【経理調査】電子保存義務「2年宥恕」発表で企業の4割が「電帳法対応を延期」

【経理調査】電子保存義務「2年宥恕」発表で企業の4割が「電帳法対応を延期」

2022年1月の電子帳簿保存法改正では電子取引における電子データ保存が義務化されましたが、2021年12月に発表された宥恕措置により「やむを得ない事情」がある場合には2022年1月から2年間は紙での保存も容認されることが令和4年の税制改正大綱に盛り込まれています。これを受け、企業はどのように判断したのか、リサーチ結果とこれから必要となる対応について解説します。

調査概要

  • 調査対象:経理・財務・会計担当者(勤め先の従業員数30~1,999人)
  • 調査地域:47都道府県
  • 調査期間:2021年12月16日~12月21日
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 有効回答数:947サンプル

令和4年の電子帳簿保存法改正の概要

電子帳簿保存法とは、帳簿や決算書、請求書など国税に関する「国税関係帳簿書類」を、電子データで保存することを認める法律です。ペーパーレス化やテレワークの導入により、紙のデジタル化が進む中、対応が急がれています。2022年の改正では導入・運用の要件が大きく緩和され、大企業以外でも導入が容易になりました。その主なポイントは次のとおりです。

  • 事前承認制度の廃止
  • 適正事務処理要件の廃止
  • タイムスタンプ付与の条件緩和
  • 検索要件の緩和
  • 不正行為にかかるペナルティの見直し

詳しくは経理プラス解説記事ご確認ください。
経理プラス:2022年改正の電子帳簿保存法のポイントと導入事例を紹介!

「電帳法対応を準備していた」企業の約4割が準備を延期

調査によると、2022年1月に施行された電子帳簿保存法における「電子取引の電子保存義務化に2年宥恕」の発表を受け、2022年1月に向けて電子帳簿保存法対応の準備を進めていた企業の36.1%が「準備を延期した」ことが分かりました。

背景には電子帳簿保存法についての認知は高まっているものの、企業のシステム導入や社内体制の整備の遅れがあると言われています。

また、電子保存の義務化は無条件に猶予されるわけではなく、「令和4年度税制改正大綱」では、下記の条件が上げられました。

  • 所轄税務署長が電子取引情報の電子保存が要件を満たしていないことにつきやむを得ない事情があると認める場合
  • 納税者が出力書面提示に応じる場合

また、税務調査の際には、「社内フローの整備が間に合わなかった」「今後システムを導入し対応する意向だ」など事情を説明しやむを得ない事情があったと認めてもらうことが必要となります。

引用:国税庁 電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明) 7-10、7-11

今回の調査によると、実際に電子帳簿保存法に対応できている企業は16.4%に留まっており、ごくわずかであるという結果となりました。「電子帳簿保存法に則した運用の導入を検討している」33.8%、「いずれは電子帳簿保存法に則した運用を検討したい」23.9%と電子帳簿保存法に則した運用を検討している企業は増えているものの、なかなか運用まで至っていないのが現状です。
今回の電子帳簿保存法改正による、電子保存の義務化は「延期」されたわけではなく、義務化まで猶予期間が設けられたという対応になりますので、これから電子帳簿の電子保存について対応していかなければいけないことに変わりはありません。

【経理ニュース速報】領収書の電子保存義務化が2年間の宥恕措置へ!政府は電子帳簿保存法義務化に猶予期間を設定する

受け取った電子請求書への対応方法が”未定”や”分からない”企業は3割超

電子請求書の保存方法について、システムを利用して、電子保存を行うと回答したのは、既にシステムを導入済みの11.7%と今後導入予定の20.8%を合わせて計32.5%でした。一方で、「対応方法が未定」が18.6%、「わからない」が15.6%を合わせて34.2%は対応方法が明確になっていません。
電子帳簿保存法に対応し、システムや社内フローの整備をすることには時間がかかるため、早期により自社にあった運用を策定することが必須となります。

2023年に迫るインボイス制度の開始

今後企業に課せられる電子化対応は電子帳簿保存法だけではありません。2023年10月施行の消費税法改正に関連して、適格請求書はデジタル化、いわゆる電子インボイスに対応していくことになります。このインボイス制度についても令和4年の税制改正では事業者登録について見直しが行われました。

経理プラス:【2022年度税制改正】電子帳簿保存法とインボイス制度の改正内容を解説

インボイスとは、企業や個人事業主が取引時に発行する請求書のことです。企業は消費者や取引先から受け取った消費税を、経費に加算された消費税と相殺する「仕入れ税額控除」処理をし、差額分を納付します。このインボイス制度が導入されると、請求書には請求ごとに何パーセントの税率が適用されたかを明記され、仕入税額控除の信頼性・透明性が確保されるようになりました。この「適格請求書等保存方式」への移行に関連して経理部門などの事務負担が増大することから、請求に関わる業務プロセスのデジタル化および共通化、事業者間で共通的に使える電子インボイスの普及への対応が求められていきます。
普段の取引に関わる請求書の受領についても、電子化の対応が必要となるため、受領・発行の両面でのデジタル化が進んでいくと考えられます。クラウドサービスなどを活用して自社にあったフローに合わせ管理しやすい環境にすることがおすすめです。

経理プラス:インボイス制度とは?2023年導入までに免税事業者が必要な対応を解説

まとめ

ペーパーレス化による業務効率化を実現するためにも、電子帳簿保存法対応のシステム導入や社内ルール・体制の整備が企業に求められます。はじめは負担が大きいものの、引き続き改正内容の理解を深めると共に制度に対応していくことで、時間やコスト上のメリットが享受できるようになります。
たとえば、経費精算システム「楽楽精算」 を活用した場合、メールに添付されたPDFなどの電子請求書アップロードの自動化や、アップロードされた請求書の記載内容を自動で読み込んだ上で、経費精算を紐づけることが可能になります。経費精算業務における電子帳簿保存法のスキャナ保存においても同時に対応が可能なため、複数のシステムを用いることなく、一度にペーパーレス化を進めることができます。実際に、受領請求書の処理業務において発生する、取引先や金額などの情報の手入力や、手入力により生じる入力ミスの確認・修正などの工数を約66%削減することができたというデータもでています。
この機会に経理業務のデジタル化について検討をはじめてみてはいかがでしょうか。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「電帳法対応進むクラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2021年6月号: https://mic-r.co.jp/micit/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

経費精算システム「楽楽精算」

著 者 経理プラス編集部

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