経理担当者の中には抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。しかし、システムは信用できないと仰っていた方でも、実際のデモを見ていただいたり、画面を触っていただくことで、難しいという意識を解消していただき、ご納得いただけるケースが多いです。また、会計ソフトとの連携など、経理の方に役立つ機能をお見せした際に、こんなに効率化ができるのかと感動していただけ、システム導入に対しての抵抗がなくなったということもあります。営業スタッフへの説得をご心配されている場合でも、どれくらい入力業務が楽になるかデモンストレーションを実施し体感していただくなどお手伝いをさせていただいております。社内説得について懸念がある場合もお気軽に相談いただきたいと思います。

上層部への説得する際のポイントを教えてください
経費精算システムを利用する事で、経費の入力をする申請者、承認する承認者、経理スタッフと各担当者のステージごとで業務時間の効率化が図れます。その稼働対効果で社内展開する事が良くある例ですね。私たちも、よりスムーズな社内説得をしていただくために、過去の導入事例実績をご提供やコスト削減の試算表を用意するなど、導入のサポート体制を整えております。

経費精算システム選定のポイント

具体的に、どのくらいの企業規模からシステムは必要となってくるのでしょうか
一般的には、50名~500名ほどの企業からお問合せをいただくことが多いですが、数10人規模から必要になるケースも多々あります。いわゆる中小企業の管理部門ですと、経理業務だけでなく人事総務とを兼務しているケースが多く、作業時間の長い経費精算業務をシステム化する事で効率化を目指したいという問合せも多くあります。導入障壁の低い経費精算システムだからこそできる業務改善です。
もちろん紙・エクセルからの脱却、小口現金の廃止、会計システムへの手入力の削減などを目指している企業であれば、企業規模は全く問わず業務改善の効果が見込めます。

次に経費精算システム選定のポイントを教えていただけますでしょうか
まず、操作が簡単なものを選ぶというのがポイントです。
システム導入の際には、今まで慣れ親しんだ紙やエクセルの精算書からパソコンの画面で精算する事に対して抵抗感を感じる人もいるでしょう。経費精算システムの導入は経理部門が楽になるだけでは本当の改善とは言えず、企業全体での業務改善効果があってこそです。それには、申請者も直感的な操作で楽に申請する事ができるシステムを選択するべきです。操作が簡単な製品であると、操作方法をレクチャーする時間も削減でき、申請者からの操作方法の問合せもグッと低くなります。

次に、自社における必要な機能が揃っているかが重要なポイントとなります。
今の経費精算における運用が100%再現できるのか、これはもちろん重要な事です。その絶対条件に加えて、出張手当などの社内規定の改定でしたり、会計システムの入れ替えなど3年5年10年先に発展した際に、導入しようとしている経費精算システムで対応することができるのか、これもシステム選定する上での大きな要因になります。

最後に、セキュリティ体制もきちんとチェックしていただきたいと思います。クラウドサービスの機能を享受するためにはサービス提供元が存続している事が絶対条件です。クラウドサービスを検討する上で一番重要なのが、サービス提供元のセキリティ体制です。各種管理体制や企業としての信用力などをおろそかにするのはお勧めできません。

 

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デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2022年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/)より

最後に

経理プラス編集部より
貴重なお話をありがとうございました!経費精算システム導入における流れや社内説得のポイントなどをよく理解することができました。
次回は、実際に経費精算システムを導入した際の導入効果について、実際の事例を元にお話いただきます。ぜひご覧ください。

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デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2022年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より