【経理調査】企業の法対応への課題が浮き彫りに!調査から分かるインボイス制度・改正電子帳簿保存法の対応の実態
2023年10月開始の適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度)及び、2022年1月施行
の改正・電子帳簿保存法(以下、電子帳簿保存法)に関する意識調査を実施しました。
インボイス制度について約4割が「知らない」と回答し、電子帳簿保存法については施行
から6か月経過したものの「則して運用している」と回答したのは約2割に留まっている実
態が明らかになりました。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
調査概要
- 調査対象:経理・財務・会計担当者
- 調査地域:47都道府県
- 調査期間:2022年6月22日~6月27日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 有効回答数:848サンプル
”認知”が進まないインボイス制度
インボイス制度について、「名称は知っているが、どのような内容か知らない」と回答し
た企業が19.3%、「名称も内容も知らない」と回答した企業が18.0%となり、計37.3%が
「インボイス制度を知らない」と回答。2022年3月の同調査においても同様の回答割合が
37.1%となり、横ばいの状態になっていることが明らかになりました。
経理プラス:インボイス制度とは?2023年導入までに企業が対応すべきこととは?
また、インボイス制度に関する情報について、「知っている」と回答した企業を従業員規模別で見てみると、300~1,999名規模の企業の回答が66.0%、30~299名規模の企業の回答が60.9%となり、5.1pts の差がありました。300~1,999名規模の方がインボイス制度の情報を知っている事が伺えます。
適格請求書発行事業者登録について6割以上が「未登録」
適格請求書発行事業者登録について「既に登録している」と回答しているのが38.4%。残りの61.6%の企業は未登録という結果となりました。2023年10月のインボイス制度開始から登録を受けるためには、2023年3月末までに適格請求書発行事業者登録申請を行う必要があるため、早期に対応を行う必要があります。
また、適格請求書発行事業者登録について、「既に登録している」と回答した企業を従業員規模別に見てみると、300~1,999名規模の企業の回答が40.6%に対して、30~299名規模の企業の回答が37.2%となりました。適格請求書発行事業者登録も、3.4ptの差で300~1,999人規模の企業の方が進んでいます。
6割以上の企業が適格請求書発行事業者以外との取引継続について検討
取引先が適格請求書発行事業者ではない場合、「取引を継続しない」と回答した企業の割合が7.0%。「継続するか検討する」と回答した企業の割合が55.7%という結果となりました。適格請求書発行事業者登録をしているかどうかは、請求書受取側(買い手側)にとって、仕入税額控除を受けることができるかの重要なポイントとなるため、今後の取引獲得や継続に大きな影響を与えることが予想されます。
施行6か月経過も、「電子帳簿保存法に則して運用している」企業は約2割
「電子帳簿保存法に則して運用している」と回答した企業は23.3%となり、残りの76.7%の企業が運用できていない事が明らかになりました。
経理プラス:2022年改正の電子帳簿保存法のポイントと導入事例を紹介!
従業員規模ごとに見てみると、従業員規模300~1,999人の企業のうち「電子帳簿保存法に則して運用している」と回答した割合は32.0%であることに対し、従業員規模30~299人の企業の同回答割合は18.9%という結果になりました。中小企業の対応遅れが顕在化してきていることが分かりました。
「猶予* 期間がもうけられたので、従来通り紙に印刷し保存している」企業が3割以上
電子取引関係書類の保存方法に対しては、「猶予期間がもうけられたので、電子で受け取った請求書を、従来通り紙に印刷し保存している」と回答した企業の割合が31.6%となり、対応が先送りになっている様子が伺えます。また、「取引先に紙での請求書発行に切り替えてもらい、紙の請求書を保存している」と6.3%の企業が回答。電子帳簿保存法への理解浸透にも課題がある様子が伺えます。
*「電子取引の保存義務」において、令和4年度税制改正大綱に2年間の宥恕措置が盛り込まれました。本調査では、設問を分かりやすく表現するため“猶予”という表現を使用しています。
電子帳簿保存法とインボイス制度対応の準備は今まさに重なっている状況
2023年10月にインボイス制度が開始し、その直後の2023年12月末に電子帳簿保存法の「電子取引データ保存の義務化」の猶予期間が終了となり、全企業の対応が必須となります。今まさに各法制度への対応準備は重なっている状況となり、企業側は各法制度に対して準備を進めることが求められます。
電子帳簿保存法の対応を早期に行い、インボイス制度に備える
今回の調査結果ではインボイス制度、電子帳簿保存法ともに対応が遅れている状況が分かりました。では、既に施行されている電子帳簿保存法に対して、「電子帳簿保存法に則して運用している」と回答した企業はどのように対応しているのでしょうか。結果は、「既に電子帳簿保存対応可能なシステムを導入済みで、当システムで電子保存を行っている」と47.0%の企業が回答し、システムを導入し対応を行っている企業が多いことが分かりました。
ラクスが展開する、経費精算システム「楽楽精算」でも電子帳簿保存法に則した領収書・請求書のスキャナ保存と電子取引データの保存に対応する機能をオプションとして提供しています。以下のグラフは、 「楽楽精算」を新規導入していただいた企業の電子帳簿保存法オプションの付帯率推移です。2021年8月頃から伸長しており、2022年5月実績では92.6%の付帯率となりました。電子帳簿保存法への企業の対応が加速している結果となっております。
これらの結果から、電子帳簿保存法への対応について、システムを導入することが対応促進の鍵となることが伺えます。まずは企業側で電子帳簿保存法へ早期に対応できる体制を構築し、インボイス制度に備えることをお勧めします。
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より