小口現金から解放!経費精算の99%をキャッシュレス化した方法とは

小口現金から解放!経費精算の99%をキャッシュレス化した方法とは

今まで小口現金は、経理担当者にとって日々の管理が負担になる上に、不正の温床になりかねない運用であり、課題に感じている方が多いと言われていました。昨今のテレワーク対応時にも、小口現金に関する業務が、経理の在宅勤務を阻害する要因の1つになっているという声も多く聞かれました。今回は、具体的に小口現金はどのように経理担当者の負担になっているのか、「経理プラス」読者の皆様に調査を行いました。

アンケートにご協力くださった「経理プラス」読者の皆様、誠にありがとうございました。

調査概要

調査方法: インターネットアンケート
調査期間: 2020年7月9日~19日
対象者 : 「経理プラス」メールマガジン会員、SNSフォロワー
回答数 : 354名

小口現金管理業務の実情とは

73%の担当者が小口現金業務を「負担に感じている」

小口現金とは、経費をその場で精算できるよう、会社で手元に置いておく現金のことです。外出や出張で事前に現金が必要になった場合の仮払いや、社員が立て替えた費用の精算、備品などを購入する経費として使用します。経理担当者は、毎回出納帳の記録と照らし合わせながら手元の残金と金額のずれがないか確認します。

緊急事態宣言発令後、企業がテレワークの導入を急ぐ中で、経理の出社業務の中に小口現金の取り扱いが上げられました。実際小口現金を使った経費精算を行っている企業は全体の75.4%と、ほとんどの企業で未だ経理が出社し、取り扱わなければいけない業務が残っているという結果がでました。

(図1) 設問「あなたのお勤め先では小口現金を使った経費精算を行っていますか。(n=354)」の回答

ほとんどの企業で取り扱いをしている小口現金管理ですが、実際経理担当者にとってはどのくらいの業務負担になっているのでしょうか。小口現金管理を行っていると回答した人のうち、72.7%の方が業務負担になっていると考えており、そのうちとても負担に感じると答えた方は16.5%にも上りました。

(図2) 設問「小口現金の管理業務は負担だと感じますか。(n=267)」の回答

では、小口現金の管理業務の何が負担になっているのでしょうか。半数以上の方が挙げていたのは以下の内容です。

  • 出金や両替のために銀行に行く必要がある
  • 毎日小口現金の金額のチェックが必要
  • 申請者への対応で自分の業務がストップしてしまう

ここから小口現金に関する業務は、毎日の負担が大きいことが分かりました。加えて、現金管理は人的ミスが起こりやすく、経理担当者の精神的な負荷や、実際にミスが起きてしまった際のリカバリーに時間がかかってしまっています。

  • 1円でもずれてはいけないプレッシャー
  • 盗難や紛失の恐れ
  • 帳簿と残高にずれが生じた際の調査が負担

上記のような理由を上げた方は全体の4割以上にのぼり、多くの経理担当者は、業務の手間だけでなく「盗難や紛失の不安」 「1円でもずれることは許されないというプレッシャー」「不正を疑われるのではという不安」といった精神的な痛み・ストレスを感じていることがわかりました。

62%の担当者は「帳簿と残金が合わなかったことがある」

手間もミスも発生してしまうことが業務負担であるという結果がでた小口現金管理ですが、調査では実に62.2%の経理担当者が帳簿と残金が合わなかったことがあるという結果が出ました。
ミスが発生した際、どこで合わなくなったか遡り各所に確認するのは一苦労です。そうして確認をしても、約3割は原因を突き止めることができず、「現金過不足」や「雑費」として仕訳し、最終的に費用または収益に振り替えて処理するしかありません。ただでさえ社員の立替えた金額・内容を把握して、それぞれの勘定科目に当てはめて、と手間がかかっている仕訳作業が、より複雑になります。

さらに驚くことにこっそり自腹で処理をした、自腹を切らされたというケースも16%の経理担当者が経験しており、これは企業のコンプライアンス上も問題であり、本来あってはならないことです。

(図3) 設問「小口現金の帳簿と残金が合わなかったことがありますか。(n=267)」の回答

これだけミスが生じやすく、ともすればコンプライアンス上の問題にも発展する小口現金管理ですが、さらに驚きなのが、小口現金を一人で管理している経理担当者も多いようです。一人で入出金ができる環境にあると回答した経理担当者は実に66%にも上り、さらに一人で入出金ができる上に不正がないかチェックする体制になっていないという回答は全体の25%もありました。つまり、何か問題が起こった際、不正を疑われてしまうケースも発生しうる、ストレスの多い環境で働いている経理担当者が多く存在しているのです。実際、経理担当者の中でも約80%の方が不正の起こる可能性がありうる業務だと感じており、近年小口現金の着服事件が相次いで報道されていることも納得がいく結果でした。

