病院領収書の無料エクセルテンプレート|記載項目や注意点

病院の領収書は、医療費の支払いがあったことを証明する書類です。保険診療と自費診療では、記載内容が異なる場合があります。また、病院では、領収書とあわせて診療明細書の発行が義務付けられている点も特徴です。

本記事では、病院の領収書に記載する項目や書き方、作成時の注意点、インボイス対応が必要な場面などについて解説します。無料で使えるエクセルテンプレートを紹介しますので、参考にしてください。

病院領収書の無料テンプレート

病院の領収書とは、医療機関で受けた診療や検査、処置などに対して支払った費用を証明する書類です。支払いをした側(患者)と支払いを受けた側(病院)の名称や支払いの日付、支払金額、診療内容などが記載されます。

医療費控除の申告や保険金の請求、会社への提出などに利用され、後日治療内容を確認したり、支払いの記録として管理したりするためにも重要な書類です。

ここでは、病院の領収書を簡単に作成できる無料テンプレートをご用意しました。領収書に必要な項目を一通り揃えているため、作成の手間を軽減できます。ぜひご活用ください。

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病院領収書の特徴

病院の領収書とは、診療費や検査費、薬剤費など、医療機関で支払った費用を証明する書類です。保険診療の場合は、診療報酬点数に基づいた自己負担額が記載され、診療内容が「点数」という単位で示されます。点数は健康保険法で定められており、1点=10円で計算されます。たとえば、検査が1,000点の場合、総額は10,000円となり、自己負担割合が3割の人であれば3,000円の支払いになります。

領収書には診察料・検査料・処置料・投薬料など、医療費の大まかな内訳が記載されており、より詳しい内容を知りたい場合は、診療明細書を参照する仕組みです。明細書には、検査の種類や回数、使用した薬剤名などが記載され、医療機関や薬局では原則として無料で発行されます。

収入印紙は必要ない

通常、領収書は金額が5万円以上の場合、収入印紙の貼付が必要です。しかし、病院が発行する領収書の場合、収入印紙は不要とされています。

医師や歯科医師の医療行為は営利行為とはみなされていないため、病院の領収書は、一般の事業者が発行するような「営業に関する受取書」ではなく、税法上は営業行為に該当しない受取書(非課税文書)として扱われます。

その結果、たとえ支払額が5万円以上であっても印紙税の課税対象とはならず、収入印紙を貼る必要はありません。

明細書の発行が義務付けられている

保険医療機関には、法律に基づき領収書と診療明細書を発行する義務があります。「保険医療機関及び保険医療養担当規則」により、健康保険を扱う病院やクリニックは、患者が支払いをした際、診療内容ごとに区分した領収書を無料で渡すことが定められています(第5条の2)。

この規定により、2010年以降は保険診療・自費診療を問わず、医療機関はすべての患者に領収書と明細書を無償で交付することが原則となりました。現在では、領収書の発行は医療機関の重要な法的義務のひとつになっています。

参考:e-Gov 法令検索「保険医療機関及び保険医療養担当規則」

自費診療等ではインボイスの発行が必要になる

インボイス制度の対応では、自費診療等の場合に注意が必要です。まず、保険診療に関する領収書は消費税の非課税取引に該当するため、インボイス制度の対象外です。

一方、自費診療や健康診断、予防接種、医療機関での物品販売など、課税売上を伴う取引については、消費税が課されるためインボイス制度の対象となります。

特に取引先が法人の場合、仕入税額控除のためにインボイス対応の領収書の発行を求められるケースもあるでしょう。医療機関では、保険診療と自費診療で税区分が異なる点を理解し、取引内容ごとに適切な形式で領収書を発行する必要があります。

病院領収書の書き方

病院の領収書は、保険診療や自費診療を問わず、医療機関が患者へ費用の受領を証明するために発行する重要な書類であり、正確に作成しなければなりません。

ここでは、病院の領収書に必要な記載項目や書き方を紹介します。

発行日

領収書に記載する発行日は、患者が実際に会計を行った日付を記入します。診療日と発行日が一致しない場合もありますが、領収書は「支払いを受けた事実」を証明する書類であるため、支払日を正しく記載することが重要です。

