API連携とは?基本的な解説と会計システムとの連携についてご紹介

経理に関するソフトウェアやクラウドサービスを検討している中で、「API連携」という言葉を目にしたことはないでしょうか。「連携」という言葉から何かをつなぐものというイメージはできますが、実際にどんな機能なのか理解できていない方も多いかと思います。

この記事では、API連携の概要や重要性、会計システムでAPI連携を活用することのメリットや具体的な活用事例などもご紹介していきます。API連携を理解して、さらなる業務効率化を実現しましょう。

API連携とは?

APIとは、「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)」という用語を略したもので、アプリケーション(ソフトウェア)とプログラミングされたデータをつなぐことを意味しています。

たとえば、ソフトウェアAとソフトウェアBがあった場合、それぞれは独立したソフトウェアとなりますので、本来は容易にデータを利用したり交換し合ったりすることはできません。また、ソフトウェアを利用するには専用のログインIDやパスワードによる認証なども必要となる場合もありますので、ソフトウェアAからソフトウェアBへのアクセスなども通常は難しいでしょう。

しかし、API連携という技術は、異なるソフトウェア間の「連携場所」を提供してくれます。この技術によって、ソフトウェア内のデータをPCに保存してから別のソフトウェアに入力し直したり、ソフトウェアの形式に合わせて手作業で加工し直したりする必要はなく、簡単に共有・連携が可能になるのです。

API連携が重要な理由

一例として、会計システムでのAPI連携は、経理業務において次のような変化をもたらすことが期待されます。

重複処理の削減

部署ごとに異なるソフトウェアを使用して売上や経費などを管理している場合、同じような情報でも集計する内容や目的が異なるため、別々のソフトウェアに入力するという手間がかかりました。

たとえば、営業部署が販売管理システムを使用して売上~請求~回収(入金)などを管理していたとしても、経理では銀行などの取引について会計システムに会計処理として売上や入金の入力を行わなくてはなりません。この場合、まったく同じ数字(データ)でも、双方で重複して書類作成などを行うことにもなるでしょう。

その点、API連携を行えば、ベースとなる取引データを片方のシステムに入力すれば、連携先のシステムにも直接取り込むことができ、システム間で情報を共有できるようになるため、無駄な重複作業が削減されるのです。

ミスの削減、迅速なチェック

帳簿への転記や、帳簿内での集計作業には多くの時間を要します。その前段階の仕訳や経費精算など、ただでさえ2重、3重のチェックを必要とする作業が多いのが経理業務です。仮に集計ミスがあった場合、実際の取引から日にちが経過していると、遡って調べることは困難です。

このような入力・チェックの負荷がかかる経理業務で、会計システムと経費精算システムをAPI連携させれば、転記する手作業が大きく省かれるため、記載ミスなども減らすことができます。また、集計ミスがあった場合でも、発見しやすくなることが期待されます。このようにAPI連携によって、さまざまな情報を迅速に得ることができます。

業務の属人化防止

API連携は、経理業務の属人化を防ぐことにもつながります。一般的に、経理業務はそれぞれの個人がどこかの一部分を担当することが多いでしょう。銀行の入金を管理する社員、売上・請求を管理する社員などさまざまです。

あまりにも業務が属人化すると、担当者が不在のときに他の社員が担当業務を回すことができず、業務が滞ってしまいます。しかし、API連携を行えば、担当者が抱える業務を情報共有することができるため、業務の見える化を実現して属人化の防止につなげることが可能になります。

API連携により業務効率化した事例

API連携を活用することで、どのような業務効率化が実現できるのでしょうか。ここからは、実際に導入した事例をご紹介していきましょう。

POSレジとの連携事例

POSレジを他のアプリケーションと連携させたことで、商品の在庫管理が容易にできるようになった事例があります。POSレジには、どんな商品がどれくらい売れたかという情報が数多く蓄積されます。その情報を活用して、商品の在庫管理に活かすというものです。

1日の売り上げを集計して在庫を把握し、不足しそうなものは発注をするというアナログな進め方ではなく、情報が自動化されて瞬時に届くため、迅速な在庫管理ができるようになります。その結果、戦略的な運営が可能になったのです。

会計システムと経費精算システムの連携

経理業務に関連する事例として、会計システムと経費精算システムのAPI連携があります。経費精算には、交通費や交際費など日常的に行われる取引があります。交通費をエクセルなどで別途管理していると、管理用とデータ連携用など重複して作成したり内容のチェックをしたりと、手間がかかってしまいます。しかし、API連携を活用することで、一度の情報入力で連携する会計システムまで処理できるため、大幅な業務効率化が図れるのです。

経費精算システムと会計システムをAPI連携することのメリット

上述したように、API連携は、異なるシステム間のさまざまな情報を共有し業務を自動化することにより、迅速な処理を実現します。

たとえば、経費をまとめる際に経費精算システムからデータをダウンロードして、エクセルなどでチェックした後に会計システムに入力するという企業も少なくないでしょう。しかし、手作業が入ってしまうとチェック漏れや会計システムへの入力ミスなどにもつながりやすくなります。また、経費精算システムと会計システムのどちらにも同じ情報を入力していることにもなりますので、効率的ではありません。

その点、API連携をすれば、経費精算システムへの作業のみで、会計処理まで全て自動化し完了できるという大きなメリットがあります。そのため、経理業務の大幅な削減が実現できるのです。

経費精算のクラウドサービスとして株式会社ラクスが提供する「楽楽精算」には、API連携機能があります。他の会計システムに仕訳データ、マスタデータなどの情報が自動で連携され、業務効率化を図れます。また、オプション機能である楽楽コネクタを活用すれば、あらかじめ登録された連携システムに簡単にアクセスすることも可能です。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

請求書発行システムと基幹/販管システムを連携することのメリット

API連携によって効率化を図れるのは、経費精算業務だけではありません。

請求書発行システムと基幹システム/販売管理システムを連携させることにより、請求書発行にまつわる業務も効率化することができます。

株式会社ラクスが提供する電子請求書発行システム「楽楽明細」には、基幹システムや販売管理システムとのAPI連携機能があります。各システムのデータベースと連携し、請求書や納品書などの帳票データをCSV形式か、PDF形式で自動データ連携。顧客情報のAPI連携も可能です。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド帳票発行サービスの市場の実態と展望」 (ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)における「売上シェア」、「導入社数シェア」第1位

まとめ

IT技術の進化とともに、会計システムを用いた業務効率化はますます進んでいます。「会計システムの導入はすでに済んでいる」という方や「これからシステムの導入を検討していく」という方もいらっしゃるでしょう。会計システムを選ぶ際には、どんなAPI連携サービスがあるかという点にも注目してみてはいかがでしょうか。また、基幹システムや販売管理システムと、請求書発行システムをAPI連携すれば、さらに効率よく業務を進めることができるでしょう。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

著 者 渡部 彩子

渡部さんお写真w240h240

大学卒業後、自動車関連の社団法人にて10年以上に渡り管理部門に在籍。経理・総務・人事の実務を経験し、同法人在籍中に日商簿記2級を取得。その後、保険・金融業界での経理業務の経験を経て、ライターとして独立。これまでの実務経験を元に経理業務をテーマとしたコンテンツ制作を中心に執筆。