【インタビュー】紙・郵送での旅費精算から脱却!サンドビックの経理業務効率化の取り組みとは
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
こんにちは。経理プラス編集部です。
経理業務効率化成功企業へのインタビュー第18弾は、サンドビック株式会社様です。同社の業務改善のための取り組みについて、財務管理本部 経理部の大野様にお話を伺いました。
サンドビック株式会社とは
サンドビック株式会社様は、スウェーデンに本社を置くサンドビックグループの日本法人です。サンドビックグループは1862年の創業で、「ベッセマー法」という当時の革命的な製鋼法を産業向けに実用化した世界初の企業として知られています。
サンドビック株式会社様では、切削工具や特殊鋼、ヒーティングシステム、鉱山・建設機械などの製品・サービスを提供しており、本社の神戸の他、東京や名古屋をはじめ全国に営業拠点や工場があります。
旅費精算だけで約200件!紙・郵送での精算フローに課題
経理業務の領域で課題に感じていたことを教えてください
旅費精算をはじめとする経費精算を紙出力・郵送で行っており、非効率的だと感じることが多く、精算フローの改善は長年の課題となっていました。
従来の精算フローをお話すると、申請者がExcelで精算書を作成し、上長がサインをした上で、経理のある神戸本社に送付後、支払処理を行う精算フローで経費精算を行っていました。
当社は全社的に出張が多く、旅費精算だけで毎月約200件もの申請があがってきます。この約200件の旅費精算のほぼ全てが月末に集中して経理に届くので、経理でのチェックはどうしても月末に集中し、とても大変でした。
旅費精算だけで月200件は多いですね
加えて郵送での対応となるとさらに大変だったのではないでしょうか
全国に営業所や工場があり、経理に精算書が届くまでにとても時間がかかっていました。
また、申請者と上長が別の勤務地で働いている場合は、申請者から上長へ、上長から経理へと2回郵送が必要でしたし、上長が出張中で精算の締め日までにサインができないことも多くありました。その場合は、先に精算書をサインが無い状態で経理に送付してもらい、支払処理後に再度営業所に返送、各上長のサインをもらってから経理に再度送付してもらう必要がありました。サインのためだけに郵送するのも返送してもらうのも手間ですし、事後承認が常態化しているのは問題であると感じていました。
インナーシステムには多額の初期費用が発生…安価なクラウド型のシステムの存在を知る
どのようにして旅費精算の業務改善を検討されたのでしょうか
冒頭でお話した通り、旅費精算フローの見直しはずっと行いたいと考えていて、全社的にも業務効率化できる部分は見直していくという姿勢が推奨されていました。上司から業務効率化のために精算フローの見直しを始めてみようとの声があがったことから、旅費精算を効率化する方法を検討しました。
当初は、グループ会社が使用していたインナーシステムを日本語にカスタマイズして導入する方向で考えていたのですが、同じグループでも各国で税制や社内規則などの違いがあるため、そのまま導入が出来ませんでした。さらに、カスタマイズを行う場合、利用料とは別に開発費が数百万円単位でかかるという事実がわかり、二の足を踏んでいました。そんなときに、他部署からの紹介でクラウド型の旅費精算システム「楽楽精算」があることを知りました。
そこで御社の方にお越しいただきましてご説明を伺い、「楽楽精算」で当社が抱える悩みを解決できそうということが分かり、さらに導入費用もインナーシステムと比べると非常に安価でコストパフォーマンスが高いことから、「楽楽精算」を導入することにしました。
システム化で紙・郵送での手間が削減!チェック作業も以前の半分の時間で完了
旅費精算システムでどのように精算業務が効率化できましたか承認操作がWeb上で行えるため、長年の課題であった申請書を郵送する手間が省けました。経理への書類到着が早くなり、チェック作業に早く取り掛かれるようになりました。クラウド型のシステムのため、海外出張中や出張先のホテルからでも申請、承認ができるようになり、上長のサインがもらえないということも減ったので、課題だった事後承認の常態化も防ぐことができ、全体的に旅費精算が非常にスムーズになりました。
導入した「楽楽精算」はカスタマイズ性が高く、自社の運用に合わせた設定が簡単に行えたことで、申請ミスが減り、チェックも楽になりました。
