【経理調査】施行目前!インボイス制度の準備状況を経理約900名に聞きました!

【経理調査】施行目前!インボイス制度の準備状況を経理約900名に聞きました!

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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

今回は経費精算システム「楽楽精算」を提供する株式会社ラクスが経理・財務・会計担当者約900名を対象に実施した、インボイス制度の準備に関する調査結果をご紹介します。

そもそも「インボイス制度」とは

インボイス制度とは、2023年10月に施行となる、『適格請求書(インボイス)』のやり取りを前提とした、消費税に関する新しいルールです。

『適格請求書(インボイス)』とは従来の区分記載請求書とは異なり、適格請求書発行事業者のみが発行できる請求書です。適格請求書発行事業者になるためには「適格請求書発行事業者の登録申請書」を税務署に提出する必要があります。

この申請書を提出できるのは課税事業者のみとなっており、原則2023年3月31日までの提出が必要です。

また、仕入税額控除を行うためには、適格請求書の受領と保存が必要となります。さらに消費税を計算するタイミングに制限が加わるなど、請求書の発行・受領の両方の側面で、業務に影響が出てくると考えられます。

インボイス制度や適格請求書の詳細については以下のページでもご説明していますので、ぜひ参考にご覧ください。

経理プラス:インボイス制度特集

調査概要

今回紹介する調査結果の概要は以下です。

調査対象 :経理・財務・会計担当者
調査地域 :47都道府県
調査期間 :2022年12月15日~12月20日
調査方法 :インターネットリサーチ
有効回答数 :907サンプル
回答者の所属する企業の従業員規模 :30名~1,999名
回答者の所属する企業の業種 :建設、不動産、素材・素材加工品、機械・電気製品、食品、中間流通、運輸サービス、広告・情報通信サービス、消費者サービス、法人サービス

(参照)「楽楽精算」:インボイス制度の対応「詳細まで知っている」と回答した企業は43.7% 請求書”受領側”の対応についての認知が遅れている結果に

インボイス制度の“受領側”の準備については認知が遅れている…?

以下株式会社ラクスが発表している調査結果と見解を抜粋してご紹介します。

インボイス制度の認知状況について伺ったところ、「請求書の発行側および受領側で必要な対応のいずれも詳細まで知っている」と回答した企業は43.7%となりました。また、「請求書の発行側で必要な対応は詳細まで知っているが、受領側で必要な対応の詳細は知らない」と回答した企業は23.0%、「請求書の受領側で必要な対応は詳細まで知っているが、発行側で必要な対応の詳細は知らない」と回答した企業は10.6%となり、12.4ptの差が生じています。”受領側”の対応詳細について認知が遅れていることが明らかになりました。

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また、インボイス制度の対応準備の進捗についての質問もありました。

インボイス制度対応に向けて既に準備/実施していることを伺ったところ、最も進んでいるのは47.5%の企業が回答した「適格請求書発行事業者の登録申請」となりました。

また、最も遅れているのは26.9%の企業が回答した「仕入税額控除の経過措置の準備」となっています。こちらは請求書”受領側”の準備であり、前述した通り受領側の認知遅れが懸念される領域となります。

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ここで気になることが、全ての項目において50%以上を超える回答が無いことです。

インボイス制度が施行される2023年10月1日もどんどん近づいてきています。適格請求書発行事業者の登録といった発行側の準備だけでなく、受領側の準備も早めに進めていく必要があるでしょう。

具体的に何が必要?インボイスの発行側・受領側の準備

インボイス制度の準備について、「請求書発行側」「請求書受領側」の2つの立場に分け、事前準備と制度開始後の準備についてまとめました。

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まず、請求書発行側として、制度開始前に申請書の提出が必要です。原則は2023年3月31日までの提出が必要になります。ただし、申請書の提出が困難である場合には前日の2023年9月30日までに提出することも認められています。

しかし、提出から適格請求書発行事業者の登録番号が分かるまでには一定の時間がかかるため、早めに登録準備をしておいた方がよいでしょう。

適格請求書発行事業者の登録方法の詳細は、以下の記事でも紹介していますので参考にご覧ください。

経理プラス:インボイス制度の申請には何が必要?登録方法、申請書の書き方を徹底解説

また事前に自社の登録番号を取引先に通知しておくと、いざインボイス制度が開始した際にスムーズに請求書を受け取ってもらえるでしょう。さらに控除ができる仕組みを反映できるシステムに入れ替える場合や、改修が必要な場合もありますので、事前に確認をしておきましょう。