(図4) 設問「小口現金を一人で入出金できる環境にありますか。(n=267)」及び、設問「小口現金を入出金した際は、その入出金に不正がないかチェックする体制になっていますか。(n=267)」の回答

リスクだらけの小口現金はなぜ廃止できないのか

小口現金管理はストレスが多く、経理担当者の9割近くの方は小口現金を使った経費精算を減らしたいと考えていました。

(図6) 設問「小口現金を使った経費精算を減らしたいと思いますか。(n=267)」の回答

それにも関わらず、なぜ小口現金管理は続いてしまうのでしょうか。小口現金管理を行っている経理担当者に小口現金を廃止できない理由を聞いたところ、半数近くの方が以下のような回答をしていました。

  • 小口現金を廃止した場合の代わりの精算方法がないため
  • どうすれば小口現金を廃止できるかわからないため

一方で、経理担当者のみでは解決できない問題もあるようでした。

  • 社内の理解が得られない
  • 取引先が口座振替に対応していない

小口現金廃止後の代わりの経費精算方法は

小口現金を廃止後の精算が分からないという声も多くあがりましたが、実際に小口現金の廃止に向けて具体的に実施・検討している企業はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

(図8) 設問「小口現金の廃止に向け、具体的に実施している、またはこれから実施したい取り組みはありますか。(n=267)」の回答

「立替経費を銀行振込にする」、「クレジットカードを利用する」ことにより小口現金を廃止する企業が多数となりました。立替経費を銀行振込とした場合、個人ごとの現金対応を行う必要はなくなります。また、キャッシュレス精算方法の中で、最も回答の多かった法人用クレジットカードは、社員の立替負担を軽減できるほか、精算漏れや不正の防止をすることもできます。

ラクスが取り組んだ小口現金管理を減らした方法とは

ここで「経理プラス」を運営する株式会社ラクスの経理財務部の取り組み事例をご紹介します。
株式会社ラクスは東京に本社を構えており、大阪本店、名古屋営業所、福岡営業所と日本各地に拠点を設けています。さらに経理財務部は大阪本店に在籍していて“遠距離ケイリ”の体制となっています。この体制下でもスムーズな業務推進ができるよう、これまで業務効率化に向けたITシステムの導入や社内制度の変更などを、経理自らが企画・提案・実行し、小口現金削減を含む業務改善を進めてきました。

取り組み1:コーポレートカードの導入

経理業務の効率化、小口現金の縮小の一環として2009年からコーポレートカードを導入し、現在では約60%の社員が保持しています。振り込み処理以外の経費精算については、原則コーポレートカードで支払いをしており、担当者の立替精算はほとんど発生していません。コーポレートカードは経費精算システム「楽楽精算」と連携しており、クレジットカードの利用明細を「楽楽精算」へ自動で取込み、そのまま経費の申請・精算をしているため、手入力を行うことがなく、手間とミスを削減できています。また、取り込んだ利用明細データは金額などの項目は修正不可となっており、入力ミスや不正行為の防止・内部統制強化が実現できました。経理と各拠点の距離が離れているからこそ、ミスや不正が起こりにくく、経理が担当者に照会しなければいけない回数を減らす環境づくりをするためには、最適な運用方法でした。

>>経費精算システム「楽楽精算」のコーポレートカード連携機能の詳細と導入企業の活用事例を読む

取り組み2:経費精算システム「楽楽精算」の活用

振り込みが必要な経費精算については、「楽楽精算」上で経理部門へ支払依頼ができるようになっています。物品購入の経費精算や近隣交通費の精算はもちろん、社外への支払依頼も経費精算システム「楽楽精算」で全ての処理を一元管理できるようになっているため、「社員が申請⇒上司が承認⇒経理担当者の精算処理」という一連のワークフローを全て電子化し、拠点が離れていても迅速に処理ができる状態を実現できています。
支払依頼の際に必要な請求書のデータについても「楽楽精算」にアップロードするだけで、記載されている社名や金額を自動で内容を読み取り、その内容をそのまま申請データとして利用でき、申請者の負担も減らすことができました。その結果、申請者にとっても経理担当者にとっても「楽」になる運用ができ、社内の理解を得ながら活用を進められたため、現在ラクスの経費精算のキャッシュレス比率は99%を実現しています。

>>経費精算システム「楽楽精算」の支払依頼機能の詳細と導入企業の活用事例を読む

まとめ

小口現金は気軽に支払いができる反面、経理の管理負担が大きい業務の1つです。取り扱いに細心の注意を払わなくてはならないため、 毎日・毎月のチェックの手間も、精神的な負担も膨大になります。小口現金の取り扱いを最小化することで、経理担当者の業務効率化と社内の不正防止につなげることができます。社内ルールを作成することは大変に思えるかもしれませんが、日々の業務負担を軽くし、今後のテレワーク、ペーパーレス化が進む社会に適応するためにも検討をすすめてみてはいかがでしょうか。

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より