特に医療費控除の申告や、保険会社への提出が必要なケースでは、発行日の誤りが手続きの遅延につながることもあるため、正確な記載が大切です。

宛名

宛名欄には、医療費を支払った人、もしくは組織の名称を正しく記載しましょう。宛名は「誰に対して領収したのか」を示す重要な情報であり、医療費控除の申告や会社の経費処理などで証明の資料として利用されます。

氏名や名称を正確に書くことで、後日の確認や手続きがスムーズになり、領収書としての信頼性も高まります。

金額

金額欄には、保険診療の場合は、患者が窓口で支払った自己負担額(保険適用後の金額)を税込の総額で記載します。

改ざん防止のため、先頭に「¥」や「金」を入れ、末尾には「-(ハイフン)」や「※(米印)」、「也(なり)」などを付けましょう。数字を読みやすくするため、3桁ごとに「,(カンマ)」を入れます。

但し書き

但し書きには、「何の代金として受領したか」を明確に示す一文を記載します。病院の領収書では、診療内容や診療期間などを簡潔に記すのが一般的で、支払いの対象が一目で分かるようにします。

但し書きの記載で患者は支出の内訳を把握しやすくなり、保険請求や医療費控除の手続きにもスムーズに活用できます。

医療機関名

領収書を発行した医療機関側の正式名称を明記します。医院名、クリニック名、病院名など、正式な名称を記載することで、発行元が明確になり、会計処理や保険申請の手続きなどで証明書類として適切に扱うことができます。

また、患者や会計担当者が後日確認する際にも誤解が生じにくく、医療機関側の信頼性や管理の精度も向上するでしょう。必要に応じて住所や連絡先を併記すれば、さらに証憑としての価値が高まります。

領収書は金額の証明となる文書であり、改ざんを防ぐ工夫が欠かせません。そのひとつとして発行者の社印や角印があげられます。特に紙の領収書の場合は、スタンプなどの正式な発行印が押されていると、改ざんを防ぐとともに領収書の信用度も高まるでしょう。

インボイスに対応する場合

インボイス制度に対応した領収書を作成する場合、インボイス(適格請求書)として必要な項目を正確に記載する必要があります。

  • 発行者の氏名または名称
  • 発行者の適格請求書発行事業者登録番号
  • 取引年月日(領収日または請求日)
  • 取引内容(診療費、商品名、サービス内容など/軽減税率であればその旨を記載)
  • 税率ごとに区分した取引金額(税抜または税込)
  • 適用税率(標準税率10%・軽減税率8%など)
  • 税率ごとの消費税額
  • 宛名(支払者の氏名または名称)
  • 発行者の住所または所在地

必要項目を記載したインボイスを発行することで、受け取った側は正しく仕入税額控除を受けられます。特に医療サービスは非課税となる場合が多いため、どの項目が課税・非課税なのかを区別して記載することが重要です。

患者が個人の場合、インボイスの発行を求められることはほとんどありません。しかし、企業などの法人がまとめて健診費用や医療費を支払うケースでは、インボイス対応の領収書が必要となることがあります。こうした場合に備えて、事前に相手の要望を確認し、インボイス要件を満たす形式の領収書や請求書を用意しておくとよいでしょう。

病院領収書の保険診療と自費診療の違い

病院の診療は、保険診療と自費診療で領収書の記載内容や扱い方が異なります。保険診療では自己負担額のみが記載され、自費診療では支払全額を記載し、場合によっては消費税の記載やインボイス対応も必要です。

ここでは、それぞれのポイントを分かりやすく解説します。

保険診療の場合

一般的に病院を受診する際は、健康保険が適用され、患者は医療費の一部(自己負担分)を窓口で支払います。領収書には、患者が実際に支払った自己負担額だけが記載されます。