制度開始後は、あらかじめ決定したルールや方法に則り請求書を発行、仕訳、書類保管を進めることになります。

一方受領側では、事前準備として既存の取引先や新規取引先へ適格請求書発行事業者の登録番号の有無を確認したり、制度開始後の業務を想定して申請ルールの整備や周知を行ったりと社内外の調整が必要になります。

制度開始後は、適切なインボイスを受領していないと仕入税額控除ができません。そのため、受け取った請求書の発行者の登録番号が正しいか、適切な項目が記載されているかどうかを確認する必要があります。必要な項目が漏れている場合は都度取引先に再交付を依頼することになります。また、取引先が適格請求書発行事業者かどうかによって仕訳方法が変わるため、受け取った書類や取引先の対応状況など、確認する事項が増えることが予想されます。

このように発行側よりも受領側の方が準備すべきことや制度開始後に留意すべきことが多いため、スムーズに対応できるようにしっかりと準備を進めておきたいところです。

インボイス制度の準備だけじゃない!2023年は法対応準備ラッシュ…

インボイス制度の他にも、2023年の間にもう一つ気にしなくてはならないものがあります。それは「電子帳簿保存法」への対応です。

「電子帳簿保存法」とは、国税に関する書類を電子データ化して保存する方法を定める法律です。電子帳簿保存法は大きく分けて「国税関係帳簿」「国税関係書類」「国税関係書類をスキャン保存したもの」「電子取引データ」の4つの分類があります。特に経費精算には「国税関係書類をスキャンしたもの」のうち、相手方から受領した書類と電子的に拝受される書類(電子取引データ)の保管については、電子帳簿保存法の規定に従い、電子保存することでこれらの書類の原本保管が必要なくなります。

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2024年1月から、電子取引(メール等で受け取った請求書や領収書など)は控えとして紙に印刷して保存することは可能ですが、電子データでも保存が必要です。

現在は猶予措置が取られていますが、将来的には紙の保存が禁止になる可能性があります。

2024年1月までに「電子取引のデータ保存」に対応する場合には、インボイス制度の準備が終わってほっとしている間もなく、電子帳簿保存法対応の準備を進めることになりそうです。

※令和5年度の税制改正大綱にて、電子取引の保存に関する猶予措置が発表されました。詳しくは国税庁の発表をご確認ください。(2022年12月16日時点の情報です)

電子帳簿保存法の対応については経理プラスで特集ページを設けていますので、参考にぜひご覧ください。

経理プラス:電子帳簿保存法特集

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面倒な法対応準備、システムで一気に終わらせよう!

2023年はインボイスの準備と電子帳簿保存法の準備が重なり、経理にとっては波乱の1年となりそうです。毎月の経理業務の合間に法制度に向けた準備を進めていくことになるため、なるべく法対応をまとめて、ラクに対応したいところですが、実は法対応を一気に完了させる方法があります。

それはインボイス制度・電子帳簿保存法どちらにも対応しているシステムを導入することです。

例えば、調査を実施した株式会社ラクスでは法制度に対応した請求書発行ができる「楽楽明細」と法制度に対応した請求書・領収書受領に対応できる「楽楽精算」を提供しています。

「楽楽明細」はシステム改修や入れ替え不要で、既存の請求書データをアップロードすればインボイス制度に沿った適格請求書を発行できます。また、発行した請求書などの帳票は、電子帳簿保存法の要件を満たした形で一元管理が可能です。

「楽楽精算」は受領側のインボイス対応を効率化する機能として、領収書・請求書読み取り機能※により適格請求書発行事業者の登録番号を自動で読み取る機能があります。また、国税庁のデータベースと自動で突合する機能が搭載される予定です。さらに、適格請求書発行事業者かどうかを仕訳上で管理できます。もちろん電子帳簿保存法に対応しているので受け取った請求書・領収書の法に則った電子保管も可能です。

※電子帳簿保存法オプションの利用が必要です。
※自動読取機能の読取精度は100%ではございません。

その他、インボイス制度・電子帳簿保存法に対応するシステムが多く提供されていますので、ぜひ情報収集をしてみてください。

まとめ

今回は株式会社ラクスが実施した調査結果を基に、インボイス制度の準備状況やインボイス制度開始前と後で必要になる準備についてお伝えしました。これからインボイス制度について準備を開始される方や、今の準備が十分であるか不安という方は、この機会にシステム提供会社へ一度相談してみてはいかがでしょうか。

この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。

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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より

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