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今年も年末調整がやってくる —概要のおさらいと、押さえておきたいポイント—

サラリーマンにとっては還付が楽しみな年末調整の時期になりました。
経理担当者にとっては日常業務に加えて年末調整業務が加わる、決算期並に忙しい時期かと思います。

今回の記事では、年末調整には重要な意味があることを改めて認識して頂き、スムーズに終わらせるために今から押さえておきたいポイントをお伝えします。
 

年末調整とは?
—行う意味と、どのように会社のためになるのか—

結論から申し上げますと、年末調整を行う理由は、「源泉徴収制度」が取られているからです。
月々の給与から徴収している源泉所得税は「概算の金額」で、本来の金額よりも少し多めに引いています。そのままだと会社の職員全員(役員、従業員、パート、もちろん経理部の人も含めて)に所得税が本来よりも多めにかかるという事態が起こってしまいます。そのため「年末」に、1年間で正しい所得税とするために実態に合わせた「調整」を行い、本来の金額との差額が還付又は徴収されるというのが年末調整です。
 

年末調整の全体像とスケジュール

年末調整の事前準備から始まり、年内に還付額の支給を行い、年明けに源泉税の納付を行うところで年末調整業務は完了です。
今のうちに全体の流れを確認しておき、下記の流れを参考に進めて頂ければ年末調整をスムーズに完了させることができます。

11月末までに行う業務

・必要資料の周知と収集
・社内からの問い合わせの対応
扶養控除申告書、保険料控除申告書を配布し、内容の記載を頂き、各種控除証明書と合わせて回収します。年末調整をスムーズに完了できるかどうかはこの準備にかかっています。

給与締日が過ぎたらできるだけすみやかに行う業務

・12月支給分の給与・賞与額の計算
・1年間の支給合計の算出

どんなに遅くても還付予定日の7日前には着手する業務

・所得控除額、年税額の計算に着手する
作業の上で確認事項が必ず出てきますので、余裕を持った日程でスケジュールを組みましょう。年末はすぐそこです。

年内最後の給与支給日に行う業務

・差額の還付または徴収
・給与明細の交付
・源泉徴収票の交付

翌年1月10日までに行う業務

・源泉所得税額の納付
翌年の10日までに年末調整による徴収還付額を加減算した金額を納付します。
※納期期限が土日祝と重なる場合には、その次の平日が納期期限となります。

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年末調整の現場の実情

プロの経理として今一度ご認識頂きたいのは「経理以外で、年末調整を正しく理解しているサラリーマンはほとんどいない」という現実です。
扶養控除申告書を例に取ると、扶養の範囲を正しく把握し、定められた様式に正しく記載できる人はまれです。

さらに追い打ちをかけるのは、個人情報保護法が施工されてからは良くも悪くも個人情報の取り扱いに注意が必要となってしまい、「誰と同居しているのか?」、「生命保険には入っているのか?」、「子供は何歳になったか?」など、年末調整に必要な情報を積極的に聞き出しにくくなっていることです。
そのために、年末調整の現場では「提出された書類にしたがって機械的に作業している」のが実情です。

次の項目では、効率的に準備を進めるために最低限おさえておきたいポイントをお伝えします。
 

年末調整対象者別、最低限おさえておきたい項目と資料

年末調整の対象者のうちターゲットを絞って、最低限押さえておきたい資料をまとめました。「ハンコだけ押して出して来た人」に対して、下記の項目だけは漏れがないかを必ず確認しましょう。

正社員(社会保険を会社から控除している方)

・収集資料:生命保険料控除証明書、火災・地震保険控除証明書
社会保険料控除額は賃金台帳から確認できるため、その他に個人が支払った保険料はないかを確認して下さい。

対象年内に中途採用で入社された方

・収集資料:前職の対象年分の源泉徴収票
2社の給与を合わせた金額で1年間の所得税を計算するため、前職分の源泉徴収票が必要になります。「なくしている人」や「もらい忘れている人」が多いのですが、これがなければ年末調整ができず、確定申告が必要となります。そのため、早い段階で前職に請求する様に伝えて下さい。

パート・アルバイト(国民年金、国民健康保険の方)

・収集資料:国民年金の控除証明書、国民健康保険の支払額が分かるもの
国民年金の控除証明書は毎年10月末日に年金事務所から個人に向けて送られてきます。混同しやすいところですが国民健康保険は控除証明書が発行されません。領収書をもって支払額を確認することとなりますが、来年1月末までに確認書類を入手できるという前提であれば、記帳された通帳などから金額を拾うことも認められています。
時間が取れる場合には、市区町村から証明をもらうこともできます。
 

最後に—年末調整業務は前倒しで進めるべし。

今回紹介したのは年末調整のほんの一部の部分ですが、年末調整は会社全体にとって大切な業務です。会社全体からの協力を得るためにも、経理の皆様は準備をなるべく早いうちから進めましょう。
年明けの、「税務署に提出する、支払調書合計表」や「市町村に提出する、給与支払報告書」などの作成にスムーズ移れるように前倒しのスケジュールで進めて頂くと良いですね。
 

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経費精算システム「楽楽精算」
● 著者
服部 峻介(セブンリッチ会計事務所)

服部 峻介(セブンリッチ会計事務所)

北海道大学経済学部卒。有限責任監査法人トーマツ入社後、上場企業の監査、内部統制、IPO支援、株価算定、M&A、不正調査等を実施。経営コンサルティング会社役員を経て、Seven Rich会計事務所を開業。スタートアップ企業を中心に、3年で160社以上の新規クライアントに対して会社の設立から会計税務、総務、ファイナンス、IPOコンサルなど幅広い支援を行っている。

セブンリッチ会計事務所

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