導入が決定した後、経理とIT部門とで相談し、実装したい機能や構成の方向性を決めたのですが、その話し合いで出たアイデアのほとんどが実現可能で、ITの専門家ではない私でも簡単に設定を行うことができました。たとえば、初期の段階で旅費精算のチェックで苦労していた旅費手当や海外通貨での精算額の自動計算を設定しました。社内制度や手当の変更があった場合も、すぐに設定を変えることができるので、運用が滞ることがありません。
このカスタマイズのおかげで、申請のミスが激減しシステム導入のおかげで、従来であれば申請書のチェックだけで36時間ほどかかっていたところが、今では半分近くの時間で終了し、ほとんど残業をしなくて済むようになりました。
設定の変更も簡単だったということですが、システム導入はスムーズにできましたか
導入時も不明点は電話やメールでサポートいただいて、いただいたマニュアルなども見ながら設定を行うことができたので、問題なく設定できました。
全社員の旅費精算が効率化!精算業務改善を実現
その他、旅費精算システムの導入で改善したことはありましたか
承認がどこまで完了しているか申請状況を確認できる機能や、承認が遅れている申請についてリマインダーを送れる機能が助かっています。上長は他の業務で忙しいので申請が滞ってしまうことや忘れてしまうということも多いのですが、これらの機能のおかげで締め日を過ぎてのからの申請も減りました。
さらに、自動仕訳機能により手入力での仕訳作業が無くなりました。今までも自動仕訳ができるマクロプログラムを利用していましたが、手作りのシステムだったため、エラーが頻発し、直らないと結局手入力で仕訳を行わなければならないこともあり、苦労していました。しかし、システム導入後には申請時に選択された項目と仕訳科目が自動で紐づくようになっているので、仕訳入力の手間を省くことができました。
システム化を行って、社内の方からの反応はありましたでしょうか
社内で会った各拠点の社員から「現場のミスが減った」「承認が楽になりました」という声をもらって、嬉しかったことを覚えています。
コスト削減は永遠のテーマ!今後も業務効率化を実行
今後、経理業務の効率化のために実行していきたいことはありますか
コストの削減の意識を持つことは、会社として毎年のテーマとなっています。そのため、今後も課題として感じている部分については、効率化を目指していきたいと思っています。たとえば、経費精算でも成功したように、ワークフローのクラウド化などが考えられると思います。
最後に、経理プラスの読者の方々に一言お願いします
長年抱えていた経理業務を解決したいと、システム化を検討しましたが、初期に数百万円もかかるようなシステムの導入にはなかなか踏み出せないと思います。しかし、当社が導入した「楽楽精算」はカスタマイズ費用も更新費もかからず、月額の利用料だけで運用できるものでした。ランニングコストを考えても非常に良い製品なので、同じように精算フローに課題を感じている方は、「楽楽精算」のようなクラウド型の旅費精算システムでの業務改善から取り組むことで、効率化を実現できると思います。
経理プラス編集部より
従来の紙の精算からWebでの精算に移行したことで、課題を解決できたと笑顔でお話されている大野様の姿が印象的でした。長年郵送など手間のかかるフローで精算を行っていて課題に感じていたものの、なかなかシステム導入に踏み出せなかったということでしたが、旅費精算システムでの業務効率化の成功をきっかけに、今後も経理業務効率化を目指していくとのことで、現状に満足せずさらなる効率化を目指す姿勢は見習わせていただきたいと思いました。
貴重なお話をありがとうございました!
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※デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より
この内容は更新日時点の情報となります。掲載の情報は法改正などにより変更になっている可能性があります。
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※:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウド型経費精算システム市場の実態と展望」(ミックITリポート2023年9月号:https://mic-r.co.jp/micit/2023/)より