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振替伝票の無料エクセルテンプレート｜他の伝票との違いと仕訳例は？

近年、ビジネスでは現金以外の決済方法が増えています。掛取引や銀行振込、電子手形などが主流となる中、現金以外での取引に用いられる振替伝票の重要性も高まっています。取引の流れが多様化する中で、経理担当者の中には既存の仕訳業務を見直そうと考えている方も多いでしょう。この記事では、振替伝票の基礎知識や、振替伝票と他の伝票との違いについて解説し、実際の仕訳例も紹介します。また、無料のエクセルテンプレートもご用意しているので、ぜひダウンロードしてお試しください。

振替伝票の無料エクセルテンプレート

本記事では振替伝票のテンプレートをダウンロードいただけます。このテンプレートは、エクセル形式で作成されており、無料でダウンロードできます。個人や法人を問わず利用でき、振替伝票の作成をスムーズに行いたい方に最適なツールです。日々の業務にぜひお役立て下さい。

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振替伝票の基礎知識

振替伝票は会計処理において欠かせない書類で、正確な会計記録を行うために使用されます。しかし、初心者にとってはその概念や使い方が複雑に感じられることもあります。ここでは、振替伝票が何か、伝票制とは何か、そして他の伝票との違いについて掘り下げていきます。

振替伝票とは？

振替伝票は、現金以外の取引を記録するための重要な会計伝票です。商取引において、すべての取引で資金が動くわけではありません。たとえば、掛取引は、取引が発生してから入金や出金までの間にタイムラグが発生します。このように、資金が直接動かない時の取引を記録する際に、振替伝票が使用されます。

振替伝票の特徴は、勘定科目と金額を借方と貸方の両方に記入することです。仕訳帳の代わりとしての使用も可能で、直接総勘定元帳に転記できます。1伝票制を採用している場合、振替伝票は「仕訳伝票」とも呼ばれます。

そもそも伝票制とは？

伝票制とは、企業の会計処理において取引内容をいくつかの伝票に記録する仕組みのことです。伝票制には、主に以下の3つの種類があります。

1伝票制

1伝票制では、すべての取引を1つの伝票のみを用いて記録します。振替伝票がこれに該当します。

3伝票制

入金伝票、出金伝票、そして振替伝票の3種類の伝票を使用する方式です。現金の入出金が発生する取引は、入金伝票、出金伝票を用い、現金が発生しない取引は振替伝票を用いて記録します。

5伝票制

入金伝票、出金伝票、売上伝票、仕入伝票、および振替伝票の5種類を使用する方式です。より詳細な管理が可能ですが、手間もかかります。

これらの伝票制は、企業の規模や会計処理の複雑さに応じて採用されます。いずれの方式でも、正確な記録と効率的な処理が求められます。

他の伝票との違い

入金伝票との違い

入金伝票は現金の入金を記録するために特化した伝票で、借方は必ず「現金」となり、貸方には相手科目と金額のみを記入します。一方、振替伝票は現金以外の取引を記録することから、借方と貸方、両方の勘定科目と金額の記入が必要です。

出金伝票との違い

出金伝票は、現金の出金があった際に使用される伝票です。使用例としては、現金払いや銀行への預け入れなど、現金が出ていく取引に使用されます。出金伝票の特徴は、貸方に現金勘定を固定し、借方の相手科目と金額のみを記入することです。現金の出金を記録するために特化した伝票であることが、振替伝票との大きな違いといえます。

仕入伝票との違い

仕入伝票は商品・サービスの仕入取引を記録する伝票で5伝票制において使用されます。振替伝票との違いは、仕入伝票は借方が「仕入」勘定、貸方が「買掛金」で固定されている点です。仕入伝票を用いる際は、現金購入の場合も、一旦買掛金として処理します。

売上伝票との違い

売上伝票も仕入伝票と同じく5伝票制で使用される伝票です。商品・サービスの売上取引を記録し、借方が「売掛金」勘定、貸方が「売上」勘定で固定されます。現金売上の場合も一旦売掛金として処理します。

4種類の伝票がそれぞれ特定の取引に特化しているのに対し、振替伝票はそれら以外の一般的な取引を記録する目的で使用されます。なお、振替伝票の詳細については以下の記事を参照してください。

経理プラス：振替伝票とは？書き方と注意点、作成方法別のメリット・デメリット

振替伝票の記載事項と仕訳例

ここでは、振替伝票の具体的な記載事項と記載例を解説します。

振替伝票の記載事項

＜振替伝票の主な記載項目＞

日付

実際に取引が行われた日付（年月日）を記入します。取引の時系列を把握し、経緯を理解するために必要不可欠な情報です。

金額

取引の金額を記入します。借方と貸方の合計金額は必ず一致します。貸借金額の一致は、取引が正確に記録されていることを確認する上で重要です。

借方科目

借方に計上される勘定科目を記入します。借方は資産や費用などの増加を表します。

貸方科目

貸方に計上される勘定科目を記入します。貸方は負債や純資産、収益などの増加を表します。

摘要

取引の内容を簡潔に記入します。摘要は、取引の要点や背景を把握するために重要な情報となります。後で取引を振り返る際にも便利な情報です。

振替伝票の仕訳例

振替伝票は、左側に借方の勘定科目と金額、右側に貸方の勘定科目と金額を記入します。

例：掛取引で15,000円の商品（ボールペン100本）を販売した場合の仕訳例（3伝票制）

	金額	借方科目	摘要	貸方科目	金額
	15,000	売掛金	ボールペン×100本	売上	15,000

振替伝票を作成する際の注意点

振替伝票を作成する際には、以下の点に留意することが重要です。

検索できる状態で保管する

振替伝票は、総勘定元帳への転記、過去の取引内容の確認、監査への対応など、作成後にも必要とされる書類です。そのため、伝票を適切に保管し、いつでも迅速に検索・参照できる状態にしておくことが重要になります。具体的には、取引日や勘定科目などの情報を基に、伝票を体系的に整理・保管しましょう。これにより、必要な伝票を素早く探し出すことができ、業務の効率化にもつながります。

借方と貸方の合計が一致することを確認する

会計の基本原則において、借方と貸方の合計は常に一致しなければなりません。借方と貸方の合計が一致しない場合、エラーやミスがある可能性が高いです。借方と貸方の合計一致は、適切な記録管理の一環として重要です。

規定された保存期間を遵守する

会社法および税法によれば、会計帳簿や関連書類の保存期間は極めて重要です。会社法では、会計帳簿の保存期間が10年と規定されており、一方、税法では、会計帳簿や取引に関わる書類は7年間の保存が義務付けられています。これらの期間を遵守することは、法的な要件を満たすだけでなく、将来の監査や証跡確認をスムーズに行うためにも極めて重要です。

まとめ

振替伝票は会社の会計処理において重要な役割を果たします。他の伝票とは異なり、複数の勘定科目を同時に記入することが可能です。実際に作成することで、経理処理の基礎である仕訳や勘定科目の適切な使い方の理解が深まります。テンプレートを使えば、伝票の必須項目が明確に示されているため、もれなく適切な情報を記入できます。本記事を参考にして、正確かつ効率的な会計処理を行えるようになりましょう。

振替伝票に関するQ&A

振替伝票に関する、よくある質問に答えます。