受取利息

受取利息勘定の英語表記

interest income

 

受取利息勘定の定義・意味・意義

受取利息とは、預貯金(普通預金、定期預金、郵便貯金など)の利子、有価証券(国債、地方債、社債など)の利子、貸付金の利息、手形割引料などの金融上で得た利子を処理する勘定科目である。受取利息は、受取配当金とあわせて受取利息<>配当金という科目を使用する場合もある。預貯金の利子や貸付金の受取利息の発生金額が多く、管理上必要とする場合には受け取り預金利息と貸付金利息とを区分して勘定を設けることもある。

 

受取利息勘定の決算書における位置づけ等

損益計算書>経常損益の部>営業外損益の部>営業外収益>受取利息

 

受取利息勘定の範囲・具体例

  • 貸付金利息
  • 普通預金利息
  • 国債利息
  • 有価証券利息

基本的に受け取った利息はすべて受取利息勘定に当てはまる。

 

受取利息の会計・簿記・経理上の取り扱い

利息の計算方法

利息の金額=貸付(借入)金額×年利率×貸付(借入)日数(月数)/365日(12ヶ月)
例:100万円を年利率5.0%で219日間貸付した場合の利息
  1,000,000×5%×219/365=30,000

後払いの利息の収益計上の時期について

原則として、利息計算期間の経過に応じて当期に発生した額を「未収利息」として当期の収益に計上するが、利払期が一年以内の一定期間ごとに到来するものは、継続適用を条件として、受取時に収益に計上することもできる。なお、未収利息とした場合は、入金があり次第振り替えを行う。

取引と仕訳の具体例・事例

-取引 取引先に貸した短期の貸付金500万円が利息5万円とともに返済されて、普通預金に入金された。
-仕訳

借方科目金額貸方科目金額
普通預金5,050,000短期貸付金5,000,000
受取利息50,000

-取引 普通預金の利息1万円のうち、所得税15%と住民税5%が差し引かれ、残高8千円が普通預金に入金された。
-仕訳

借方科目金額貸方科目金額
普通預金8,000受取利息10,000
仮払税金2,000

本例では所得税と住民税をまとめて「仮払税金」としているが、補助科目や摘要欄を使用してそれらを分けて区分しておいた方がよいこともある。

 

受取利息の税務・税法・税制上の取り扱い

有価証券利息について

実務上、公社債などの有価証券の利子は、有価証券利息の科目を用いて区分することがある。この点について、企業会計原則では、特に受け取り利息と有価証券利息を区別する規定はないが、財務諸表規則(「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」)では次のように規定されている。
『第九十条 営業外収益に属する収益は、受取利息(有価証券利息を除く。)及び割引料、有価証券利息、受取配当金、有価証券売却損、仕入割引その他の項目の区分に従い、当該収益を示す名称を付した科目をもつて掲記しなければならない。ただし、各収益のうちその金額が営業外収益の総額の百分の十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該収益を一括して示す名称を付した科目をもつ掲記することができる』
つまり、証券取引法の規制の対象となるような株式会社では、原則として受取利息と有価証券利息を区別すべきである。

消費税について

受取利息は非課税売上である。なお、受取配当金は不課税である。

源泉徴収について

預貯金の利子や公社債の利子などは、国税15%、地方税5%が源泉徴収されているため、受取利息として計上するのは国税・地方税を控除する前の金額にしなければならない。
現在(2014.12)は復興特別所得税が0.315%加算されているため、実際に受け取る受取利息は総額の79.685%となる。受取利息から源泉徴収された税金は、税金の前払いとみなされるため、確定申告時には納付すべき税額からこの前払い分を全額差し引き、残額を納付することになる。なお、貸付金利息は税法上の利子所得ではないので、源泉所得税は徴収されない。

 

受取利息でよくあるQ&A

法人と個人で処理の違いはありますか?

個人事業主の場合、事業所得以外の収入は事業用の帳簿から除く必要があります。したがって、受取利息勘定は帳簿にはなく、預金利息は利子所得となり、事業主借勘定で処理することとなります。法人の場合は先述の通りです。受け取った利息は受取利息勘定で処理することとなります。

受取利息に含まれる源泉所得税の会計仕訳を教えてください

原則としては「仮払税金」勘定で仕訳をしますが、実務上は「租税公課」や「法人税等」、「法人税・住民税及び事業税」が使用されることもあります。源泉徴収した分は先述の通り、確定申告の際に納付すべき税額から控除することができるので、別途管理しておくのが望ましいです。また、「法人税・住民税及び事業税(国税)」のように、源泉徴収された税金を種類ごとに分けて表示することもあります。実務上は納税する際の手間を考慮し、あらかじめ種類ごと分けて表示してあることが多くなっています。

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