敷金

敷金の英語表記

security deposits
 

敷金勘定の定義・意味・意義

敷金とは、賃貸借契約に基づき支出した金銭で、契約終了・解除の際に返還されるものを管理するための勘定科目をいう。
 

敷金勘定の定義・意味・意義

  • 差引敷金勘定
  • 敷金は差引敷金勘定という名称で使用される場合もある。

  • 補償金
  • 敷金は保証金と呼ばれることもある。

 

敷金勘定の決算書における位置づけ等

敷金の財務諸表における表示区分と表示科目
貸借対照表>資産>固定資産>投資その他の資産>敷金
 

敷金勘定の範囲・具体例

事務所などを賃貸契約した際に支払う費用
 

敷金の会計・簿記・経理上の取り扱い

取引と仕訳の具体例・事例

-取引 月額賃料30万円、敷金半年分(180万円)の場合
-仕訳(返還される場合)

借方科目金額貸方科目金額備考
敷金180現金180支払時
現金180敷金180退却時

-仕訳(返還されない場合)

借方科目金額貸方科目金額備考
長期前払費用180現金180支払時
敷金償却36長期前払費用361年目
敷金償却36長期前払費用362年目
敷金償却36長期前払費用363年目
敷金償却36長期前払費用364年目
敷金償却36長期前払費用365年目

会計資料(証憑・証拠)

不動産会社からの請求書や領収書など。
 

敷金の税務・税法・税制上の取り扱い

未返還部分の処理

契約により一部が返却されない場合は、未返却分を長期前払費用として償却(契約期間か5年間)する。
ただし、法人税法上、敷金の返還されない部分が20万円未満であれば、その全額を支出時に支払手数料などの勘定科目を使用して、費用処理(損金経理)することが認められている。

消費税

敷金を支払ったときは消費税の対象外となりますが、敷金が返還されない金額や控除される金額が明らかにされている部分は、仕入税額控除の対象となる。
 

敷金でよくあるQ&A

敷金はどのような経緯から支払うようになったのですか?

敷金の法的な性格は、賃借人に万一契約不履行等の事情が生じ、賃貸人が賃借人に対して金銭支払請求をした場合に、賃借人がこれを支払えなかった時に備えた、いわばリスクをおさえるための担保です。金額としては、居住用の賃貸の場合は1~3か月分、事務所・店舗用の賃貸の場合は6か月分や3年分に及ぶケースなどもあります。

預けた敷金は必ず返還されるのでしょうか?

必ずしも返還されるとは限りません。相殺される可能性があるため注意しなければならない場合の具体例として、契約期間内に解約してしまった場合には解約違約金と敷金を相殺する形を取り預けた敷金が返還されない場合があります。テナントなどの場合それに加えて、退去予告を3か月以内に行わなければ同様に敷金が没収される場合があるなど注意が必要です。

 

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