ETCの領収書はもらえない?利用明細のもらい方と経理処理の方法を徹底解説

ETCの領収書はどうする?利用明細の取得と経理処理の方法を解説

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

仕事で高速道路を利用する際に、ETCレーンを利用するケースは多いでしょう。料金所で停止する必要もなく、出口での精算も手軽で割引料金が適用されることもあるため、経費削減にも有効です。

しかし、交通費精算をする場合に領収書が発行されないため、精算時に煩雑になりやすいのも事実です。そこで今回は、ETC利用で発行される利用明細書を取得する方法や、インターネットを利用した照会サービスの利用方法、ETCカード利用時の仕訳方法などをご紹介していきます。

ETCカード利用は領収書が発行されない?

高速料金の支払いにETCカードを利用すると、ゲートを通過するだけで済むため便利なのですが、利用した分の領収書はその場で発行されません。

そもそもETC利用の目的は、交通渋滞の解消やキャッシュレスという部分でもあるため、料金所で一旦停止して現金精算し、利用明細を受け取るという以前のようなシステムでは、本来の目的に沿わなくなってしまいます。

高速料金の支払いに対してキャッシュレスで通行できるのは、ETCカードがクレジットカードの機能を持っているためです。そのため、いくら利用したか確認するにはクレジット支払い明細を確認します。

ほとんどの場合、高速道路を出るときにゲート前に料金がデジタル表示されたり、車の車載器が音声で料金をアナウンスしてくれたりするため、メモを取るなどしておおよその料金を一時的に把握することは可能です。

しかし、ジャンクションをいくつも経由する場合にはゲート前での表示確認ができないこともあるため、最終的にはクレジット支払い明細で交通費の精算をすることも少なくないでしょう。

ETCの利用明細書をもらうには

経費精算時に利用明細書が必要になる場合は、次の二つの方法で取得できます。

一般レーンで受け取る

高速道路を利用するとき、はじめから現金のみの一般レーンを使うことで、出口では現金精算ができるため利用明細書を受け取れます。発行されるのは領収書ではなく利用明細書です

ETC利用履歴発行プリンターで取得

ETC利用履歴発行プリンターは、ETCカードに記録された通行情報を最大100件程度まで遡り、利用明細書として印刷することが可能です。

プリンターは特定のパーキングエリアを中心に設置していますが、卓上プリンターとして市販もされています。

なお、プリンターで印刷される利用明細書には、割引適用前の金額が表示される場合があるため注意が必要です。また、料金所名が数字で印字されるケースもあるため、利用区間については利用者がきちんと確認する必要があります。

利用履歴発行書を取得する方法

上述でお伝えした利用明細書の取得方法以外に、インターネットを利用した「ETC利用照会サービス」もあります。このサービスを利用する場合には登録が必要です。

過去のETCカードの利用明細をインターネット上で確認し、PDFやCSVファイルデータとして取得・印刷・保存を行うことができます。

高速道路では、すべてのレーンが無人の「無線走行」と、一箇所が手渡しになる「非無線走行」の2種類がありますが、どちらも反映されるのがETC利用照会サービスの特徴です。

ETC利用照会サービスでは、「ETCクレジットカード」「ETCパーソナルカード」「ETCコーポレートカード」の3種類のカードが利用可能です。はじめに新規登録するのはどのETCカードでも同じですが、その後の流れがそれぞれ異なります。

ETCクレジットカード、ETCパーソナルカード

新規登録→ETCカードの追加登録→利用明細書の表示、発行、出力に進みます。

ETCコーポレートカード

新規登録→ETCカードの追加登録→利用明細書の表示、発行、出力→利用実績の確認に進みます。

登録は無料で年会費もかかりません。ETC利用履歴発行プリンターが設置されている施設に行かなければ取得できませんが、インターネット上から取得できれば、いつでも確認できて便利です。

なお、交通費精算についてはこちらの「交通費精算システムで業務効率化!タイプ別の特徴を徹底解説」でご紹介していますので、併せてご覧ください。

ETCカード利用時の仕訳方法

最後に、ETCカード利用時の仕訳方法を確認しておきましょう。
現金用のレーンを通過したときは、利用明細書が受け取れます。この場合の料金の仕訳は次の通りです。

【高速代5,000円を現金で支払った】

借方金額貸方金額
旅費交通費5,000円現金5,000円

ETCカードを利用したときの仕訳は次の通りです。

【高速代5,000円にETCカードを利用した】

借方金額貸方金額
旅費交通費5,000円未払金5,000円

ETCカード利用であっても、費用は旅費交通費で処理します。

【クレジット代金が口座から引き落とされた】

借方金額貸方金額
未払金5,000円普通預金5,000円

ETCカードの利用明細は、旅費精算だけではなく、場合によっては通勤費にも関係することがあります。ある程度の遠距離から車通勤を認めている場合などで、高速料金を利用するケースもあります。

通勤費については、こちらの「車通勤の交通費計算方法は?非課税限度額などの注意点を解説」でもご紹介していますので、併せてご覧ください。

まとめ

現在は多くの車両がETC車載器を搭載し、高速料金の支払いにETCカードを利用しています。それは業務上においても例外ではありません。しかし、ETCの普及により利用明細書を取得できないことが多く、交通費精算も煩雑になりがちです。交通費は経費精算の中でも複雑で面倒なものです。正確な交通費精算を進めるためにも、改めてETCカードの取り扱い方を理解し、スムーズな経理業務にお役立てください。

経理プラス:【ビジネス書式テンプレート】交通費精算書

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著者 渡部 彩子

渡部さんお写真w240h240

大学卒業後、自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門に在籍。経理・総務・人事の実務を経験し、同法人在籍中に日商簿記2級を取得。その後、保険・金融業界での経理業務の経験を経て、ライターとして独立。これまでの実務経験を元に経理業務をテーマとしたコンテンツ制作を中心に執筆。