IT導入補助金の採択率を上げる4つの加点ポイント

IT導入補助金の4つの加点ポイントとは

2018年2月に平成29年度補正予算案が成立し、4月20日からIT導入補助金の一次公募が始まりました。このIT補助金導入補助金は経済産業省を所管とする制度で、中小企業・小規模事業者がその生産性を向上させるITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入が対象です。
補助金を受けるためには「IT補助金導入支援事業者」を通じて事務局に相談・申請を行い、最終的な補助金の交付が決定します。そして補助金を交付された事業は、導入ツールによる実施効果の報告等を行わなければなりません。

前年度における補助金の予算額は100億円でしたが、今回は500億円まで増額され、1件あたりの補助金額が引き下げとなりました。そのため、前年と比べて10倍近い中小企業への採択が見込まれています。しかし、もともと人気の高い補助金制度であること、そして補助金の採択には審査が伴うことから、状況によっては競争となるでしょう。

審査において、導入設備の内容がもっとも重要であることは言うまでもありません。しかし、実はそれ以外にも「加点ポイント」が存在します。加点ポイントは全部で4つあり、全て経済産業省が公表している情報です。中には今からでも間に合うものもあるため、少しでも審査を有利に進めるためにぜひ活用しましょう。それぞれの加点ポイントについて、詳しく解説していきます。

 

1.固定資産税の特例率をゼロとする意向を表明した自治体に所属していること

1つ目の加点ポイントは、中小企業の設備投資促進制度において、対象設備の固定資産税をゼロにすることを表明した自治体に所属している企業であることです。中小企業の設備投資促進制度はこれまでにも取り組みがあり、固定資産税の軽減措置はすでに導入されてきたところです。しかしゼロまで引き下げることができるのは、今回からとなります。加点対象となる地域は多いので、以下の一覧表で確認してください。

・参考:中小企業庁 「加点対象となる自治体一覧

なお、今回の中小企業の設備投資促進制度では、事業者が作成する「先端設備等導入計画」を自治体が認定する仕組みが導入される予定です。ただし、IT導入補助金における加点のために、この制度の認定を受ける必要はありません。

 

2.地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得していること

2つ目の加点ポイントは、地域未来投資促進法に基づき、都道府県から「地域経済牽引事業計画」の承認を受けることです。地域未来投資促進法では、地域の特性を生かした成長性の高い取り組みを行う企業に対して、国が地方を通じてさまざまな支援を行う取り組みが規定されています。なお、成長性の高い取り組みとして対象となる分野には、以下のようなものが挙げられています。

  1. 成長ものづくり分野(医療機器、航空機部品、新素材等)
  2. 農林水産、地域商社
  3. 第4次産業革命(IoT、AI、ビッグデータ活用)
  4. 観光・スポーツ・文化・まちづくり関連
  5. 環境・エネルギー分野
  6. ヘルスケア・教育サービス 等

ただし、これらはあくまで例示であり、最終的な判断は国と自治体によって行われます。

都道府県から地域経済牽引事業計画の承認を受けるには、前段階として自治体が企業の申請に基づき作成した基本計画を国に提出し、国から同意を得る必要があります。その後、都道府県から正式に地域経済牽引事業計画承認を受けることが、加点ポイントの要件です。
このような承認は、手間に感じるかもしれません。しかし、もし承認を受ければ、研究開発や設備投資などの補助金、税制の優遇措置、日本政策金融公庫からの融資などが一定要件のもとで受けられる支援制度も用意されています。なお、IT導入補助金を申請する際に、この制度の認定を受けていることの申告は不要です。

 

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3.経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」であること

加点ポイントの3つ目は、経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」であることです。「地域未来牽引企業」は2017年に公募が行われ、定数を超える2,143社が全国から選ばれました。しかし、現在は募集が終了しています。

・参考:経済産業省 「地域未来牽引企業 選定一覧

実際にどのような企業を対象としていたのか。経済産業省のホームページでは、選定企業について「地域内外の取引実態や雇用・売上高を勘案し、地域経済への影響力が大きく、成長性が見込まれるとともに、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手、および担い手候補である企業」としています。

・参考:経済産業省 「地域未来牽引企業」を選定しました

なお、IT導入補助金の申請時に該当企業である旨の申告は不要です。

 

4.「おもてなし規格認証 2018」を取得していること

最後の加点ポイントは、「おもてなし規格認証 2018」を取得していること。おもてなし規格認証とは、民間企業のサービスの質の高さをランクに応じて認証し、消費者のサービス品質の可視化を図るものです。国内の事業者に対して高品質なサービスの提供・維持・向上を促し、より高い生産性を実現することが目的となります。

認証はその取組みに応じて4つのランクに分けられており、上位3ランクは指定された認証機関による「第3者認証」が必要となります。ランクは、低い方から順に「紅、金、紺、紫」の4種類ですが、いずれを取得してもIT導入補助金の加点となる仕組みです。
さらに加点ポイントは、ランクの高さによるものでなく一律であることが明記されています。つまり、もっとも低ランクの紅でも問題ないということ。紅の認証は、おもてなし規格認証の申込みフォームから「自己適合宣言」を行うことで完了します。

自己適合宣言を行うには、Webサイトから情報提供や設備、環境改善などサービスに関する30項目に対する実施状況の回答が必要です。30項目のうち15項目以上が「既に実施している」「今後実施したいと思う」に適合すれば「おもてなし規格認証 2018」に登録することができ、紅認証が完了します。自己適合宣言をクリアできればどの企業でも行えるものですので、必ず実施しましょう。
なお、2017年に受けた認証は無効となるので、新しく登録し直すことが必要です。また、登録時に発行された「登録番号」は、IT導入補助金の申請時に必要となります。

 

まとめ

IT導入補助金は、前年度に引き続き人気の高い補助金となることが見込まれます。採択率を上げるためには、加点ポイントを最大限活用することが鍵となるでしょう。特に加点ポイント4の「おもてなし規格認証2018」の紅認証は手軽であるため、必ず登録してから臨みたいところです。簡単な手続きで完了するものは、準備しておかなければ他の企業に遅れを取る事態になりかねません。ぜひ参考にしながら、IT導入補助金の採択を得られるよう実施を検討してみましょう。

 

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● 著者

石田 夏

石田 夏

税理士事務所、上場企業の経理職を経てフリーライターに転身。 簿記やファイナンシャルプランナー資格を活かして、 税務・会計に関する企業向けコンテンツを中心に執筆中。 ポリシーは、「知りたいをわかりやすく」。