BIツールとは 経理に求められる経営指標の迅速な可視化

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

企業経営においてビッグデータを活用した経営判断が当たり前のように行われております。しかし、企業の中には複数の部署で運用している様々なシステムが存在しており、経営判断を行う情報へのアクセスや抽出、分析を行うには、多数の部署とシステムが絡み合い、なかなか求める情報を得ることができませんでした。

これらを解決するツールとしてBIツールが多くの企業で活用されるようになってきています。今回はこのBIツール活用のポイントをお伝えします。

BIツールとは

BIツールの「BI」とは、「Business Intelligence」の頭文字を取った略語です。BIツールは、企業活動によって得られた膨大なデータを分析し、迅速な意思決定を手助けするシステムを指します。言い換えると、膨大かつ、各部署・各地域に蓄積された内部・外部データを収集・分析したものを分かりやすい形に可視化するものです。可視化したデータを経営陣に提供することによって早期に高度な経営の意思決定を行える状態を作ることがBIツールの導入目的となります。

たとえば、多店舗展開している企業では各店舗の売上情報を収集し、どの商品がいつどの店舗で売れているのか、天気や気温などの外部データとともに分析した結果を表やグラフで瞬時に作成することができます。そしてその表やグラフで報告することによって、経営陣は現状認識とともに次の意思決定をすぐに行うことができます。

BIツールで何ができるか

BIツールにできることは大きく3つに分けることができます。

  1. データの収集・蓄積
  2. データの加工・集計
  3. データの可視化・ビジュアル化

上記を具体的な業務に落とし込むと下記のようになります。

※1. 全国の店舗の「販売数」「売上」「販売者」「販売時間帯」などを、経理部だけではなく商品部・人事部などの持つ情報も同時に収集し、※2.「各都道府県別売上」「地域別売上」「販売員別売上」「時間帯別売上」など多角的な視点からデータを加工・集計して、※3. 結果を一覧表やグラフで表示し一目で分かるようにビジュアル化する。

上記のような作業をBIツールにデータを集約することで迅速に行うことができるのです。

なぜBIツールが重要なのか?~経理が抱える課題~

経理という部署は日々の仕訳から決算資料まで幅広く企業経営の数値を扱う部署です。
経営陣への業績報告はもちろん企業買収などの企業経営に重要な動きがあるときには同席し、意見も求められます。

BIツールなどの各種ITツールが登場する前は、紙面上の情報や担当者が作成したExcelファイルなどの情報から経営陣への定例報告書を作成したり、企業経営を動かす大きな事案のときには突然経営陣から報告書作成を求められたりしました。これは手作業が中心となっていたため、完成するまでに多くの時間が必要だったのです。

経営陣の経営判断に大きな影響をもたらす、経営の要である経理という部署においては、経営に関わる数字や資料を早く正しく出せるようにすることが常に求められています。
近年、企業経営を取り巻く外部環境の変化が激しく、他業界で起きた変化の影響が波及することも少なくありません。そのため、様々な要因を考慮しながら意思決定を迅速に行う必要があります。そのような変化の激しい環境下において、素早く正確に情報をまとめられるBIツールの登場はまさに経営陣が求めていたものなのです。

BIツールが重要な理由

BIツールが重要であるのは、BIツールの特徴である「膨大でかつ各部署、各地域に蓄積された内部・外部データを収集・分析できる」ところにあります。

報告書を作成したい場合、必要なデータ全てが経理にあるとは限らず、他の部署で管理していて収集に時間がかかることもあるでしょう。しかし、BIツールを使用すれば、他部署が管理しているデータをすぐに収集・分析することができ、レポート作成までの時間を短縮することができます。

BIツールの活用シーン

BIツールが経理業務でどのように活用できるのかご紹介します。

決算処理

即時に決算処理を行うことができ、その後の各種報告書作成や経理部としての次のアクションが早く行えます。

報告書作成、円滑なコミュニケーション

経営陣への報告や外部の利害関係者への報告を行うための報告書の作成が短時間ででき、経営判断の早期化や利害関係者とのコミュニケーション向上にもつながります。

管理会計

部門別や予算対比、次年度予算策定のための資料作成についても高精度かつ早期に作成することができることによって、より詳細な分析・判断へつなげることができます。

原価・経費分析

製造業における原価計算やその他各種経費についても詳細な情報収集と多角的な分析ができることによって現場に近いところで高度な判断を行うことができます。

具体的なBIツールをいくつか紹介

ここではBIツールをいくつかご紹介します。

Actionista!(アクショニスタ)/株式会社ジャストシステム

「誰でも分析を実現する」「組織内に定着する」「次のアクションにつながる」をコンセプトにWebブラウザだけであらゆる操作を実現できる特長を持っています。

Yellowfin(イエローフィン)/NTTテクノクロス株式会社

データ分析に慣れていなくても使いやすい操作性が特徴です。ダッシュボードを素早く作成・社内共有が可能で、PCのほかモバイル端末からでもブラウザ上でマウスを動かせばダッシュボードやグラフを操作できます。

Qlik Sense(クリックセンス)/クリックテック・ジャパン株式会社

Qlikが独自開発した連想エンジンとAIテクノロジーがQlikプラットフォームの基盤に組み込まれているのが特徴です。この機能により作業の自動化や常に学習しているAIから提案を受けること等が可能となります。

Microsoft Power BI/日本マイクロソフト株式会社

「Microsoft Excel」「Dynamics 365」「Azure SQL Database」「Salesforce」「SharePoint」など、数百ものオンプレミスやクラウドのデータソースに直接接続できることが大きな特長の一つです。

BIツールを企業内に導入する際には、「BIツールを導入する目的・目標・目指す姿」を明確にしていただくとともにBIツール選定にあたっては企業内の既存システムとの相性、連携について確認していただき、最終的にはコストパフォーマンスや現場の方々が簡単に操作できるかどうかについてもチェック項目として掲げてください。

まとめ

BIツールは社内外に拡散している経営に関する情報を瞬時に収集・分析でき、経理業務を効率化・高度化させ、最終的には経営の意思決定を早期化させる重要なツールです。
情報を瞬時に収集・分析し、経営の意思決定を早期化することができれば、外部環境の激しい変化にも対応することができるため、企業経営を行う上で必須のツールと言えるでしょう。

また、重要な経営情報を扱うシステムなため、導入後の運用体制やセキュリティなどのリスク管理についてもどのような体制にするのか決定することが重要なポイントとなってきます。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著 者 ファイナンシャルプランナー 大間 武

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飲食業をはじめ多業種の財務経理、株式公開予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。2005年株式会社くらしと家計のサポートセンター、NPO法人マネー・スプラウト設立。「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。

株式会社 くらしと家計のサポートセンター