そのため、領収書の但し書きには金額が「保険診療分」であることを明示することが重要なポイントです。

たとえば「〇月分一部負担金(外来診療)」や「保険診療自己負担分」と書くことで、公的保険適用の診療に対する支払いであることが一目で分かります。

また、保険診療の場合は診療明細書が発行されるため、領収書に細かい診療行為名をすべて記載する必要はありません。代わりに、「初診料〇〇円・診察料〇〇円:計xx円」といった主要項目ごとの小計を記載するのが一般的です。

自費診療の場合

自費診療では、患者が医療費の全額を負担します。そのため、領収書には支払った全額を合計金額として記載し、保険診療のように負担割合を示す必要はありません。

美容目的の施術など治療とはいえないサービスは、消費税の課税対象になる場合があります。課税対象の自費診療の場合、領収書には本体価格と消費税額を分けて明記し、最後に合計金額を記載するのが望ましいでしょう。患者が支払った金額が明確になり、医療機関側の会計処理や税務対応も正確に行えます。

また、消費税課税の自費診療はインボイス制度の対象になる場合もあるため、必要に応じて適格請求書の要件に沿った記載が求められます。

病院領収書を作成するときの注意点

病院の領収書を作成する際は記載ミスがないよう注意し、ミスをした場合はできるだけ再作成の対応が必要です。また、一度発行した領収書の再発行は原則として行いません。

ここでは、作成の際の主な注意点を解説します。

記載ミスはできるだけ再作成で対応する

手書きの領収書を作成する際は、記載ミスに十分注意が必要です。金額を誤って記入した場合、修正液で消して書き直すことは認められません。訂正する場合は、間違えた部分に二重線を引き、訂正印(発行者の印)を押す方法があります。

ただし、医療費の領収書は保険請求や会計処理でも使用される公的文書に準じるため、記載ミスがあった場合は、原則として正しい内容で新たに領収書を作り直すことが推奨されます。再作成により、後日のトラブルも防止できるでしょう。

原則として再発行は行わない

領収書は、金銭の受領を証明する公的な書類であり、一度発行した領収書の再発行は原則として行われません。再発行すると、同じ金額を複数の領収書で証明できてしまうため、不正利用や会計上の混乱のリスクがあるためです。

発行後に紛失や破損などの理由で再発行を希望する患者がいる場合でも、原本とまったく同じ内容の領収書を再び発行することはできません。

代替措置として、医療機関では「領収証明書」という書類を発行し、紛失した領収書の証明として用いる方法が一般的です。領収証明書には、患者名や支払日、支払金額など必要な情報を記載し、元の領収書の代わりとして使用できるようになっています。このような対応で、患者の利便性を確保しながら、病院側も不正リスクや会計上のトラブルを防止できます。

保管義務・保存期間がある

法人や個人事業主には、取引に関する帳簿や証憑書類を一定期間保存する義務があります。青色申告の場合は原則として7年間(欠損金のある事業年度は10年)、白色申告の場合は5年間の保存が必要です。

領収書も会計帳簿と連動して取引を証明する重要な証憑書類にあたるため、少なくとも7年間は保管しておくことが安全です。

保存の際は、紙のまま保存する場合は日付順や取引先別に整理し、電子データとして保存する場合は電子帳簿保存法に則った形式で管理しなければなりません。適切な管理により、税務調査や会計監査の際にも迅速に対応できます。

参考:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」

まとめ

病院の領収書は、保険診療の場合、患者の自己負担額のみを記載します。非課税扱いとなるため、印紙の貼付やインボイス対応は不要です。

一方、自費診療や消費税の課税対象となる医療サービスでは、本体価格と消費税額を分けて記載し、必要に応じてインボイス制度に対応した領収書を発行する必要があります。

領収書には、宛名や但し書き、発行日、病院名などの必須項目を正しく記載することが大切です。無料のエクセルテンプレートを活用すれば、これらの項目を簡単に作成できるため、ぜひご活用ください。

その他のテンプレート

監修 安田亮

Author Yasuda

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。 大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。 連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。