DXとIT化の違い、中小企業がDXを進める際に注意すべきこととは?

最近、経営におけるキーワードの一つとして、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をよく聞くようになりました。少々聞き慣れない言葉ですが、これは一体何のことを指しているのでしょうか。今回はIT化(ITの導入)とDXの違いから、DXの必要性や推進するにあたって必要なことなどを解説していきます。

DXとは何か?

DX(デジタルトランスフォーメーション)という概念が生まれたのは2004年にさかのぼります。当時スウェーデンの大学教授であったエリック・ストルターマン氏が提唱したのが始まりと言われています。彼は「デジタルトランスフォーメーションは、IT技術が人々の生活をあらゆる面で変化させること」と定義したようですが、この概念だけでは抽象的すぎて何をするべきか、そして何をしたらよいのかよく分かりません。

また、当時から15年以上経った今では、ITも技術面と機能面で著しく進化していますので、当時できなかったことや考えすら及ばなかったようなことも実現し変化させることができるようになってきています。そして、ビジネスにおいてはITの広がりによっていろいろな仕事をより効率よく進めたり、コストをかけずにできるようになり、IT技術・機能の進化にあわせて利用場面も急激に増えていきました。

しかしながら、中小企業においてはITを何からどのように導入していけばいいか、またどのように活用していけばいいかがよく分からず、導入に踏み切れていないところも多いでしょう。

また、平成30年に発表された、経済産業省のDX推進ガイドラインによると、DXは以下の通り定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

引用:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン

つまり、DXとは、様々なIT技術や方法を駆使して、業務のやり方やビジネスモデル、そして企業のあり方そのものまで改革、改良することなのです。

単にIT化すること=DXではない

ITに詳しくない方の場合、DXとIT化を単純に「DXの推進=ITの導入」と捉えがちです。しかし、IT化はDX推進とはイコールの関係ではなく、単にDX推進における手段の1つなのです。DXの推進にはITの利用を進めた上で、さらにビジネスモデルの革新が必要です。

言い換えると、「単に処理速度の速い新しいパソコンやタブレットを導入した」「グループウェアを導入した」「高速なインターネットを導入した」というだけではITの導入を進めたに過ぎず、DXが達成されたことにはなりません。DXの推進はこれらの高度な道具がなくては始まらないためITの導入は必須ですが、「その前提の上でさらにどのようなビジネスモデル上の変革ができたか」ということが重要なのです。

このIT化とDXの違いを経理業務に置き換えてみると、例えば「手書きで帳簿をつけ、請求書なども同様に手書きで発行していたのをパソコン上の経理ソフトを利用して売上などを入力し、請求書の発行もプリンタから行うようになった」というプロセスをIT化とだしたら、DX化というのは、その前提の上で「請求書の発行からメールでの送信、さらに入金の消し込み確認まで自動化できる状態になった結果、担当者の負担が2割減って、経理処理の日でも定時退社が可能になった」というところまでの進化を指します。ITを導入したことによって、時間やコスト上のメリットが享受されるようになってはじめてDX化が成功したと言えるでしょう。

参照:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」

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DXの成功は経営全体の改革である

これまで述べてきた通り、DXの推進は企業自体の効率を上げビジネスモデルを飛躍させることにつながりますが、皮肉にも2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行が必然的にDXを推進させた面もあります。コロナ禍で多くの企業がテレワークを強いられ、そのための機器やネット回線などの環境を急きょ用意して業務を始めた結果、極めて短期間で在宅勤務の体制ができました。当初、テレワークは効率が悪いイメージがありましたが、多くの社員がその環境に慣れてくるに従って、今までやりたくてもできなかった通勤時間や残業の削減による効率化やライフ・ワーク・バランスを守った勤務の達成などを達成できた例などもあります。これらの業務改革はDXによって勤務形態や仕事のやり方が変化し、結果的に業務効率の向上に成功した一つの事例です。

DX推進で企業は飛躍的に成長する

次に、DXを積極的に導入、推進し業績を伸ばした事例を紹介します。インターネット上でものを買うことは今や常識ですが、ユーザーの購買が直接売上につながる通販のサイトでも積極的にDXが取り入れられ活用されています。例えば、Amazonをはじめとした様々なサイトで見られる「自分が購入した品物や本と同じものを購入した第三者が別に購入しているものを自動的に勧めてくるレコメンドエンジン」、そして現在ほとんどのサイトで取り入れられている「ユーザーが検索したり閲覧したページのCookieデータを使ってその人の興味のありそうな広告を自動的に表示する広告戦略」などは、ITを駆使して取得したデータを分析し、効率的に使うことによって購買力を高めることに役立っています。このようにDXの導入・推進に成功した企業はコロナ禍でも大きく業績を伸ばしています。

中小企業において実際にDXを推進するにはどうすればよいか

では、実際に中小企業において、DXを推進するために何から行えばよいでしょうか。まず、通常のプロジェクトの推進と同様に、現状の把握や経営課題の洗い出しから行う必要があります。特に中小企業の場合はその規模や職種が様々であり、社内のIT環境や機器類が充分に備わっていない場合は、そもそもDXの前提となるIT自体の導入・整備から画策していく必要があるかもしれません。

また、何から導入していくかの優先順位の策定や予算の確保を行い、適切な時期に無理のない計画を立てていくことが重要です。DX推進の最終目的は会社全体の業務の効率化や売上規模の拡大、それらによる経営の継続化です。言葉ばかりに踊らされてDXの導入を急ぎ、結果的に会社経営がうまく行かなければ全く意味がありません。

まとめ

これまで見てきた通り、時代はDXの推進に重きをおいています。しかしながら、中小企業においては「DX化を推進すること=効率化」が必ずしもすぐに当てはまらないこともあります。例えばセキュリティ一つにおいても、それだけを重視して強固なパスワードをいくつも導入したばかりに業務効率が著しく低下してしまい、その結果商品生産能力が落ちてしまっては意味がありません。このような、DX化を急いだために起こるであろう弊害も事前に考慮する必要があります。

会社の状況に合ったDXを適切に推進するためには、自社の業種、業態、規模によって、無理のない計画を立て実行しなければなりません。そのためには、自社の業務フローや経営課題をきちんと認識し、かつITにも精通しているリーダーが指揮をとり、進めることが何よりも重要です。ただ、自社内だけで進めると、確認不足や見落としなどが発生する可能性もあるため、場合によっては外部の信頼できるITの専門家にプロジェクトに入ってもらい、全体を見渡した計画を立ててもらうことも成功の近道でしょう。

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