営業外収益とは?勘定科目や仕訳例、売上高、特別利益との違いを解説

営業外収益とは?勘定科目や仕訳例、売上高、特別利益との違いを解説

営業外収益とは、会社の本業以外から生じる収益のことです。他の収益項目である売上や特別利益との違い、代表的な勘定科目や仕訳処理例などを詳しく解説します。また、営業外収益が多い企業の特徴や産業別、企業規模別の金額規模についても取り上げていますので、ぜひ業界や会社規模で比較分析する際にご活用ください。

営業外収益とは

営業外収益は、会社の基本となる営業活動以外から生じる収益のことです。代表的なものは受取利息や受取配当金であり、企業が持つ余剰資金を運用して得た「副業的な収益」と言えます。なお、土地の売却益といった一過的な利益は含まず、毎期繰り返し発生する収益が該当します。

営業外収益の対となる項目として、営業外費用があります。営業外費用は、金融機関からの借入金利息の支払いなどが計上されるもの。本業による収益である営業利益に副業的利益である営業外収益をプラスし、営業外費用をマイナスしたものが経常利益です。経常利益は一般に「けいつね」と呼ばれ、企業の収益力を表す重要な指標となります。

他の収益との違い

会社の業績や収益性をまとめた「損益計算書」では、「売上高」「営業外収益」「特別利益」の3つが収益項目として記載されます。

「売上高」は、会社が本業によって稼いだ金額の合計です。モノやサービスを提供した対価であり、その企業の事業規模を端的に表します。損益計算書の一番上に記載され、通常は最も大きな金額が計上されます。

「特別利益」は臨時的に発生する収益です。具体的には土地や建物などの固定資産売却益、投資目的で保有していた有価証券の売却益、保険の満期や解約による保険金収益などが該当します。「特別」かどうかは個別判断になりますが、発生が稀でありかつ金額影響が大きい場合にのみ特別利益とします。

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営業外収益の勘定科目例と仕訳処理例

次に、営業外収益でよく使う勘定科目の例と、その具体的な仕訳処理について見ていきましょう。

勘定科目

代表的な勘定科目は下記の通りです。

勘定科目内容
受取利息金融機関の預金利息、保有する国債、社債などの有価証券による利息
受取配当金保有する株式に対する配当収入
有価証券売却益売買目的で保有する有価証券(国債、社債、株式など)を売却したことによって得られる利益
有価証券評価益売買目的で保有する有価証券を期末に時価評価した際の評価益
仕入割引材料などの仕入代金を約定よりも早期に支払ったことによる割引額
為替差益外貨建ての債権債務を決済したときや時価評価した場合の為替レートによる差益
雑収入自動販売機の設置手数料収益など他項目に当てはまらない金額的に重要性の少ない雑多な収益

営業外収益の項目は絶対的なものではなく、その企業が営む事業によって異なることに注意しましょう。通常、不動産収入は営業外収益ですが、本業が不動産業の場合は売上に該当します。本業以外の活動から生じた場合が、営業外収益になると理解しておいてください。

仕訳処理例

次に、仕訳処理について見てきましょう。

受取利息

 借方金額貸方金額
預金1,000受取利息1,180
法人税等180

口座に入金される金額は法人税等を差し引かれたものが振り込まれますが、原則的には差し引かれる前の金額で受取利息を計上します。差し引かれる税率は約15%です。口座に振り込まれた金額のみを計上する純額処理も容認されていて、上記の例では「預金1,000/受取利息1,000」となります。

受取配当金

 借方金額貸方金額
預金30,000受取配当金37,500
法人税等7,500

上場株式の配当金は約15%、非上場株式の配当金は約20%の税金が源泉徴収されます。

有価証券売却益

 借方金額貸方金額
預金120,000有価証券100,000
有価証券売却益20,000

簿価10万円の売買目的有価証券を、12万円で売却した場合の仕訳は上記の通りです。簿価と売却価格との差が有価証券売却益となり、差がマイナスの場合は有価証券売却損となります。

有価証券評価益

 借方金額貸方金額
有価証券30,000有価証券評価益30,000

決算時に保有する売買目的有価証券の時価が帳簿価格を上回る場合、有価証券評価益を計上します。

仕入割引

 借方金額貸方金額
買掛金500,000預金497,000
仕入割引3,000

買掛金を約定日より早く支払うことにより値引きしてもらった場合は、仕入割引を計上します。利息相当の減額と考えるため営業外収益の項目です。

仕入れを減額するケースとしては、品質不良などを理由とする仕入値引、大量発注による仕入割戻(リベート)があります。しかし、これらは利息相当の減額ではないので、営業外収益ではなく売上原価(仕入の減少)として計上します。

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為替差益

 借方金額貸方金額
預金1,030,000売掛金1,000,000
為替差益30,000

1ドル100円で計上していた売掛金100万円が、1ドル103円で決済された場合は、レートによって発生する差益3万円を為替差益として計上します。買掛金の決済、債権債務の期末時価評価なども、レートによる差益が発生した場合は同様の取り扱いです。

雑収入

 借方金額貸方金額
預金1,000雑収入1,000

金銭的に重要でない収益は、雑収入として処理します。具体的には自動販売機設置による収入、家賃収入、保険金の受取、スクラップの売却収入などです。

営業外収益の分析

営業外収益が多い企業は、土地や株式、現金などの余剰資産を上手に活用していると言えるでしょう。金融機関への支払利息が大半の営業外費用と比較して営業外収益が多ければ、本業以外での財務活動は安定していると考えられます。創業間もないベンチャー企業などは資金が潤沢ではなく、また、本業に注力しているので営業外収益は少ない傾向があります。経済産業省が実施している統計データによると業種別、資本金規模別の1社あたりの営業外収益は下記の通りです。

業種資本金営業外収益(億円)売上高との比較
製造業10億円未満0.91.3%

10~100億円未満7.51.8%
100億円以上188.15.0%
電気・ガス業10億円未満0.70.8%
10~100億円未満6.90.5%
100億円以上178.72.2%
小売業10億円未満1.00.6%

10~100億円未満5.80.6%
100億円以上17.80.6%
情報通信業10億円未満0.60.9%
10~100億円未満4.61.5%
100億円以上69.32.8%
飲食サービス業10億円未満0.40.7%
10~100億円未満4.60.9%
100億円以上7.10.9%
総合計10億円未満0.90.9%
10~100億円未満6.81.1%
100億円以上176.94.3%

引用:経済産業省 企業活動基本調査|経済産業省

製造業は生産工程で発生するスクラップ売却益などにより、営業外収益が多くなっていると想定されます。また、多くの業種で企業規模が大きいほど営業外収益が多く、また売上高との比較でも高くなっている傾向があると言えるでしょう。

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まとめ

営業外収益の勘定科目や仕訳処理について、具体例を交えながら解説しました。また、統計データを元に、業種別や企業規模別の営業外収益についても分析しています。営業外収益の中身を理解し、正しく扱えるようになりましょう。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

経費精算システム「楽楽精算」

著 者 柴藤 唯人

大手製造業(鉄鋼メーカー)の経理財務担当として勤務。財務系は固定資産管理、棚卸資産管理、一般会計を担当。また、原価系は原価計算、月次、半期予算、中期計画、コスト分析、損益分析を経験する。管理職昇進後は会計実務からは離れて、公認会計士対応や内部統制、原価は全体のコスト総括や損益総括を担当。工場だけではなく営業へも情報を提供するなど、販売戦略にもかかわる。日商簿記1・2級保有。